がん対策に資するがん患者の療養生活の質の評価方法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201020046A
報告書区分
総括
研究課題名
がん対策に資するがん患者の療養生活の質の評価方法の確立に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宮下 光令(東北大学 大学院医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院緩和支持治療科)
  • 加藤 雅志(国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部)
  • 内富 庸介(国立がんセンター東病院臨床開発センター精神腫瘍学)
  • 的場 元弘(国立がんセンター中央病院手術・緩和医療部緩和医療科)
  • 中保 利通(東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座緩和医療学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の目的は「がん対策推進基本計画」で定められた全体目標の一つである「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」の達成状況の把握に資するよう、がん患者の療養生活の質の評価方法を確立し、全国調査並びに分析を行うことである。
研究方法
研究方法は以下に示す6つの課題それぞれについて異なる。
結果と考察
1.がん患者の療養生活の質の尺度に関する研究では、がん患者の療養生活の質を評価する全国調査の調査項目の同定のためにQOL評価尺度の検討を行った。がん医療の構造・プロセスの評価尺度については、信頼性・妥当性の確認された12領域36項目から成る評価尺度が開発された。2.受療行動調査等を用いたがん患者のQOL測定の可能性についての検討では、既存の政府統計情報として患者調査の主傷病名と受療行動調査のQOLに関する項目の情報を利用し、それぞれの情報を結合(データ・リンケージ)させることにより、がん患者のQOLを測定することが可能であり、今後、継続的にわが国の緩和ケアの質を評価していくにあたり、実行可能性の高い方法であることが示された。3.治療期における療養生活の質の評価方法に関する研究では外来化学療法を受けるがん患者の症状頻度およびニードに関して改定した自己記入式質問票を用いて、身体症状・気持ちのつらさの頻度を測定し、外来化学療法患者が抱える主要な症状は疼痛・倦怠感・気持ちのつらさであった。4.がんの長期生存者のQOLの評価に関する研究はがんの長期生存者のQOLを評価するために開発された自己記入式質問票であるQuality of Life for Cancer Survivor(QOL-CS)日本語版を作成し、術後5年を経過した非小細胞肺がん患者を対象に調査を行い、QOL-CS日本語版の妥当性、信頼性を示した。5.疼痛の評価指標に関する研究は国内におけるがん疼痛治療成績を、国際比較できる指標Pain Management Index(PMI)やBrief Pain Inventory(BPI)などの既確立指標である1施設で測定し、海外報告と比較検討した。6.緩和ケアの構造・プロセス、アウトカム評価における代理評価の信頼性の検証に関する研究は、調査が進行中である。
結論
「がん対策に資するがん患者の療養生活の質の評価方法の確立に関する研究」班の初年度として確実に進行している。3年間の研究機関でがん患者の療養生活の質の評価方法の確立を目指す。

公開日・更新日

公開日
2015-05-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020046Z