働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究:患者/家族・人事労務担当者・産業保健担当者の3者の視点を生かした支援リソースの開発、評価、普及啓発法の検討

文献情報

文献番号
201020049A
報告書区分
総括
研究課題名
働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究:患者/家族・人事労務担当者・産業保健担当者の3者の視点を生かした支援リソースの開発、評価、普及啓発法の検討
課題番号
H22-がん臨床・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 都(獨協医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 武藤 孝司(獨協医科大学 医学部・公衆衛生学)
  • 森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 和田 耕治(北里大学 公衆衛生学)
  • 甲斐 一郎(東京大学 大学院医学系研究科老年社会科学分野)
  • 多賀谷 信美(獨協医科大学 第二外科学)
  • 丸 光惠(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
11,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本プロジェクトの目的は、1. わが国のがん患者と家族の就業実態と情報ニーズ、さらに就業の阻害要因を明らかにすること、2. 就業環境整備のキーパーソンである産業医、人事労務担当者、治療担当医療者の支援実態を明らかにし、支援力向上への課題を明らかにすること、3. 患者・家族、産業保健担当者、人事労務担当者、治療担当医療者のそれぞれに向けて、教材と教育カリキュラムを開発・評価するとともに、国民に向けた効果的啓発の方策を提言することである。
研究方法
平成22年度は、複数の実態調査(無記名自記式質問紙調査および個人半構造化面接)を企画・実施し、関係者の問題意識や情報ニーズを把握するとともに、海外支援団体が作成した支援教材や研修会カリキュラムの分析も行った。また、関係者のネットワーク形成を目的として、オープン参加の勉強会と平成22年度成果報告会シンポジウムも実施した。
結果と考察
実態把握に向けた調査としては、①患者の就労に関するがん専門医の意識と医療機関の体制に関する質問紙調査、②専属産業医によるがん患者の復職支援に関する個人面接調査、③小児がんサバイバーの長期フォローアップに関する看護師全国調査、④乳がん患者と配偶者の診断後サバイバーシップに関するカップル調査、⑤がん患者の就労に関する経営者・人事労務担当者のヒアリングを実施した。現在結果を分析中であるが、がん患者と家族の就労に向けた各関係者の認識のずれや支援における課題が明らかになっている。実態調査のほか、支援教材の作成の参考とする目的で、子宮頸がんサバイバーの就業への影響要因に関する文献レビュー、海外5カ国のがん支援団体作成などが作成した12種の支援教材の分析、イギリス最大手のがん患者支援団体MacMillan Cancer Supportの視察も実施した。さらに、国内関係者のネットワークづくりを目的として、4度の「がんと就労」勉強会に加えて平成22年度成果報告シンポジウムを開催し、のべ約320名の参加を得た。
結論
 平成22年度は、国内の各種実態調査、海外の支援リソースの分析、関係者のネットワーク形成の3点について、当初の年度目標をほぼ達成した。平成23年度には追加調査を実施するとともに、患者・家族、会社関係者、治療担当医療者、産業保健スタッフのそれぞれに向けた支援教材のパイロット版を作成する予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020049Z