文献情報
文献番号
202506035A
報告書区分
総括
研究課題名
薬局製造販売医薬品(漢方・生薬製剤)の改正に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25CA2035
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 美千穂(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
- 政田 さやか(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
6,972,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品の販売制度に関する検討会(2024年1月)において、漢方薬・生薬(以下「漢方製剤等」という)に関して、「「薬局製造販売医薬品」の範囲の見直し(拡大)を検討すること」とされている。このため、薬局製造販売医薬品(以下「薬局製剤」という)の範囲の見直しの検討を令和6年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)「薬局製造販売医薬品の範囲の見直しに向けた研究(24CA2027)」にて実施し、薬局における漢方製剤等の販売状況に関する現状の問題点の整理を行った。
その結果、一部の薬局において、医療用医薬品として承認された単一の生薬(以下「単味生薬」という)の処方箋に基づかない少量分割販売(以下「零売」という)や、漢方処方の医療用医薬品の調剤に用いる生薬に効能効果を付け単味生薬として販売している実態が浮き彫りになった。このような不適切な販売実態を引き起こす原因としては、一般用医薬品の漢方製剤等の製造中止が行われること、薬局製剤指針として対応可能な漢方処方の種類が不十分であること、患者のニーズがある単味生薬が製剤として販売できる仕組みが整っていないこと等が挙げられた。また、薬局が生薬を扱うときに必要な知識(保管方法、購入方法、製造に必要な器具等の情報等)が共有されておらず、漢方製剤等を扱う薬局の新規参入が難しく、不適切な取扱いを行っている薬局への指導の根拠がない現状が明らかとなった。これらの状況を解決するために、本研究では、薬局製剤指針への漢方処方及び単味生薬製剤の追加を検討し、新規に収載可能な処方の各条案を作成することで、薬局における適切な漢方製剤等の販売を推進するための方策を検討することを目的とする。
その結果、一部の薬局において、医療用医薬品として承認された単一の生薬(以下「単味生薬」という)の処方箋に基づかない少量分割販売(以下「零売」という)や、漢方処方の医療用医薬品の調剤に用いる生薬に効能効果を付け単味生薬として販売している実態が浮き彫りになった。このような不適切な販売実態を引き起こす原因としては、一般用医薬品の漢方製剤等の製造中止が行われること、薬局製剤指針として対応可能な漢方処方の種類が不十分であること、患者のニーズがある単味生薬が製剤として販売できる仕組みが整っていないこと等が挙げられた。また、薬局が生薬を扱うときに必要な知識(保管方法、購入方法、製造に必要な器具等の情報等)が共有されておらず、漢方製剤等を扱う薬局の新規参入が難しく、不適切な取扱いを行っている薬局への指導の根拠がない現状が明らかとなった。これらの状況を解決するために、本研究では、薬局製剤指針への漢方処方及び単味生薬製剤の追加を検討し、新規に収載可能な処方の各条案を作成することで、薬局における適切な漢方製剤等の販売を推進するための方策を検討することを目的とする。
研究方法
(1)薬局製剤指針新規収載漢方処方各条原案作成に資する研究(1)各条原案について:一般用漢方製剤製造販売承認基準に収載されているが、薬局製剤指針には収載されていない漢方処方78品目について、各条作成の難易度別に分類した。難易度が高くないと判断されたものについて、各条原案のための素案を作成した。(2)薬局製剤指針新規収載漢方処方各条原案作成に資する研究(2)乾燥減量と灰分について:(1)で最高難易度以外に分類された64処方のうち61処方について、また比較のための薬局製剤指針既収載処方について、切断生薬を用いて実際に製剤を作成し、乾燥減量と灰分を測定した。(3)薬局製造販売医薬品としての単味生薬製剤に関する研究:全国の薬局実店舗に対して、単味生薬製剤に関してアンケート調査を実施した。
結果と考察
(1)78品目の内訳と検討難易度は、難易度が低い方から順に、★37処方、★★10処方、★★★16処方、★★★★1処方、★★★★★14処方であった。このうち、すでに薬局製剤指針に収載されている品目の中に、同じ原料生薬が使われており、確認試験の準用が可能と思われるもの(難易度★及び★★)は47処方であった。(2)の結果を併せて考察し、47処方60品目の収載素案を作成し、薬局製剤指針の様式にしたものを作成した。(3)WEBアンケートは2026年1月22日~2026年2月5日の期間で行い、計340件の回答を得た。最も多く希望があったものはヨクイニンであったが、他にもウコン、カンゾウ、ニンジン、ケイヒ、センナ、キキョウ、カッコンは100件以上が要望する生薬として挙げられた。薬局製剤指針に新規収載する各条原案作成のために参考にできる公的規格としては、一般用生薬製剤製造販売承認基準がある。これに挙がっている26種類の生薬については、承認基準に効能効果や用法用量等が定められているため、それらを準用した単味生薬製剤各条案を作成することが可能と考えられる。また、各種承認基準の内容が参考として利用できると考えられた。
結論
消費者のニーズを取り入れつつ、医薬品の適切な販売制度を保つために漢方製剤や単味生薬製剤について、薬局製剤が有効に活用できるよう、薬局製剤指針を改訂することが望ましいと考えられた。そのために新規収載漢方処方原案について検討し、47処方60品目の素案を作成した。また単味生薬製剤については、ニーズの多い品目を調査し、各条原案作成手順や参考にすべき公的規格について明らかにした。今後、これら新規各条が薬局製剤指針に追加されることにより、一般用医薬品供給の充実、また医薬品の適切な販売形態維持が期待される。
公開日・更新日
公開日
2026-06-10
更新日
-