小児急性骨髄性白血病(AML)に対する標準的治療法の確立

文献情報

文献番号
201020089A
報告書区分
総括
研究課題名
小児急性骨髄性白血病(AML)に対する標準的治療法の確立
課題番号
H22-がん臨床・一般-042
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
足立 壮一(京都大学 医学部 人間健康科学科)
研究分担者(所属機関)
  • 堀部敬三(国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
  • 宮地勇人(東海大学 医学部 基盤診療学系 臨床検査学)
  • 齋藤明子(国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター臨床疫学研究室)
  • 滝智彦(京都府立医科大学大学院医学研究科)
  • 多賀崇(滋賀医科大学小児科)
  • 工藤寿子(静岡こども病院血液腫瘍科)
  • 富澤大輔(東京医科歯科大学小児科)
  • 岩本彰太郎(三重大学医学部付属病院小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
21,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は難治性小児がんの急性骨髄性白血病(AML)に、高い長期生存率と晩期障害を軽減できる標準治療を確立するための質の高い臨床研究を実施して、科学的根拠に基づく医療を普及して国民の医療・福祉の向上に貢献することを目的とする。
研究方法
日本の小児造血器腫瘍の90%以上の症例登録が期待でき、かつ質の高い臨床研究が可能である日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)のもとに臨床研究を実施する。AMLはすでにde novo AML, Down症合併AML, APLと国際的にも良好な成績を報告しており、JPLSGで、さらに質の高い全国規模臨床試験小児(AML-05, AML-D05, AML-P05)を施行し、目標症例数に到達して試験終了した。上記の臨床試験の治療成績を治療反応性(寛解導入率)や予後因子(遺伝子変異、遺伝子発現量、発現プロファイル、G-CSF受容体発現量等)と共に解析し、次期臨床試験(AML-11,AML-D11, AML-P11)を計画、実施する。また、再発AMLに対する新規臨床試験(AML-R11)を計画しフローサイトメトリー法(FACS)による微少残存病変(MRD)を検出するシステムを確立する。
結果と考察
AML-05(de novo AML)臨床試験は2010年12月31日ですべてのリスク群が目標症例数に到達し、登録終了した。484例が登録され、リスク確定症例では、低リスク群;129例、中間リスク群;188例、高リスク群;55例となっている。中間解析時点では以前のAML99プロトコールより成績低下は見られていない。AML-D05も目標症例数に到達し、2010年12月31日で登録終了した。74例が登録終了し、リスク確定例では標準リスク群67例、高リスク群2例であり、標準リスク群からの再発症例が造血細胞移植でも救済できていない。AML-P05(APL)も目標症例数に到達し、2011年3月31日で登録終了し、46例が登録された。
結論
すでに実施されたJPLSG AML臨床試験(AM-L05, AML-P05, AML-D05)の治療成績を解析し、今後の新規臨床試験(AML-11,AML-P11, AML-D11, AML-R11)を計画実施することにより、小児AMLの標準的治療法を確立し、JPLSGホームページや市民公開講座等により広く国民に公開することにより、国民の福祉向上に貢献する。

公開日・更新日

公開日
2015-05-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020089Z