禁煙治療薬による喫煙関連疾患予防法の再評価と効果的な禁煙指導法の確立と普及のための多施設共同臨床試験

文献情報

文献番号
201021035A
報告書区分
総括
研究課題名
禁煙治療薬による喫煙関連疾患予防法の再評価と効果的な禁煙指導法の確立と普及のための多施設共同臨床試験
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
東 純一(学校法人兵庫医科大学 兵庫医療大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤尾 慈(大阪大学大学院薬学研究科)
  • 前田真貴子(学校法人兵庫医科大学 兵庫医療大学 薬学部)
  • 南畝晋平(学校法人兵庫医科大学 兵庫医療大学 薬学部)
  • 薗はじめ(薗はじめクリニック)
  • 伊藤継孝(薬効ゲノム情報株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、ゲノム薬理学に基づく多施設共同大規模臨床試験を実施し、日本人における喫煙習慣に関する新たなエビデンスを構築及び個々の患者における禁煙補助薬に対する反応性の個体差の評価を行うことを目的とする。
また、現在の我が国における禁煙外来の実態とその問題点を調査することとした。

研究方法
個々の患者における禁煙補助薬に対する反応性の個体差の臨床評価をおこなうため、昨年度から開始している臨床試験を継続し、研究協力者およびエントリー症例数を増やしてきた。
ニコチン依存・禁煙達成に寄与する遺伝子探索では、文献的調査および収集した喫煙者のゲノムサンプルを用いたスクリーニングテストを実施した。また、基礎的研究では、昨年度作製した再構成培養細胞系を用いて、CYP2A6以外の薬物代謝酵素、トランスポーターの主流煙抽出物質による発現誘導を検討した。
禁煙外来の実態調査では、日本禁煙学会認定専門指導者1096名が所属する医療機関を対象に、アンケート調査を行った。
結果と考察
・臨床研究では、喫煙者のエントリーを継続し、平成22年度末までに約700例の喫煙者の試験参加の同意を得た。
・探索ゲノム薬理学的研究については、バレニクリンの薬理学的ターゲットであるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)α4サブユニット他、複数の遺伝子多型がニコチン依存症に関わる可能性を見出した。更に新たな候補遺伝子探索を目的にニコチン依存形成機序の探索を行い、喫煙によりCYP2A6以外の薬物代謝酵素が誘導される可能性を見だした。
・行政的側面からは、禁煙外来実体調査により、初診時間、禁煙支援スタッフ数、および、一月当りの禁煙外来来院者数は、禁煙達成率に影響を与える可能性を確認した。本臨床試験では、一定の禁煙外来終了後、約9カ月のフォローアップ期間を設定していることより、今後、長期フォローアップの禁煙達成率への寄与度を検討し、禁煙外来の質の向上を図る。
結論
個人に適した効果的な禁煙治療における「個の医療」の確立は、国民の健康増進・医療費削減の観点から極めて重要で、行政が積極的に取組むべき最重要課題である。平成23年度も引き続き本臨床試験を介し、より多くの喫煙者が禁煙治療の保険適用施設を受診し、禁煙達成に導かれるよう、研究協力施設および禁煙外来受診者を増やすためのポスター・パンフレットなどを用い、本研究事業の広報活動を行い、国民の健康増進に向け禁煙支援を実施する。

公開日・更新日

公開日
2011-10-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,400,000円
(2)補助金確定額
6,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
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