文献情報
文献番号
202508011A
報告書区分
総括
研究課題名
回復期以降の循環器病に対する多職種連携による患者支援体制の充実・普及に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1018
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
宮本 享(京都大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 藤本 茂(自治医科大学 内科学講座神経内科学部門)
- 安田 聡(東北大学 大学院医学系研究科 循環器内科学分野)
- 山本 一博(国立循環器病研究センター病院)
- 片岡 大治(国立循環器病研究センター 脳神経外科)
- 安斉 俊久(北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学教室)
- 牧田 茂(埼玉医科大学 国際医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
日本循環器学会及び日本脳卒中学会と連携し、回復期以降の循環器病に対する患者支援体制の現状調査を行い、上記の研究で抽出された課題の原因を調査し、多職種・多機関の連携による支援体制を充実させするための手法を提案することを目的とする。
研究方法
令和5年度・6年度に脳卒中・心臓病等総合支援センター事業採択府県において実態調査を行い、令和7年度に回復期以後の患者支援を充実するための提言をまとめる。
結果と考察
本研究は、脳卒中と心臓病のSWGに分かれて、脳卒中・心臓病等総合支援センター事業に関する上記調査を行い、その結果を統括WGにおいて分析し提言(別添)をまとめた。
結論
①両立支援調査2023
脳卒中においては退院後6か月以後に、未復職者に対して両立支援を行う体制の整備が復職促進のためには不可欠であることが本調査から示された。
②就労支援リハビリテーション調査
北海道・秋田県・山形県・群馬県・山梨県・岐阜県・滋賀県・和歌山県・兵庫県・高知県・山口県・宮崎県の12道県において、令和7年度下半期のほぼすべての脳卒中患者を対象として両立支援調査2025が施行中であり、潜在的復職広報車と退院時ADLレベルに関する実態が2028年度に判明する予定となっている。
両立支援調査2023-2024・2025および就労支援リハビリテーション2024は当該道府県のほぼすべての急性期および回復期リハビリテーション病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)が主体となった調査であり、これら31道府県においては、本調査を契機としてMSWの地域連携である脳卒中相談窓口連携会議が活発に活動を始める結果をもたらした。また、同様に就労支援リハビリテーション2024によって11府県において、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の地域連携が大きく進む結果となった。
③意思決定支援調査2024
家族からの聞き取りも含めて発病前にACPに関する何らかの意思表示を確認できた患者は147名(急性期脳卒中の1.9%)にすぎず、急性期脳卒中の発症時にACPを示す患者は極めて少ないことが判明した。さらに、再発・転倒骨折・てんかん・臓器不全その他脳卒中生活期において起こり得る事態について、網羅的に説明や意思決定支援の実態を調べたところ、189医療施設の内173施設(93%)において、意思決定支援はほぼ実施されていない実態が判明した。日本脳卒中学会はこれまで脳卒中患者の生活期における療養と緩和に関する提言や意思決定支援マニュアルを整備してきたが、かならずしも終末期に直面していない脳卒中生活期患者は病前状態への快復を願う傾向もあり、意思決定支援はまだ十分に社会実装されていない現実を改めて本調査が示した。
この結果を受けて、日本脳卒中学会は自宅に退院する患者・家族等を対象として、今後の療養の希望を考えるきっかけとなる「脳卒中サポートノート」を整備した。意思決定支援調査2024を実施した9府県および秋田県・石川県・宮崎県の12府県においては自宅退院患者に対してこのサポートノートを一斉に紹介する意思決定支援アクションプラン2025/2026が始まっている。
④薬剤退院時指導調査2025
退院時薬剤指導は自宅退院後の在宅・生活期患者へ包括的な指導を行うラストチャンスとなるが、加算が十分算定できていない大きな原因は主にマンパワー不足であることが示された。
⑤回復期以降の心臓リハビリテーションの実施状況ならびに多職種連携による相談支援に関する調査
回復期以降の心リハでは多職種連携が一定程度進んでいる一方、実施患者数は依然として少なく、人員確保、職種間調整、情報共有体制に課題があることが明らかとなった。回復期以降の心リハ普及には、回復期リハビリテーション病棟の活用、外来心リハへの円滑な移行、地域における病診連携協議会の設立を含めた地域連携体制の整備と、相談支援、就労支援、ピアサポートを統合した包括的支援モデルの構築が必要であることが示唆された。
