文献情報
文献番号
201020018A
報告書区分
総括
研究課題名
高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準治療確立のための研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-018
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岩本 幸英(九州大学 大学院医学研究院整形外科)
研究分担者(所属機関)
- 井須 和男(北海道がんセンター 整形外科 )
- 荒木 信人(大阪府立成人病センター 整形外科 )
- 高橋 満(静岡県立静岡がんセンター 整形外科 )
- 中馬 広一(国立がんセンター中央病院 骨・軟部腫瘍科 )
- 尾崎 敏文(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科 )
- 比留間 徹(神奈川県立がんセンター 骨軟部腫瘍外科 )
- 松田 秀一(九州大学大学院医学研究院 整形外科)
- 守田 哲郎(新潟県立がんセンター新潟病院 整形外科)
- 森岡 秀夫(慶應義塾大学医学部 整形外科)
- 吉田 行弘(日本大学医学部 整形外科 )
- 和田 卓郎(札幌医科大学医学部 整形外科 )
- 戸口田 淳也(京都大学再生医科学研究所 組織再生応用分野 )
- 羽鳥 正仁(東北大学大学院医学系研究科 整形外科 )
- 松峯 昭彦(三重大学医学部 整形外科 )
- 横山 良平(九州がんセンター 整形外科 )
- 阿部 哲士(帝京大学医学部 整形外科 )
- 舘崎 愼一郎(千葉県がんセンター 整形外科 )
- 望月 一男(杏林大学医学部 整形外科 )
- 吉川 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科 整形外科)
- 松本 誠一(癌研究会有明病院 整形外科 )
- 大野 貴敏(岐阜大学医学部 整形外科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
18,482,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
転移の無い四肢発生の骨肉腫に対し、MTX、ADM、CDDPによる術前化学療法を行い、効果不充分例に対し、術後化学療法としてIFOを追加する上乗せ延命効果があるかどうかを、ランダム化比較により検証する。高悪性度軟部肉腫に対するIFO, ADMによる補助化学療法の第II相臨床試験(JCOG0304)に関しても、症例の解析を引き続き行う。
研究方法
研究形式:多施設共同第III相ランダム化比較試験。Primary endpointはA,B群の無病生存期間。
対象:転移の無い四肢発生の高悪性度骨肉腫。患者登録とランダム割付:術前化学療法を行い、切除標本の腫瘍壊死割合を判定し、効果不充分例にはランダム割付を行う(A群・B群)。著効例は術前と同じレジメンで治療を行う(G群)。
術前化学療法:AP (ADM 60mg/m2+CDDP 120mg/m2) x 2、MTX (12g/m2) x 4
術後化学療法:効果不充分例は、以下の治療を実施。(A群:AP x 2、MTX x 6、ADM (90mg/m2) x 2、B群:AP x 2、
MTX x 4、IFO (16g/m2) x 6)
予定症例数:登録期間6年、追跡10年、予定症例数200例。
対象:転移の無い四肢発生の高悪性度骨肉腫。患者登録とランダム割付:術前化学療法を行い、切除標本の腫瘍壊死割合を判定し、効果不充分例にはランダム割付を行う(A群・B群)。著効例は術前と同じレジメンで治療を行う(G群)。
術前化学療法:AP (ADM 60mg/m2+CDDP 120mg/m2) x 2、MTX (12g/m2) x 4
術後化学療法:効果不充分例は、以下の治療を実施。(A群:AP x 2、MTX x 6、ADM (90mg/m2) x 2、B群:AP x 2、
MTX x 4、IFO (16g/m2) x 6)
予定症例数:登録期間6年、追跡10年、予定症例数200例。
結果と考察
平成22年2月より各施設のIRB承認後、順次症例の登録を開始した。平成23年3月末現在、24例の登録が得られている。定期モニタリングの結果では、安全性に大きな問題は生じていない。術前化学療法の効果不充分例に対しIFOを加えた術後化学療法による予後改善効果を検証する本研究は、世界的にも極めて重要な研究と考えられる。
高悪性度軟部肉腫に対するIFO, ADMによる補助化学療法の第II相臨床試験においては、登録症例数は平成20年9月で72例となり、登録終了とした。主たる解析では2年無増悪生存割合75.6%と、生命予後が改善される可能性が高いと予測され、今後も引き続き追跡調査を行っていく予定である。
高悪性度軟部肉腫に対するIFO, ADMによる補助化学療法の第II相臨床試験においては、登録症例数は平成20年9月で72例となり、登録終了とした。主たる解析では2年無増悪生存割合75.6%と、生命予後が改善される可能性が高いと予測され、今後も引き続き追跡調査を行っていく予定である。
結論
転移の無い四肢発生の骨肉腫に対し、MTX、ADM、CDDPによる術前化学療法を行い、効果不充分例に対し、術後化学療法としてIFOを追加する上乗せ延命効果を検証する多施設共同試験を開始した。高悪性度非円形細胞軟部肉腫に対する補助化学療法の臨床試験は症例登録を終了し、今後は結果解析を行っていく予定である。
公開日・更新日
公開日
2015-05-15
更新日
-