文献情報
文献番号
202508004A
報告書区分
総括
研究課題名
加熱式タバコの能動喫煙・受動喫煙の健康影響に関する総合的検証研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1004
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
田淵 貴大(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 堀 愛(筑波大学 医学医療系)
- 財津 將嘉(産業医科大学 高年齢労働者産業保健研究センター)
- 松尾 洋孝(防衛医科大学校 分子生体制御学講座)
- 山田 恵子(順天堂大学 大学院医学研究科)
- 田中 宏和(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 データサイエンス研究部 サーベイランス研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
現状では、加熱式タバコの能動喫煙及び受動喫煙による健康影響の実態は十分には把握されていない。本研究では、加熱式タバコの能動喫煙及び受動喫煙による健康影響の実態把握をできる限り行うことを目的とした。
研究方法
2025年度は、以下の内容にて分析を実施した。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、加熱式タバコ及び紙巻タバコの喫煙状況や加熱式タバコによる受動喫煙曝露の実態、加熱式タバコ受動喫煙による急性症状について調べた。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、労働者を対象とし、喫煙習慣を含めた生活習慣と職場での転倒及び転倒による骨折の発生との関連について調べた。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、喘息患者における加熱式タバコの使用と喘息症状の悪化の関連について調べた。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、痛みを持つ喫煙者が「痛みを和らげるため」に喫煙するという行動を科学的に測定するための専門尺度「Pain and Smoking Inventory(PSI)」の日本語版を開発・検証し、使用するタバコ製品の種類により、リスクが異なるかを調べた。
自衛隊員を対象とした健診受診者調査のデータを分析し、加熱式タバコ使用の実態を調べた。
2014年から2025年までに出版された加熱式タバコによる健康影響に関する文献レビューを行った。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、加熱式タバコ及び紙巻タバコの喫煙状況や加熱式タバコによる受動喫煙曝露の実態、加熱式タバコ受動喫煙による急性症状について調べた。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、労働者を対象とし、喫煙習慣を含めた生活習慣と職場での転倒及び転倒による骨折の発生との関連について調べた。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、喘息患者における加熱式タバコの使用と喘息症状の悪化の関連について調べた。
一般住民を対象としたインターネット調査を実施し、痛みを持つ喫煙者が「痛みを和らげるため」に喫煙するという行動を科学的に測定するための専門尺度「Pain and Smoking Inventory(PSI)」の日本語版を開発・検証し、使用するタバコ製品の種類により、リスクが異なるかを調べた。
自衛隊員を対象とした健診受診者調査のデータを分析し、加熱式タバコ使用の実態を調べた。
2014年から2025年までに出版された加熱式タバコによる健康影響に関する文献レビューを行った。
結果と考察
男女とも3年間で加熱式タバコ使用率が増加していた。過去一ヶ月間に加熱式タバコの受動喫煙に曝露していたのは全体の40.0%、非喫煙者の32.1%であった。加熱式タバコの屋内受動喫煙を受ける場所は、最多が職場、次いで居酒屋・バー、家庭、車の中、レストランの順であった。加熱式タバコの受動喫煙による何らかの症状(気分が悪くなる、咳きこむ、のどや目が痛くなる、頭痛等)があると回答した割合は全体で26.9%、非喫煙者では24.3%であった。本調査によって、加熱式タバコの使用状況および、加熱式タバコの受動喫煙の状況を経年把握できた意義は大きい。今後も追跡調査によって、加熱式タバコの使用率、受動喫煙の状況、そして受動喫煙による症状の推移を注視する必要がある。
