文献情報
文献番号
202506008A
報告書区分
総括
研究課題名
特別な支援が必要な医療的ケア者の選定と必要な支援の実態調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25CA2008
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
是松 聖悟(埼玉医科大学 埼玉医科大学総合医療センター小児科)
研究分担者(所属機関)
- 田村 正徳(埼玉医科大学 総合医療センター小児科)
- 岡 明(埼玉県立小児医療センター)
- 前田 浩利(医療財団法人はるたか会)
- 船戸 正久(大阪発達総合療育センター)
- 尾方 克久(独立行政法人国立病院機構東埼玉病院)
- 奈倉 道明(埼玉医科大学総合医療センター 小児科)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
4,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
令和3年9月18日から施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の今後のステップとして、基本理念の中にある「医療的ケア児でなくなった後にも配慮した支援」の検討が求められている。
そこで、令和6年度厚生労働科学特別研究事業「医療的ケアが必要な者に関する実態調査と特別な支援が必要な者の推計方法の確立の調査研究」を実施した。その結果、特別な支援が必要な医療的ケア者の最優先は「小児期発症疾患の医療的ケア者」とした。そして、18歳以上65歳未満(介護保険の対象となるまでの者)の「小児期発症疾患の医療的ケア者」が、国内に推計2万人いることを見出した。
しかし未解決の課題も残されていた。
①「成人期発症疾患の医療的ケア者」が65歳まで約2万人いることが推計された。しかし、特別な支援が必要かどうかを判断することはできなかった。
②「特別な支援が必要な医療的ケア者」にどのような支援が必要かを調査する必然性が見出された。
③医療的ケア者のライフステージは不明である。
④特別な支援が必要な医療的ケア者の推計方法は未確立である。
本研究では、上記①~③を実態調査し、それをもとに④を確立する。
そこで、令和6年度厚生労働科学特別研究事業「医療的ケアが必要な者に関する実態調査と特別な支援が必要な者の推計方法の確立の調査研究」を実施した。その結果、特別な支援が必要な医療的ケア者の最優先は「小児期発症疾患の医療的ケア者」とした。そして、18歳以上65歳未満(介護保険の対象となるまでの者)の「小児期発症疾患の医療的ケア者」が、国内に推計2万人いることを見出した。
しかし未解決の課題も残されていた。
①「成人期発症疾患の医療的ケア者」が65歳まで約2万人いることが推計された。しかし、特別な支援が必要かどうかを判断することはできなかった。
②「特別な支援が必要な医療的ケア者」にどのような支援が必要かを調査する必然性が見出された。
③医療的ケア者のライフステージは不明である。
④特別な支援が必要な医療的ケア者の推計方法は未確立である。
本研究では、上記①~③を実態調査し、それをもとに④を確立する。
研究方法
1)医療的ケア者の医療、福祉サービスの実態調査と、属性および小児期との比較の検討
医療的ケア児から成人に移行した医療的ケア者、また小児期発症疾患でありながら医療的ケア児ではなかったものの成人となって医療的ケア者となった者が、小児期に受けていた医療(外来、入院)、福祉サービスと現在のものを比較し、どのような違いがあるのかを調査し、分析する。またどこで生活しているのか(在宅なのか、入所しているのか)、誰が介護しているのか、就学や就労はしているのかも調査し、分析する。同時に成人期発症疾患の医療的ケア者の調査も行い、比較、分析した。
調査期間は令和7年9月29日から令和8年3月31日まで。
研究代表者、分担者、協力者を介して、本人または血縁の介護者に調査について説明し、Google Formsで調査への同意を確認し、本人または血縁の介護者に回答を依頼した。
小児期発症疾患患者に対しては、当該の医療的ケア者が17歳の頃との比較も調査(放課後等デイサービスを追記)し、分析した。
2)医療的ケア者のライフステージ調査
研究代表者、分担者、協力者の施設における、
① 10年前に18歳以上であった医療的ケア者
② 今、28歳以上の医療的ケア者
に対して、ライフステージ調査を行った。調査機関は令和7年9月29日から令和8年3月31日。
代表者、分担者、協力者それぞれの施設から概要を説明し、同意を得た場合に、代表者より調査依頼の文書を郵送し、Google Formsで回答を依頼した。生存されている方は1)の調査にも協力いただくこととした。
医療的ケア児から成人に移行した医療的ケア者、また小児期発症疾患でありながら医療的ケア児ではなかったものの成人となって医療的ケア者となった者が、小児期に受けていた医療(外来、入院)、福祉サービスと現在のものを比較し、どのような違いがあるのかを調査し、分析する。またどこで生活しているのか(在宅なのか、入所しているのか)、誰が介護しているのか、就学や就労はしているのかも調査し、分析する。同時に成人期発症疾患の医療的ケア者の調査も行い、比較、分析した。
調査期間は令和7年9月29日から令和8年3月31日まで。
研究代表者、分担者、協力者を介して、本人または血縁の介護者に調査について説明し、Google Formsで調査への同意を確認し、本人または血縁の介護者に回答を依頼した。
小児期発症疾患患者に対しては、当該の医療的ケア者が17歳の頃との比較も調査(放課後等デイサービスを追記)し、分析した。
2)医療的ケア者のライフステージ調査
研究代表者、分担者、協力者の施設における、
① 10年前に18歳以上であった医療的ケア者
② 今、28歳以上の医療的ケア者
に対して、ライフステージ調査を行った。調査機関は令和7年9月29日から令和8年3月31日。
代表者、分担者、協力者それぞれの施設から概要を説明し、同意を得た場合に、代表者より調査依頼の文書を郵送し、Google Formsで回答を依頼した。生存されている方は1)の調査にも協力いただくこととした。
結果と考察
①小児期発症疾患で50歳以上まで生存している者がいること、②小児期発症疾患の平均体重は約30 kgであること、③小児期発症疾患において、18歳以降に、また一部は30歳以降に、新規の医療的ケアが導入されていることがあること、④医療的ケアは本人による実施が困難で、他者による実施がなされていること、⑤ほとんどが、全介助の状態であること、⑥多くが、重度の知的障害があり、親しい人とも意思疎通が難しいこと、⑦定期受診している診療科が依然として小児科のままであること、⑧体調不良時に入院する診療科は小児科、もしくは決まっていないこと、⑨小児期に比べ、レスパイトのニーズが高まっていること、⑩しかし、レスパイトを含め、福祉サービスの利用は少ないこと、⑪ニーズがあるにも関わらず、レスパイトの利用は、医療的ケア児であった時も同じく低かったこと、⑫災害時避難行動要支援者としての登録や、個別避難計画の作成が進んでいないこと、⑬ほとんどが自宅で生活しており、主たる介護者は親であること、⑭多くの主たる介護者は就労できていないことが明らかになった。
結論
特別な支援が必要な医療的ケア者を「日常生活及び社会生活を営むために恒常的に人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為(気管切開管理、鼻咽頭エアウェイ管理、ネブライザー管理、酸素療法、経管栄養、中心静脈カテーテル管理、皮下注射、血糖測定、持続的な透析、導尿等)を受けることが不可欠な者のうち、経鼻的持続陽圧呼吸のみを実施している者と在宅酸素療法のみを実施している者を除く者(65歳以上の介護保険対象者を除く)」とした。今回の回答者は比較的重度の医療的ケア者が多かったことが示唆されるが、見出された課題を中心とした支援が望まれる。
公開日・更新日
公開日
2026-05-29
更新日
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