治療の初期段階から身体・精神症状緩和導入を推進するための研究

文献情報

文献番号
201020079A
報告書区分
総括
研究課題名
治療の初期段階から身体・精神症状緩和導入を推進するための研究
課題番号
H22-がん臨床・若手-033
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
清水 研(国立がん研究センター中央病院 第二領域外来部精神腫瘍科)
研究分担者(所属機関)
  • 内富 庸介(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 明智 龍男(名古屋市立大学大学院医学研究科)
  • 吉内 一浩(東京大学医学部附属病院心療内科)
  • 松本 禎久(国立がん研究センター東病院 緩和医療科)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院)
  • 小川 朝生(国立がん研究センター東病院臨床開発センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、身体・精神症状緩和を目的とした早期介入包括的プログラムの開発を行い、将来の臨床応用につなげることを目的とする。
研究方法
治療の初期段階から身体、精神のそれぞれフ症状緩和導入を推進するために、次の研究を計画した。
1) つらさと支障の寒暖計の妥当性の検証
がん診断後かつ治療開始前に、「つらさと支障の寒暖計(DIT)」を施行する。本結果についてブラインド下でうつ病の診断面接を行い、DITのうつ病スクリーニング能力を検討する。
2) 早期身体症状緩和導入のための介入モデル開発
初回抗がん剤治療を行う患者を対象とし、対象者が記載した簡便な質問票が基準値以上の場合に、専門的な緩和ケアサービスの介入を行う。化学療法2コース目前と介入終了時にEORTC QLQ-C30,MDASI-J,HADSの記載を行う。
3)外来化学療法患者における身体症状緩和ニードに関するスクリーニング法の開発
外来化学療法を施行される患者を対象とし、身体症状緩和ニードに関する質問紙を配布した。身体症状の強さが中程度以上、または、重度以上を基準とし、「身体症状緩和ニードのスクリーニング質問」の感度・特異度を求めた。

結果と考察
1) つらさと支障の寒暖計の妥当性の検証
当該施設での実施可能なプロトコールを確定し、施設倫理審査に諮った。
2) 早期身体症状緩和導入のための介入モデル開発
当該施設での実施可能なプロトコールを確定し、施設倫理審査に諮った。
3)外来化学療法患者における身体症状緩和ニードに関するスクリーニング法の開発
研究実施期間中にのべ2854件の質問票が回収された。中等度以上の症状の有無に対する感度・特異度は、それぞれ、0.21、1.00であった。

外来化学療法患者における身体症状緩和ニードに関するスクリーニング法の開発に関して、症状の強さが重度であっても身体症状緩和を希望しない患者が少なくないことが今回の研究でも示された。
結論
1) つらさと支障の寒暖計の妥当性の検証
次年度より本研究による介入を開始する予定である。
2) 早期身体症状緩和導入のための介入モデル開発
次年度より本研究による介入を開始する予定である。
3)外来化学療法患者における身体症状緩和ニードに関するスクリーニング法の開発
外来化学療法患者において、身体症状緩和に関する一項目のスクリーニング質問は有用である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020079Z