生活習慣や心理社会的要因などががん患者の予後や療養生活の質に与える影響を調べる乳がん患者コホート研究

文献情報

文献番号
201020082A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣や心理社会的要因などががん患者の予後や療養生活の質に与える影響を調べる乳がん患者コホート研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-035
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センターがん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 溝田 友里(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻生物統計学)
  • 岩崎 基(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部)
  • 岩瀬 拓士(癌研究会有明病院乳腺センター)
  • 岩田 広治(愛知県がんセンター中央病院乳腺科)
  • 澤木 正孝(名古屋大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,590,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、生活習慣や心理社会的要因、代替療法など様々な要因が、乳がん患者のその後の療養生活の質(QOL)や予後(再発、死亡等)に与える影響を疫学的に調べることである。また、その成果を患者、家族、医療関係者等に発信し、効果的に普及させるための方法論を確立する。
研究方法
複数の多施設共同臨床試験との共同研究や、単施設におけるコホート研究として、女性乳がん患者の大規模コホート研究を実施している。乳がん患者を対象とする多施設共同臨床試験の共同研究としては、現在3つのコホート研究「乳がん患者コホート研究05」、「乳がん患者コホート研究06」、「乳がん患者コホート研究07」を実施しており、単施設におけるコホート研究としては、「乳がん患者コホート研究NCC(コホートNCC)」を実施している。全体として数千人規模の登録を目標とする。また、乳がん患者コホートの比較対照群として一般住民コホートも実施している。さらに、研究に並行して、電話相談を主とする患者支援や、研究班ウェブサイト制作などを実施し、研究成果や乳がんに関する情報を効果的に普及させる方法の開発を行う。
結果と考察
今年度の活動として、本研究班の前身となるがん臨床研究班においてH19-21年度に開始した臨床試験参加者のコホート(H19-21年度までに589人の乳がん患者を登録、うち525人から有効回答)への患者の登録と本研究質問票によるデータ収集を進めた。H22年度は新たに559人の患者を登録し、うち519人から有効回答が得られ、登録数を大きく伸ばした。H22年度より新たに開始したコホートNCCについては、研究費の採択が2010年11月と遅れたため、登録開始も11月と遅れたが、2011年3月末までの約4カ月半で、33人から試料の採取も含めた同意を得、うち21人から質問票の有効回答を得た。4つの乳がん患者コホート全体として、2007年の登録開始から2011年3月末までに1,181人に質問票を配布し、1,065人から同意を得た上で質問票によるベースラインデータが得られている(有効回収割合90.2%)。
また、乳がん患者コホートの比較対照群である一般住民コホートでは、H22年度新たに1,126人からベースラインデータが得られた。研究班ウェブサイトについては、デザインを作成し、コンテンツ作りを進めている。
結論
今後、引き続き質問票の配布と回収を行い、対象者の研究へのエントリーを進め、ベースラインデータを収集するとともに、様々な項目についてベースラインデータの分析を進め、分析結果を情報提供などを通じて患者支援にも活用する予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020082Z