進行期難治性B細胞リンパ腫に対する治癒を目指した自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201020070A
報告書区分
総括
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する治癒を目指した自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の確立に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-029
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森島 泰雄(愛知県がんセンター 中央病院 血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 福島 卓也(長崎大学 医学部)
  • 鵜池 直邦(九州がんセンター 血液内科)
  • 小椋 美知則(名古屋第2赤十字病院 血液内科)
  • 渡辺 隆(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科)
  • 山本 一仁(愛知県がんセンター中央病院 血液内科)
  • 横山 雅大(癌研究会有明病院 血液腫瘍科)
  • 中田 匡信(札幌北楡病院 血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
22,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
初発進行期かつ国際予後指標(IPI)高リスク群びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を対象として、rituximab併用寛解導入化学療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)を標準的治療として確立することを目的にして、導入化学療法であるR-biweekly CHOP療法(A群)とR-biweekly CHOP/ CHASER療法(B群)のランダム化第Ⅱ相試験をおこなう。また、未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)に対して、rituximab併用寛解導入療法(R-high-CHOP/CHASER)+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)の臨床第Ⅱ相試験をおこなう。
研究方法
日本臨床腫瘍グループ(JCOG)のリンパ腫研究グループ(Lymphoma Study Group : LSG)に所属する47施設の多施設臨床試験として、主任研究者を研究代表者、臨床試験事務局として愛知県がんセンター中央病院血液・細胞療法部と名古屋第2赤十字病院血液内科をそれぞれ事務局とする2つの臨床試験のプロトコールをJCOGデータセンターの支援を得て作成し、臨床試験を遂行している。
結果と考察
A) 未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)に対し臨床第Ⅱ相試験(JCOG0406)を実施し、平成23年2月現在までに32例が登録され、予定された症例集積ペースで臨床試験が進捗している。有害事象報告が2件(網膜炎、呼吸不全(因果関係なし))が報告された。予定症例(45症例)登録終了まで今後2年間(平成23年度中)を要すると予測される。B) 初発進行期かつ国際予後指標(IPI)高リスク群びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対導入化学療法であるR-biweekly CHOP療法(A群)とR-biweekly CHOP/ CHASER療法(B群)のランダム化第Ⅱ相試験(JCOG0908)を平成22年8月から実施し、平成23年2月現在7症例の登録があった。
結論
IPIで高リスク群DLBCL及びMCLの予後は不良で、治療強度を強めた導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(APBSCT-HDC)により治癒率の向上が期待できる。この試験を完遂することにより、標準療法となりうる効果的で安全な導入療法を確立できると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020070Z