特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理と、保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラムの提案に関する研究

文献情報

文献番号
201021039A
報告書区分
総括
研究課題名
特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理と、保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラムの提案に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 人材育成部)
研究分担者(所属機関)
  • 荒木田 美香子(国際医療福祉大学 地域看護学)
  • 草間 かおる(公立大学法人山口県立大学 看護栄養学部)
  • 杉田 由加里(国立保健医療科学院 公衆衛生看護部)
  • 水嶋 春朔(横浜市立大学 医学部社会予防医学教室・大学院医学研究科情報システム予防医学部門)
  • 松尾 和枝(福岡女学院看護大学 地域看護学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定健康診査・特定保健指導が開始されて2年が経過し、保健指導を行っても行動変容を起こさずリスク因子が改善しない等の困難事例に、現場の保健師等がしばしば直面するなど新たな課題が浮かび上がってきた。本研究では、特定健診・保健指導に関する実態把握と課題整理を目的として、初年度は以下の課題に取り組んだ。
研究方法
1.自治体の特定保健指導実施者が捉えている課題とアプローチ方法の工夫に関する質的調査。2.健診(検診)未受診理由における性差・年齢差の分析。3.特定保健指導の効果を確認するとともに効果的な保健指導の在り方を検討するための特定保健指導実施者と未受診者との比較検討。4.指導困難事例の頻度と関連要因の分析。5.職域の保健指導における体重減少群と増加群との関連因子の検討。
結果と考察
1.本事業実施にあたっての課題として、実施方法および体制に関する10項目、実施プロセスに関する7項目、対象者の個人要因として4項目が明らかとなった。また、工夫点についても明らかにした。従事者の支援スキルの向上には、所内でのロールプレイ、日頃の情報交換、他職種を巻き込んだ事例検討会を工夫をしていた。2.定年後の高齢者層は普段からの通院で十分であると考えていることが多く、定年前の若年層には健診の情報が十分に届いていないことが明らかになった。3.保健指導受診者は保健指導未受診者に比べて行動変容ステージが維持・向上される傾向がみられた。市町ごとに保健指導に関する満足度が異なっていた。健診時の行動変容ステージが低い人においても保健指導の結果、保健行動の改善につながっている人が相当数いた。4.体重が減少しない者ほど男性の比率が高かった。体重の増加・減少が起きた者ではいずれも若年者の比率が高かった。体重が減少した者ほど行動変容ステージが改善していた。5.体重減少群では、初回保健指導時の目標設定が明確で、筋肉トレーニングなど運動習慣を取り入れ、こまめな食事カロリー確認や野菜摂取の増加、代替食品の活用、夜勤明けの食事の工夫などがみられた。
結論
自治体の特定保健指導実施者が捉えている課題と工夫、健診未受診者における性差・年齢差、特定保健指導実施者と未受診者との違い、体重が減少しにくい指導困難事例の頻度と関連要因、職域の保健指導における体重減少群と増加群との関連因子など、困難事例に対する新たな保健指導プログラム提案のための基礎的知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021039Z