既存統計資料に基づくがん対策進捗の評価手法に関する実証的研究

文献情報

文献番号
201020052A
報告書区分
総括
研究課題名
既存統計資料に基づくがん対策進捗の評価手法に関する実証的研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
津熊 秀明(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター がん予防情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 政宏(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター がん予防情報センター 企画調査課)
  • 井岡 亜希子(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター がん予防情報センター 企画調査課)
  • 伊藤 ゆり(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター がん予防情報センター 疫学予防課)
  • 山崎 秀男(財団法人大阪がん予防検診センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
11,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん対策推進計画に沿って実施されているがん対策の進捗状況を把握し、その評価および検証を行うための手法を開発することが本研究の最終目標である。本年度は、大阪府を例に評価を試みる。
研究方法
大阪府がん登録を含む既存統計に基づき、がんの罹患率・生存率・死亡率の年次推移からがんの最新の動向を明らかにした上で、がん対策推進基本計画にある「10年でがん死亡20%減少」を達成するための4分野の行動計画に関して、各指標を収集・整理し、評価を実施した。
結果と考察
1)近年の全がん死亡率減少傾向(男-1.9%/年、女-1.4%/年)は、肝、胃、肺、大腸などの罹患率減少に起因し、一部を除けば、がん対策やがん医療の直接の成果とはみなせなかった。
2)喫煙対策については、たばこに関する知識の普及、禁煙支援プログラムの充実、環境・制度面の支援は、いずれもなお不十分であった。指標として最重要の成人喫煙率を含め、わが国ではたばこ対策の現状と動向を国・自治体単位でタイムリーにモニターする制度の確立が喫緊の課題である。
3)肝炎対策については現状を殆ど把握できなかった。唯一把握できた検診の精検受診率は約3割であり、肝炎ウイルス検診が所期の成果を上げるためには、事業評価のサーベイランスを含む検診制度そのものの再構築が必要である。
4)二次予防対策については、検診受診率が低く、精検受診率についても特に大腸がんで低かった。ただし検診受診率を都市部において一挙に高めることは非現実的で、精度管理を含む検診の提供体制の確立を優先し、結果としてがんの「限局」割合を高めることが合理的である。そうした観点での評価指標を充実する必要がある。
5)がん医療均てん化の主要指標である“受療の望ましい”医療機関での初回治療割合は、胃、大腸、乳腺を除き、40-60%の低い値に留まった。医療機関同士の連携、および、がん診療情報の提供体制の強化が求められる。
結論
把握の不十分な指標が存在するものの、がん対策の評価手法を例示すことができた。次年度より、他府県研究者にも協力を求め、大阪府の事例が他府県にも応用できるかどうかを吟味するとともに評価方式を確立する。さらに、追加・修正・補強の必要な施策を明らかにする。最終年度には、がん対策の各分野の進捗を把握するための指標を、県別・市町村別に可能な限り可視化し、各府県のがん対策推進計画の評価、見直しに役立てる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020052Z