文献情報
文献番号
201020015A
報告書区分
総括
研究課題名
早期消化管がんに対する内視鏡的治療の安全性と有効性の評価に関する研究-粘膜下層浸潤臨床病期Ⅰ(T1N0M0)食道がんに対するEMR/化学放射線療法併用療法の有効性に関する第Ⅱ相試験:JCOG0508
課題番号
H20-がん臨床・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
武藤 学(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 三梨 桂子(国立がん研究センター東病院)
- 小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター)
- 土田 知宏(癌研有明病院)
- 飯石 浩康(大阪府立成人病センター)
- 土山 寿志(石川県立中央病院)
- 飯塚 敏郎(虎の門病院)
- 二瓶 圭二(国立がん研究センター東病院)
- 小山 恒男(佐久総合病院)
- 西崎 朗(兵庫県立がんセンター)
- 澤木 明(愛知県がんセンター中央病院)
- 田邉 聡(北里大学医学部)
- 森田 圭紀(神戸大学医学部附属病院)
- 伊藤 芳紀(国立がん研究センター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
19,904,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
これまで外科手術が標準治療であった粘膜下層浸潤clinical stage I(T1N0M0)食道がんに対し、低侵襲治療として内視鏡的切除(EMR)を施行した後に、化学放射線療法を加える新しい非外科的治療法の安全性と有効性を評価する。
研究方法
JCOG消化器がん内科グループ参加施設において、「粘膜下層浸潤食道癌に対するEMR+化学放射線療法併用療法の有効性に関する第II相試験:JCOG0508」を実施する。EMRは入院の上実施。化学放射線療法は、以下のレジメンで実施する。1.予防的化学放射線療法:a)pSM1-2かつ断端陰性の場合、b)pM3以浅かつ脈管侵襲陽性かつ断端陰性の場合:5-FU:700mg/m2(civ),day1-4,29-32、CDDP:70 mg/m2(div),day1,29、RT:41.4 Gy/23 fr/5wks(5days/week)、2.根治的化学放射線療法:a)断端陽性、もしくは判定不能だった場合、b)明らかに腫瘍が残存している場合、c)組織学的評価が十分にできなかった場:5-FU:700mg/m2(civ),day1-4,29-32、CDDP:70mg/m2(div),day1,29、RT:50.4Gy/28fr/6wks (5days/week)。主要評価項目は、予防的化学放射線療法施行症例(1群)における3年生存割合とした。
結果と考察
平成22年度中には46例が登録された。本試験期間全体では、計138例が登録された。平成22年度後期の定期モニタリングでは、CRFが回収された106症例中実際に主たる解析対象となる症例は54例(51%)であった。主たる解析の目標症例数82例に達するためには、全体で164例以上の症例集積が必要であり、今後少なくとも26例以上の症例登録が必要である。
結論
内視鏡診断と治療の分野で世界をリードする我が国において、内視鏡医療を中心とした臨床研究チームを構築し、臨床試験を実施した。本試験の症例登録がすすむようになり、内視鏡診断や治療の品質管理もできるようになった。今後、これまで外科手術が標準治療であった粘膜下層浸潤食道がんにおいてあらたな低侵襲治療が開発されることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2015-05-15
更新日
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