文献情報
文献番号
201021033A
報告書区分
総括
研究課題名
特定保健指導対象者以外も含めた生活習慣病予備群に対する保健指導効果の検証及び評価手法の開発に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 昌(独立行政法人国立健康・栄養研究所 栄養教育プログラム)
研究分担者(所属機関)
- 饗場 直美(国立健康・栄養研究所 栄養教育)
- 宮地 元彦(国立健康・栄養研究所 健康増進)
- 森田 明美(国立健康・栄養研究所 栄養疫学)
- 水野 正一(国立健康・栄養研究所 産学連携)
- 山田 晃一(国立健康・栄養研究所 栄養教育)
- 出浦 喜丈(佐久総合病院人間ドック)
- 野田 光彦(国立国際医療センター 糖尿病代謝内科)
- 佐々木 敏(東京大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、人間ドック受診者を対象として、栄養摂取・身体活動状況を把握するとともに、過去の健診データの収集と追跡調査によって、メタボリックシンドロームの自然史を明らかにする。同時にサブコホートへの栄養・運動介入を行い、疾病予備群に対する保健指導効果の検証及び評価手法の開発を行う。それにより、個人に対応できるテイラーメイドニュートリションへの提言を目指す。
研究方法
平成21年度から、人間ドック受診者全体を対象としてコホートへの参加者を募り、一般健診項目に加え遺伝子多型を含むメタボックシンドロームに関連する検査を追加実施し、家族歴、既往歴、現病歴についての詳細な問診とともに、対象者の性格や心理状態、栄養・身体活動状況についてのアンケートなどを実施した。過去の健診データの収集と追跡調査を実施し、メタボリックシンドロームや糖尿病の発症や増悪に関連する因子を検索した。同時にサブコホートに栄養指導及び運動指導を継続実施して、メタボ予備軍を含む対象者の長期介入効果を検証できるようにした。
結果と考察
佐久総合病院人間ドック受診者全員の過去の健診データを収集しデータベース化して、その母集団から保健指導効果の検証及び評価手法の開発を行うコホートSCOP2を作り、2年間で約3000人の参加を得た。参加者には通常の健診に加えて、腹囲、腹部CT、動脈硬化度、栄養・身体活動状況に関するアンケートを実施し、身体的特徴・生化学指標・生活習慣・遺伝的要因などの追加情報を採取し、結果をデータベース化した。血液等のサンプルの超低温での保存、遺伝子検索のためのDNA抽出も計画的に進行している。一部の参加者には介入として健康指導を行った。現時点での参加者の男女比は6:4程度であり、年齢は50-69歳が全体の70%以上を占めた。コホート登録時の基本データでは、男性の腹囲の平均値は85.3cmであり、メタボリックシンドロームの基準値を超えていた。身体活動量は3次元加速度計を用いて測定したが、歩数の平均値は、男性8325歩/日、女性7939歩/日であった。生活習慣病の有病率は、高血圧:23.7%、脂質異常症:13.4%、糖尿病:8.8%であった。
結論
コホート参加者は順調に増加しており、食事と身体活動の多寡が生活習慣病の発症に及ぼす影響を、総合して評価できる体制ができた。
公開日・更新日
公開日
2011-06-15
更新日
-