労働者において、紙巻きタバコと加熱式タバコの併用が、職場での転倒および転倒骨折のリスク上昇と関連していた。また、併用者で、非喫煙者と比較して転倒骨折のリスクが約2倍であった。職場転倒予防には、喫煙対策を主とした生活習慣の管理が必要であり、睡眠改善、身体活動促進などを組み合わせた多面的な対策が重要である可能性がある。
加熱式タバコの使用は喘息症状の悪化と有意に関連することが明らかとなった。加熱式タバコの使用もまた、喘息症状の悪化に関連することを理解することが重要であることが示唆された。
PSI得点は疼痛の強さや生活支障と関連し、使用するたばこ製品の種類によっても差が認められ、特に紙巻きタバコと加熱式タバコの二重使用者ではPSI得点が紙巻きから加熱式タバコへの移行群より有意に高く、移行群の8.5点に対して14.8点であった。タバコ対策・禁煙推進政策においては、使用製品の種類と背景にある身体の痛みを正確に把握した上で、痛みの治療を組み合わせた個別最適化された支援策を展開することが、公衆衛生上の喫緊の課題である。
自衛隊員を対象とした健診受診者調査の結果、喫煙率は男性で45.3%、女性で15.8%であり、年齢とともに減少傾向にあった。加熱式タバコの喫煙率としては男性29.4%、女性10.4%であり、年齢とともに減少した。女性では、20代を除き全年齢層で加熱式タバコのみの喫煙者の割合が最も高かった。いずれのタバコにおいても、性別や年齢層を問わず1日20本以内が9割以上を占めたが、21本以上喫煙する割合は30代以降では加齢とともに増加する傾向にあった。
2014年から2025年までに出版された加熱式タバコによる健康影響を検討した疫学研究は36件でその半分以上(19件)を日本からの報告が占めており、次いで韓国からの報告(9件)であった。2025年までに発表された疫学研究では加熱式タバコの能動喫煙および受動喫煙による急性健康影響に関する疫学的な知見は十分に蓄積されておらず、エビデンスのさらなる蓄積が求められている。
労働者において、紙巻きタバコと加熱式タバコの併用が、職場での転倒および転倒骨折のリスク上昇と関連していた。また、併用者で、非喫煙者と比較して転倒骨折のリスクが約2倍であった。職場転倒予防には、喫煙対策を主とした生活習慣の管理が必要であり、睡眠改善、身体活動促進などを組み合わせた多面的な対策が重要である可能性がある。
加熱式タバコの使用は喘息症状の悪化と有意に関連することが明らかとなった。加熱式タバコの使用もまた、喘息症状の悪化に関連することを理解することが重要であることが示唆された。
PSI得点は疼痛の強さや生活支障と関連し、使用するたばこ製品の種類によっても差が認められ、特に紙巻きタバコと加熱式タバコの二重使用者ではPSI得点が紙巻きから加熱式タバコへの移行群より有意に高く、移行群の8.5点に対して14.8点であった。タバコ対策・禁煙推進政策においては、使用製品の種類と背景にある身体の痛みを正確に把握した上で、痛みの治療を組み合わせた個別最適化された支援策を展開することが、公衆衛生上の喫緊の課題である。
自衛隊員を対象とした健診受診者調査の結果、喫煙率は男性で45.3%、女性で15.8%であり、年齢とともに減少傾向にあった。加熱式タバコの喫煙率としては男性29.4%、女性10.4%であり、年齢とともに減少した。女性では、20代を除き全年齢層で加熱式タバコのみの喫煙者の割合が最も高かった。いずれのタバコにおいても、性別や年齢層を問わず1日20本以内が9割以上を占めたが、21本以上喫煙する割合は30代以降では加齢とともに増加する傾向にあった。
2014年から2025年までに出版された加熱式タバコによる健康影響を検討した疫学研究は36件でその半分以上(19件)を日本からの報告が占めており、次いで韓国からの報告(9件)であった。2025年までに発表された疫学研究では加熱式タバコの能動喫煙および受動喫煙による急性健康影響に関する疫学的な知見は十分に蓄積されておらず、エビデンスのさらなる蓄積が求められている。
結論
一般住民および健診関連データの分析の結果、加熱式タバコの能動喫煙・受動喫煙はどちらも広がりつつあり、健康状態に対して悪影響を及ぼす可能性があることが示唆された。2025年度は研究3年目の最終年度であり、加熱式タバコの能動喫煙・受動喫煙による健康影響を評価するために役立つ重要な研究成果(研究論文出版)が多く得られた。
公開日・更新日
公開日
2026-09-07
更新日
-