文献情報
文献番号
202507002A
報告書区分
総括
研究課題名
生まれ年度ごとのHPVワクチン接種状況と子宮頸がん罹患リスクの評価とキャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診の受診勧奨手法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
23EA1002
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
上田 豊(和歌山県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 平井 啓(大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター/大学院医学系研究科生体機能補完医学講座/人間科学研究)
- 中山 富雄(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 検診研究部)
- 片山 佳代子(国立大学法人 群馬大学 情報学部)
- 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学 総合医学研究センター医療統計室)
- 木村 正(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 阪口 昌彦(高知大学 自然科学系理工学部門)
- 八木 麻未(和歌山県立医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
総括:
・所属機関異動
研究代表者:上田 豊
大阪大学大学院医学系研究科(令和5年4月1日~7年8月31日)
→ 和歌山県立医科大学医学部(令和7年9月1日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
HPVワクチンは生まれ年度によって接種率が大きく異なる事態となっており、当研究では後の本邦における子宮頸がん対策のため、正確な接種状況の把握を行う。また、生まれ年度ごとの子宮頸がん罹患率を明らかにする研究スキームを確立し、並行して各生まれ年度の20・24・28歳子宮頸がん検診の経年的観察研究を継続することで、接種環境による子宮頸がんリスクの評価を迅速に行う。さらに、本邦におけるキャッチアップ接種が有効でない可能性も考えられ、キャッチアップ接種者に対する、子宮頸がん検診の受診勧奨手法の開発を行う。
研究方法
(1)各生まれ年度のHPV ワクチン接種状況の適切な把握
全国の地域保健・健康増進事業報告での接種率および一部自治体の接種データを使用し、生まれ年度ごとの累積初回接種率など詳細な接種率の解析を行う。
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証と全国がん登録を活用したHPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
1991~2002年度生まれの女性について全国がん登録データを活用して25歳・30歳・35歳までの子宮頸がん累積罹患率の評価を行う。副次的に累積死亡率についても解析する。
(2-2)全国の自治体における20・24・28 歳の子宮頸がん検診の経年的観察研究
該当年齢の子宮頸がん検診結果を経年的に観察する。
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診手法の開発
キャッチアップ接種を行った20歳以上の女性に対して、インタビュー調査・インターネット調査を行って子宮頸がん検診受診勧奨リーフレットを開発し、その効果検証を自治体で実施する。
全国の地域保健・健康増進事業報告での接種率および一部自治体の接種データを使用し、生まれ年度ごとの累積初回接種率など詳細な接種率の解析を行う。
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証と全国がん登録を活用したHPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
1991~2002年度生まれの女性について全国がん登録データを活用して25歳・30歳・35歳までの子宮頸がん累積罹患率の評価を行う。副次的に累積死亡率についても解析する。
(2-2)全国の自治体における20・24・28 歳の子宮頸がん検診の経年的観察研究
該当年齢の子宮頸がん検診結果を経年的に観察する。
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診手法の開発
キャッチアップ接種を行った20歳以上の女性に対して、インタビュー調査・インターネット調査を行って子宮頸がん検診受診勧奨リーフレットを開発し、その効果検証を自治体で実施する。
結果と考察
(1)各生まれ年度のHPV ワクチン接種状況の適切な把握
2024年度末までの接種データを解析し、第107回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で発表した。キャッチアップ接種はさらに進み、2000年度以降の生まれでは19.1~26.0%であった(累積接種率:42.2~53.9%)。定期接種は高1(2008年度生まれ)では累積接種率54.9%であるが、標準的対象の中1での接種率は8.6~19.6%に留まっていた。
