高齢がん患者の治療開始および中止における意思決定能力の評価およびその支援に関する研究

文献情報

文献番号
201020050A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢がん患者の治療開始および中止における意思決定能力の評価およびその支援に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
明智 龍男(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 内富庸介(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 岡村 仁(広島大学 大学院保健学研究科)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
  • 小川 朝生(国立がん研究センター東病院 臨床開発センター)
  • 奥山 徹(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、超高齢化社会において、患者、家族が、がん治療に際して納得のいく意思決定を行い、質の高い療養を可能とするような支援プログラムの開発を目的とする。今年度は以下の研究を行った。
1)高齢がん患者のニードに基づくQOL向上に関する研究
高齢がん患者にとっての「望ましい死」を検討する。
2)がん患者の意思決定能力の評価法に関する研究
高齢者の意思決定能力を評価する。
3)高齢がん患者のリハビリテーションに関する研究
高齢がん患者の認知機能障害を評価する手段を検討する。
4)高齢がん患者の身体症状、療養場所の選択と介護負担に関する研究
高齢がん患者の症状と相談内容の特徴を検討する。
5)がん患者の意思決定能力の評価法に関する研究
治療前がん患者の治療同意能力とその低下要因を検討する。
6)高齢がん患者における心身の状態の包括的評価方法に関する研究
脆弱性スクリーニングツールVulnerable Elders Survey (VES-13)日本語版の信頼性、妥当性を検討する。
研究方法
研究毎に示した。
1)一般住民にサーベイランスを行った。
2)認知症患者にMacArthur Competence Assessment Tool-Treatment (MacCAT-T)を施行する。
3)がん患者にFrontal assessment battery at bedside(FAB)、Mini Mental State Examination(MMSE)を施行する。
4)がん患者に「生活のしやすさに関する質問票」を施行し、がんサポートセンターにおける相談内容を検討する。
5)薬物療法予定のがん患者にMacCAT-T、MMSEを施行する。
6)血液がん患者に、VES-13、身体的機能、抑うつ気分、認知機能障害の評価を行う。
結果と考察
研究毎に示した。
1)高齢者は、「役割を果たせる」、「おまかせ(医療者に意思決定を任せる)」を重視していた。
2)MacCAT-T日本語版が完成した。
3)データ集積中
4)認められた症状は、気持ちのつらさ21%、倦怠感17%、疼痛14%、眠気12%、しびれ10%であり、療養場所に関する相談が最も多かった。
5)現在倫理審査中
6)16名の参加を得た。
結論
高齢者は受動的でパターナリスティックな意思決定プロセスを好む傾向が示唆された。
高齢がん患者に対しては療養場所の選択を含めた支援が必要である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020050Z