文献情報
文献番号
202506001A
報告書区分
総括
研究課題名
新規技術の技術料決定における原価計算方式や有用性等の定量的評価に係る研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25CA2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
明神 大也(浜松医科大学 医学部 健康社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 古元 重和(北海道大学 大学院医学研究院 社会医学分野 医療政策評価学教室)
- 大寺 祥佑(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)
- 今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
- 野田 龍也(学校法人関西医科大学 医学部 メディカルデータサイエンス講座)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
4,308,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動
研究分担者 野田龍也
奈良県立医科大学(令和7年4月1日~令和7年6月30日
→関西医科大学(令和7年7月1日~令和8年3月31日)
研究報告書(概要版)
研究目的
医療保険制度における医療技術の評価については、関係学会からの提案に基づき医療技術評価分科会において2年に1度の診療報酬改定のタイミングで検討が行われているが、新たに薬事承認又は薬事承認事項一部変更承認を得た医療機器等を用いた新規の技術については、診療報酬改定のタイミングを待たずに、保険医療材料等専門組織(以下「保材専」という。)において個別に検討を行っている。
新規に保険収載された医療機器を用いて行われる新規医療技術に係る診療報酬上の評価は、既存技術との類似性に基づく技術料の準用が主とされている。一方、特定保険医療材料では原価計算方式や有用性評価に基づく加算が導入されている。
そこで本研究においては、新規医療技術の評価における、原価計算方式の導入手法及び加算の定量的評価の導入手法の妥当性を検証することを目的とする。
新規に保険収載された医療機器を用いて行われる新規医療技術に係る診療報酬上の評価は、既存技術との類似性に基づく技術料の準用が主とされている。一方、特定保険医療材料では原価計算方式や有用性評価に基づく加算が導入されている。
そこで本研究においては、新規医療技術の評価における、原価計算方式の導入手法及び加算の定量的評価の導入手法の妥当性を検証することを目的とする。
研究方法
新規医療技術の評価方法及び技術料の決定方法について、国内外の関係団体等へのヒアリングを実施した。令和7年度は、国内の有識者に加え、日本と同様に社会保険方式による国民皆保険制度を有し、一部の高額医療機器について公定の償還価格を設定しているフランスを対象とした。具体的には、フランス高等保健機構(Haute Autorité de santé:HAS)内の医療材料・医療技術評価委員会(Commission nationale d’évaluation des disposi-tifs médicaux et des technologies de santé:CNEDiMTS)及び医療製品経済委員会(Comité économique des produits de santé:CEPS)にヒアリングを行った。
また、2020~2024年度に保険医療材料等専門組織で審議され保険適用された品目のうち、医療機器のC2区分及び体外診断用医薬品のE3区分に該当する事例を抽出し、企業希望価格と保険償還価格を比較した。さらに、各区分について、準用技術又は検査における定量的評価指標案を検討した。
また、2020~2024年度に保険医療材料等専門組織で審議され保険適用された品目のうち、医療機器のC2区分及び体外診断用医薬品のE3区分に該当する事例を抽出し、企業希望価格と保険償還価格を比較した。さらに、各区分について、準用技術又は検査における定量的評価指標案を検討した。
結果と考察
フランスでは、医療機器メーカーの申請後、CNEDiMTSが臨床的有用性及び既存技術に対する改善度を評価し、その結果を踏まえてCEPSが企業と価格交渉を行う仕組みとなっていた。改善度が高い場合には比較対照より高い価格設定が可能である一方、改善が認められない場合には原則として同等又は低価格となる。なお、医師の行為に係る技術料については別手続で設定され、評価結果が料金水準に直接反映される仕組みではなかった。日本と同様に公的医療保険制度のもとで運用されている一方で、評価機能、価格決定機能、医療材料と医師の行為に関する報酬決定機能が制度上明確に分化している点が特徴であった。
また、2020~2024年度に保険医療材料等専門組織で審議され保険適用された品目のうち、医療機器のC2区分及び体外診断用医薬品のE3区分に該当する事例を抽出した結果、C2区分53件のうち比較可能であった47件のうち、技術料について企業希望点数と決定された点数が同点数であった品目は14件、決定点数が企業希望点数を下回った品目は33件であった。E3区分61件では、同点数が16件、決定点数が企業希望点数を下回った品目が45件であり、いずれの区分でも決定点数が企業希望点数を下回る事例が多く認められた。定量的評価指標案としては、C2の技術料評価では技術の難易度・安全性・患者負担・臨床アウトカム等、E3では新規性・検査性能・迅速性・医療従事者の安全性等が挙げられた。これらの結果から、新規技術料等の評価においては、既存技術や検査の準用に加え、有用性、安全性、患者負担軽減等を一定のルールに基づき定量的に評価する視点を導入する余地が示唆された。
また、2020~2024年度に保険医療材料等専門組織で審議され保険適用された品目のうち、医療機器のC2区分及び体外診断用医薬品のE3区分に該当する事例を抽出した結果、C2区分53件のうち比較可能であった47件のうち、技術料について企業希望点数と決定された点数が同点数であった品目は14件、決定点数が企業希望点数を下回った品目は33件であった。E3区分61件では、同点数が16件、決定点数が企業希望点数を下回った品目が45件であり、いずれの区分でも決定点数が企業希望点数を下回る事例が多く認められた。定量的評価指標案としては、C2の技術料評価では技術の難易度・安全性・患者負担・臨床アウトカム等、E3では新規性・検査性能・迅速性・医療従事者の安全性等が挙げられた。これらの結果から、新規技術料等の評価においては、既存技術や検査の準用に加え、有用性、安全性、患者負担軽減等を一定のルールに基づき定量的に評価する視点を導入する余地が示唆された。
結論
本研究ではヒアリングと既存資料からの動向調査を行った。ヒアリングでは国内の背景や動向を深堀するとともに、フランスの状況を調査した。既存資料からは、これまでの企業希望価格と保険償還価格の差からC2及びE3区分の技術料評価における全体像把握と課題の検討を行った。
今後、ヒアリングを含めた上記調査を継続するとともに、中央社会保険医療協議会における議論の動向を把握し、定量的評価指標案の検討を進めていく。
今後、ヒアリングを含めた上記調査を継続するとともに、中央社会保険医療協議会における議論の動向を把握し、定量的評価指標案の検討を進めていく。
公開日・更新日
公開日
2026-06-17
更新日
-