文献情報
文献番号
202506020A
報告書区分
総括
研究課題名
セルフメディケーション推進のためのOTC医薬品データの利活用に係る研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25CA2020
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
間宮 弘晃(立命館大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 池田 和之(奈良県立医科大学 附属病院薬剤部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
2,477,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
セルフケア・セルフメディケーションの推進にあたっては、これまで「セルフメディケーションの推進を見据えた、要指導・一般用医薬品の情報提供のあり方に関する研究」において、使用者にとって分かりやすいOTC医薬品の添付文書の提言が行われているが、近年の医療DXの進展も踏まえつつ、薬剤師等の専門家の関与の下、自ら服用するOTC医薬品の管理を行っていく必要がある。また、令和5年3月に改訂された電子版お薬手帳ガイドラインでは「データベース事業者等と連携するなどして、医療用医薬品、一般用医薬品等の複数の医薬品の服用における重複投与、相互作用に関するアラート機能を実装することが望ましい。」とされており、自ら服用するOTC医薬品の管理を電子版お薬手帳の活用により行うことが望ましいと考えられる。一方で、既にOTC医薬品のデータベースが存在するものの、全てのOTC医薬品が網羅されているわけではなく、また電子版お薬手帳との連携に係る要件定義もされていないため、医療DXの進展を踏まえた各種施策を実施する上での課題となっている。
本研究課題は、諸外国におけるセルフケア・セルフメディケーション推進施策の調査、医療機関等に対するアンケート・ヒアリング調査や、国内の製薬企業やドラッグストアなどのセルフケア・セルフメディケーションに係る各種取組主体を交えた班会議において検討を行うことで、セルフメディケーション推進に必要なOTC医薬品データの利活用を提案することを目的とする。
本研究課題は、諸外国におけるセルフケア・セルフメディケーション推進施策の調査、医療機関等に対するアンケート・ヒアリング調査や、国内の製薬企業やドラッグストアなどのセルフケア・セルフメディケーションに係る各種取組主体を交えた班会議において検討を行うことで、セルフメディケーション推進に必要なOTC医薬品データの利活用を提案することを目的とする。
研究方法
本研究では、セルフケア・セルフメディケーションの推進に資するOTC医薬品データベースの要件を検討すべく、(1)諸外国におけるOTC医薬品データベースの構築状況及びセルフメディケーション推進施策の調査、(2)海外でのスイッチOTC化に係る調査、(3)医療機関へのアンケート・ヒアリング調査、(4)取りまとめの作成を実施した。
結果と考察
諸外国動向調査の結果、調査した7か国のいずれにおいてもOTC医薬品専用のデータベースは存在せず、処方薬と共通のデータベースにOTC医薬品が掲載されている形態が一般的であることが明らかとなった。この点、我が国のJSM-DBはOTC医薬品に特化したデータベースとして独自の位置づけにあるが、品目ベースでの網羅率が50〜60%程度にとどまっている点は課題がある。
次に、海外でのスイッチOTC化に係る調査では、全ての調査対象国においてスイッチ化は自動移行ではなく申請に基づく審査が必要であること、消費者が医師の監督なしで安全に使用できることの証明が共通して求められていることが確認された。特にイギリスにおける審査タイムラインの明文化やスイッチを奨励する具体的リストの公表、米国におけるACNU規則の創設等、スイッチOTC化を促進するための制度的な取組は、我が国における今後の制度検討の参考となるものである。
また、アンケート・ヒアリング調査からは、医療機関の入院患者においてもロキソニンやバファリン等の医療用医薬品と同成分のOTC医薬品の使用が確認され、重複投与や相互作用の確認のためにOTC医薬品と医療用医薬品の情報を一元的に管理できるデータベースの必要性が改めて示された。また、病院薬剤師のOTC医薬品に関する情報源が限定的であること、OTC医薬品検索サイトの認知度が18.7%にとどまっていることから、医療従事者への認知向上が課題であることが明らかとなった。今後、OTC類似薬の議論の進展に伴い、医療現場でもOTC医薬品を取り扱う可能性が高まることから、OTC医薬品データベースには医療用医薬品と同様の情報が求められることも視野に入れる必要がある。
最後に、研究班会議を通じた取りまとめの作成により、OTC医薬品データベースの構築・運用に係る基本的な考え方と当面取り組むべき施策の方向性を関係者間で共有することができた。
次に、海外でのスイッチOTC化に係る調査では、全ての調査対象国においてスイッチ化は自動移行ではなく申請に基づく審査が必要であること、消費者が医師の監督なしで安全に使用できることの証明が共通して求められていることが確認された。特にイギリスにおける審査タイムラインの明文化やスイッチを奨励する具体的リストの公表、米国におけるACNU規則の創設等、スイッチOTC化を促進するための制度的な取組は、我が国における今後の制度検討の参考となるものである。
また、アンケート・ヒアリング調査からは、医療機関の入院患者においてもロキソニンやバファリン等の医療用医薬品と同成分のOTC医薬品の使用が確認され、重複投与や相互作用の確認のためにOTC医薬品と医療用医薬品の情報を一元的に管理できるデータベースの必要性が改めて示された。また、病院薬剤師のOTC医薬品に関する情報源が限定的であること、OTC医薬品検索サイトの認知度が18.7%にとどまっていることから、医療従事者への認知向上が課題であることが明らかとなった。今後、OTC類似薬の議論の進展に伴い、医療現場でもOTC医薬品を取り扱う可能性が高まることから、OTC医薬品データベースには医療用医薬品と同様の情報が求められることも視野に入れる必要がある。
最後に、研究班会議を通じた取りまとめの作成により、OTC医薬品データベースの構築・運用に係る基本的な考え方と当面取り組むべき施策の方向性を関係者間で共有することができた。
結論
OTC医薬品データベースの構築・運用に係る基本的な考え方と当面取り組むべき施策の方向性を示すことができた。特に、JSM-DBの網羅性の向上が最優先の課題であること、セルフメディケーション税制とデータベース間の整合性の確保、電子版お薬手帳との連携の推進等、具体的な施策の方向性が示されたことは重要な成果である。取りまとめの実効性を確保するため、行政機関や関係団体において、施策を講じるべきとされた事項については着実に実施していくことが期待される。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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