小児がんの罹患数把握および晩期合併症・二次がんの実態把握のための長期フォローアップセンター構築に関する研究

文献情報

文献番号
201020087A
報告書区分
総括
研究課題名
小児がんの罹患数把握および晩期合併症・二次がんの実態把握のための長期フォローアップセンター構築に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-040
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 達夫(独立行政法人国立成育医療研究センター )
研究分担者(所属機関)
  • 瀧本 哲也(独立行政法人国立成育医療研究センター臨床研究センター・臨床研究推進室)
  • 前田 美穂(日本医科大学 小児科)
  • 石田 也寸志(聖路加国際病院 小児科)
  • 田口 智章(九州大学大学院 小児外科)
  • 三上 春夫(千葉県がんセンター研究局 がん予防センター 疫学研究部)
  • 味木 和喜子(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部・がん登録・がん疫学)
  • 清谷 知賀子(独立行政法人国立成育医療研究センター血液腫瘍科)
  • 藤本 純一郎(独立行政法人国立成育医療研究センター・臨床研究センター)
  • 池田 均(獨協大学越谷病院 小児外科)
  • 井岡 亜希子(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センターがん予防情報センター企画調査課、がん疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
21,080,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本課題は、日本小児がん学会による全数把握オンライン登録を地域がん登録や小児がん関連学会の登録などと連携させ登録率の向上や本邦の小児がん発生数把握を図ること、ならびに小児がん長期フォローアップ(以下FU)拠点モデル病院ネットワークから長期FUデータを収集するとともに、小児がん経験者の長期的な問題のデータベース化や患者家族、治療担当者への情報還元などを行う長期FUセンターモデルを構築することを主な研究目的とする。
研究方法
日本小児がん学会の小児がん全数把握登録システムを運用し、小児がん登録の問題点を検証した。合わせて日本小児外科学会登録との連携につき検証した。さらに大阪府と千葉県で地域がん登録を小児がん登録と連携させるモデルシステムを開発し、全国展開も視野に入れて検討した。小児がん長期FU拠点病院を全国で整備し、小児がん手帳の配布と利便性調査を開始した。長期FUの実際を検証し、さらに二次がん発生のデータを収集する体制を整備した。上記を包括する長期FUセンターの企画・立案を開始した。
結果と考察
日本小児がん学会全数把握Web登録では従来を上回る登録数が得られた(2008年1,735例、2009年1,700例)。地域的には関連学会登録や地域がん登録と小児がん登録との連携に成功したが、カバーできない関連診療科分野も多く、また地域がん登録の対象人口から全国的に連携モデルを展開することは困難とする研究結果も示唆された。全国で長期FUのための拠点病院が再整備され、二次がんに関しては7,000例規模の発生母体の確保が準備された。長期FU手帳の有用性や、リスクによる層別化などの長期FUのガイドラインを検証しつつ、小児がん生存者の晩期のデータの収集を開始する準備が進められた。
結論
小児がんは症例の稀少性から人口ベースの発生数の把握には悉皆的な登録システムが必要であるが、地域がん登録などとの連携は容易ではない。しかしながら地域的には関連学会や地域がん登録との連携の成功モデルも見出され、全国的な展開にむけて今後の検討が必要である。小児がん生存者の長期FUにつき拠点病院のモデルネットワークの中で検討された。二次がん発症数などデータ収集・解析を進める予定である。これらを包括した長期FUセンターの設立が望ましいと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2015-05-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020087Z