⑥慢性心不全看護認定看護師や心不全療養指導士を対象とした調査
回復期における相談支援の課題として、意見交換・合意形成の機会確保、必要な知識・技術の教育、困難事例への多職種対応の強化が示唆され、関係学会等による支援の必要性が示された。
⑦医療ソーシャルワーカーを対象としたアンケート調査
多くのMSWが相談支援に従事しているものの、十分な能力発揮には小規模施設への支援強化や多職種チームへの参画促進が重要であり、特に病状や治療と密接に関連する課題には多職種による包括的支援の必要性が示唆された。
脳卒中においては退院後6か月以後に、未復職者に対して両立支援を行う体制の整備が復職促進のためには不可欠であることが本調査から示された。
②就労支援リハビリテーション調査
北海道・秋田県・山形県・群馬県・山梨県・岐阜県・滋賀県・和歌山県・兵庫県・高知県・山口県・宮崎県の12道県において、令和7年度下半期のほぼすべての脳卒中患者を対象として両立支援調査2025が施行中であり、潜在的復職広報車と退院時ADLレベルに関する実態が2028年度に判明する予定となっている。
両立支援調査2023-2024・2025および就労支援リハビリテーション2024は当該道府県のほぼすべての急性期および回復期リハビリテーション病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)が主体となった調査であり、これら31道府県においては、本調査を契機としてMSWの地域連携である脳卒中相談窓口連携会議が活発に活動を始める結果をもたらした。また、同様に就労支援リハビリテーション2024によって11府県において、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の地域連携が大きく進む結果となった。
③意思決定支援調査2024
家族からの聞き取りも含めて発病前にACPに関する何らかの意思表示を確認できた患者は147名(急性期脳卒中の1.9%)にすぎず、急性期脳卒中の発症時にACPを示す患者は極めて少ないことが判明した。さらに、再発・転倒骨折・てんかん・臓器不全その他脳卒中生活期において起こり得る事態について、網羅的に説明や意思決定支援の実態を調べたところ、189医療施設の内173施設(93%)において、意思決定支援はほぼ実施されていない実態が判明した。日本脳卒中学会はこれまで脳卒中患者の生活期における療養と緩和に関する提言や意思決定支援マニュアルを整備してきたが、かならずしも終末期に直面していない脳卒中生活期患者は病前状態への快復を願う傾向もあり、意思決定支援はまだ十分に社会実装されていない現実を改めて本調査が示した。
この結果を受けて、日本脳卒中学会は自宅に退院する患者・家族等を対象として、今後の療養の希望を考えるきっかけとなる「脳卒中サポートノート」を整備した。意思決定支援調査2024を実施した9府県および秋田県・石川県・宮崎県の12府県においては自宅退院患者に対してこのサポートノートを一斉に紹介する意思決定支援アクションプラン2025/2026が始まっている。
④薬剤退院時指導調査2025
退院時薬剤指導は自宅退院後の在宅・生活期患者へ包括的な指導を行うラストチャンスとなるが、加算が十分算定できていない大きな原因は主にマンパワー不足であることが示された。
⑤回復期以降の心臓リハビリテーションの実施状況ならびに多職種連携による相談支援に関する調査
回復期以降の心リハでは多職種連携が一定程度進んでいる一方、実施患者数は依然として少なく、人員確保、職種間調整、情報共有体制に課題があることが明らかとなった。回復期以降の心リハ普及には、回復期リハビリテーション病棟の活用、外来心リハへの円滑な移行、地域における病診連携協議会の設立を含めた地域連携体制の整備と、相談支援、就労支援、ピアサポートを統合した包括的支援モデルの構築が必要であることが示唆された。
⑥慢性心不全看護認定看護師や心不全療養指導士を対象とした調査
回復期における相談支援の課題として、意見交換・合意形成の機会確保、必要な知識・技術の教育、困難事例への多職種対応の強化が示唆され、関係学会等による支援の必要性が示された。
⑦医療ソーシャルワーカーを対象としたアンケート調査
多くのMSWが相談支援に従事しているものの、十分な能力発揮には小規模施設への支援強化や多職種チームへの参画促進が重要であり、特に病状や治療と密接に関連する課題には多職種による包括的支援の必要性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2026-08-24
更新日
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