成人T細胞白血病リンパ腫に対するインターフェロンαとジドブジン併用療法の有用性の検証

文献情報

文献番号
201020072A
報告書区分
総括
研究課題名
成人T細胞白血病リンパ腫に対するインターフェロンαとジドブジン併用療法の有用性の検証
課題番号
H22-がん臨床・一般-031
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
塚崎 邦弘(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 飛内 賢正(国立がんセンター中央病院)
  • 宇都宮 與(慈愛会今村病院分院)
  • 鵜池 直邦(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター)
  • 田村 和夫(福岡大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
53,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
未治療低悪性度の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者に対するより有用な治療法を開発するため、高度医療評価制度により、それぞれ欧米伯と日本で標準治療とされているインターフェロンα(IFN)/ジドブジン(AZT)療法とwatchful waiting療法との第3相試験を日本臨床腫瘍グループ(JCOG)で行う。IFN/AZT療法の有用性が検証されば、両薬剤の本疾患への薬事法上の適応拡大の承認と保険適用を目指す。
研究方法
1) 臨床試験プロトコールの作成
2)高度医療評価制度による本臨床試験の開始準備
3)他のHTLV-1関連疾患の研究班との交流
結果と考察
1)平成20年の単年度の厚労科研医療技術実用化総合研究事業で立案したプロトコールコンセプトにより、フルプロトコールを作成した。対象は、20~75歳の未治療ATLで、全身状態と主要臓器機能が保たれ、文書同意を取得した低悪性度ATL患者。治療内容は、スミフェロンDS 600万単位/レトロビル600mg。Watchful waiting群の2年無イベント生存割合を60%と仮定し、IFN/AZT療法はこれに20%上回る必要があるとした。有意水準片側5%、検出力70%、登録期間3年、追跡期間2年、予定74例とした。さらには附随研究案を作成した。
2)厚労省医政局研究開発振興課での面談により、上記のプロトコールがJCOGで承認された後に速やかに高度医療評価制度下でIFNとAZTを用いた臨床試験を実施するための申請にあたる注意点、タイムスケジュールを共有した。
3)HTLV-1関連班の合同班会議を3回行い、臨床試験への患者リクルートの基盤を作った。また協同で全国ATL診療調査を行い、その結果を基に患者、診療医、研究者を対象としたHTLV-1総合対策についてのWebsiteを立ち上げた。
考察)本第Ⅲ相試験は、患者発生が多く臨床試験実施体制の整った日本でしかできない。次年度以降は、高度医療評価制度により試験を開始し、症例登録を推進する。結果がよく標準治療を確立できれば、企業、学会、患者団体に働きかけてATLに対するIFNとAZTの薬事法上の適応拡大の承認、保険適用を目指す。また分子生物学的な附随研究を行い、層別化治療法の開発も試みる。そして、他のHTLV-1研究班と共同し関連疾患の総合対策への寄与を目指す。
結論
未治療低悪性度ATLの治療法を開発するため、本臨床試験を行い、IFN/AZT療法の有用性が検証された場合、両薬剤の本疾患への保険適用を目指している。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020072Z