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証と全国がん登録を活用したHPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
埼玉県川口市、宮崎県都城市・西都市・新富町・門川町、福岡県久留米市とは覚書を交わした。川口からは全国がん登録データの使用の申請を開始し、解析等に関する学術的支援を行った。
(2-2)全国の自治体における20 の子宮頸がん検診の経年的観察研究
20歳(未受診の場合は21歳)の検診における細胞診異常(ASC-US以上)の頻度は、導入前世代(1990~1993年度生まれ)で3.6%(1088/29857)、接種世代(1994~1999年度生まれ)で4.1%(1907/46494)、停止世代(2000~2003年度生まれ)で5.1%(682/12146)だった。
24歳(未受診の場合は25歳)の検診における細胞診異常(ASC-US以上)の頻度は、導入前世代で5.2%(619/11938)、接種世代で4.4%(829/18788)だった。接種世代は導入前世代に比して有意に低下していた(p<0.01)。24・25歳においては、20・21歳において認められなかった接種世代における細胞診異常の頻度の低下が観察された。
28歳(未受診の場合は29歳)の検診における細胞診異常(ASC-US以上)の頻度は、導入前世代で4.3%(696/16209)、接種世代(1994~1996年度生まれ)で3.7%(253/6918)だった。導入前世代に比して接種世代において有意な低下が認められた。
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨手法の開発
対象者に対するインタビュー調査、インターネット調査を行い、キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨リーフレットを開発した。群馬県前橋市・大阪府池田市・奈良県広陵町において、当研究班で開発したリーフレットの送付を行い効果検証を行ったところ、通常案内では5.7%(10/176)であったのに対して、研究班開発リーフレットによる受診勧奨では19.4%(53/273)と有意に受診率が上昇した(p<0/001)。
2024年度末までの接種データを解析し、第107回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で発表した。キャッチアップ接種はさらに進み、2000年度以降の生まれでは19.1~26.0%であった(累積接種率:42.2~53.9%)。定期接種は高1(2008年度生まれ)では累積接種率54.9%であるが、標準的対象の中1での接種率は8.6~19.6%に留まっていた。
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証と全国がん登録を活用したHPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
埼玉県川口市、宮崎県都城市・西都市・新富町・門川町、福岡県久留米市とは覚書を交わした。川口からは全国がん登録データの使用の申請を開始し、解析等に関する学術的支援を行った。
(2-2)全国の自治体における20 の子宮頸がん検診の経年的観察研究
20歳(未受診の場合は21歳)の検診における細胞診異常(ASC-US以上)の頻度は、導入前世代(1990~1993年度生まれ)で3.6%(1088/29857)、接種世代(1994~1999年度生まれ)で4.1%(1907/46494)、停止世代(2000~2003年度生まれ)で5.1%(682/12146)だった。
24歳(未受診の場合は25歳)の検診における細胞診異常(ASC-US以上)の頻度は、導入前世代で5.2%(619/11938)、接種世代で4.4%(829/18788)だった。接種世代は導入前世代に比して有意に低下していた(p<0.01)。24・25歳においては、20・21歳において認められなかった接種世代における細胞診異常の頻度の低下が観察された。
28歳(未受診の場合は29歳)の検診における細胞診異常(ASC-US以上)の頻度は、導入前世代で4.3%(696/16209)、接種世代(1994~1996年度生まれ)で3.7%(253/6918)だった。導入前世代に比して接種世代において有意な低下が認められた。
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨手法の開発
対象者に対するインタビュー調査、インターネット調査を行い、キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨リーフレットを開発した。群馬県前橋市・大阪府池田市・奈良県広陵町において、当研究班で開発したリーフレットの送付を行い効果検証を行ったところ、通常案内では5.7%(10/176)であったのに対して、研究班開発リーフレットによる受診勧奨では19.4%(53/273)と有意に受診率が上昇した(p<0/001)。
結論
HPVワクチンの接種率はキャッチアップ接種・定期接種とも一定の回復を認めた。また支給頸がん検診の結果の経年観察においては、接種率の高かった生まれ年度で細胞診異常率の低下、低かった生まれ年度で上昇を認めた。キャッチアップ接種者に対する有効な子宮頸がん検診受診勧奨資材の開発を行った。
公開日・更新日
公開日
2026-07-28
更新日
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