文献情報
文献番号
202503003A
報告書区分
総括
研究課題名
ICTを利用した医師国家試験の評価方法の開発と検証のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24AC1001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
河北 博文(公益財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
- 淺田 義和(自治医科大学 医学教育センター)
- 岡崎 仁昭(自治医科大学 医学教育センター)
- 久保 沙織(東北大学 教育学研究科)
- 小西 靖彦(順天堂大学 医学教育研究室)
- 小松 弘幸(宮崎大学 医学部 医療人育成推進センター)
- 高村 昭輝(金沢医科大学 医学教育学)
- 内藤 俊夫(順天堂大学 大学院医学研究科)
- 奈良 信雄(日本医学教育評価機構)
- 錦織 宏(名古屋大学 大学院医学研究科 総合医学教育センター)
- 伴 信太郎(名古屋大学医学部附属病院総合診療部)
- 藤川 裕恭(順天堂大学 医学部総合診療科学講座)
- 松山 泰(自治医科大学 医学部 医学教育センター)
- 森 博威(順天堂大学 医学部総合診療科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
21,622,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今後の医師国家試験および医学教育を改善するために、(1)CBT医師国家試験の導入の実現に向けた課題等の抽出、(2)医学生の技能や態度の評価、(3)医師国家試験出題基準の検証、(4)外国の医学部を卒業した者に対する予備試験と日本語診療能力調査の課題に関して研究を行い、今後の医師国家試験に関する検討に活用できる知見を得るとともに、ICTを利用した医師国家試験の実現と医学教育での医学生の評価の改善に向けて提言する。
研究方法
4つの課題に関して、(1)についてCBTトライアル試験を実施し、CBT試験システムの課題、PC環境や実施環境等を調査するとともに、CBT問題の管理システムと作問体制の構築を図った。(2)~(4)の課題については、大学や臨床研修病院等の医師で教育に携わる方や医学教育の専門家等へアンケート調査、インタビュー調査、ワークショップ等を行い、各課題を整理するとともに、改善策の提案と医学教育の現場で活用できるツールを検討し知見を取りまとめた。
結果と考察
(1)CBT医師国家試験の導入実現に向けた研究
CBT医師国家試験の導入の実現に向けた課題等を抽出するために、前年度に引き続いて、インターネットを介したCBT試験システム(TAO)を利用して、動画・音声等利用した実臨床に近い問題を取り入れて、全国60大学(1,647名)の参加によるCBTトライアル試験を、大学会場形式と一般会場形式で行い、どちらも大きな問題なく概ね円滑に実施し、将来の試験運営における知見を整理することができた。CBT問題の作問・ライブラリシステムについては、問題の整理・検索機能を強化するための検討を行った結果、医師国家試験出題基準等に準じたプール問題の整理・検索が可能となった。CBT問題の体系的な管理基盤をシステム上で構築するとともに、カスタムGPTにより臨床問題の派生問題等を短期間に多数作成できることを実証した。IRTに基づくテスト運用では、等化の手続きを経た項目の集まりである項目プールをあらかじめ用意する必要があることから、等化係数法による項目母数の等化の一例を示した。
(2)医学生の技能や態度の評価に関する研究
ワークショップを通じて、日本における総括的 WBA導入に関する主要論点を整理し、その知見を踏まえて、我が国の臨床実習における総括的 WBA の実施指針案(GenBA)を作成した。さらに、障害者支援および医療安全の専門家との意見交換を通じて、本質的能力の定義、合理的配慮、患者安全を踏まえた評価基準設定など、制度設計上の重要課題を明らかにした。
(3)医師国家試験出題基準に関する研究
令和6年版医師国家試験出題基準の医学各論において、延べ476項目の備考欄への記載が認められ、その内訳には追加病名が最も多かった。研究者による探索的検討では、延べ476項目のうち344項目が削除可能な項目、132項目が検討を要する項目と判断された。今後、専門家等による妥当性検証を行い、備考欄の役割を明確化した上で、出題基準改定時の整理方針を検討する必要がある。医学総論および必修の基本的事項の出題領域別の検証については、レベルⅠ問題の出題割合が50%以上であった項目は、必修の基本的事項は「1.医師のプロフェッショナリズム」「3.診療情報と諸証明書」等の5項目であり、医学総論は「Ⅰ.保健医療論」「Ⅱ.予防と健康管理・増進」等の3項目であった。これらについて、ブループリントにおける出題割合を減らし、その分を臨床実習開始前に実施される共用試験CBTで一定程度出題するなどの調整が望ましいことを示した。
(4)外国の医学部を卒業した者に対する予備試験および日本語診療能力調査に関する研究
外国の医学部卒業生の受け入れ、勤務状況に関しては大きな問題は見られなかった。一方、少数ではあるが外国の医学部出身医師の勤務状況に問題が認められたこと、および今後も外国の医学部出身医師の増加が見込まれることから、国民から信頼が得られるよう、さらに詳細な調査研究を行い、より適正な外国の医学部出身医師の受け入れ制度を構築する必要性を示した。
CBT医師国家試験の導入の実現に向けた課題等を抽出するために、前年度に引き続いて、インターネットを介したCBT試験システム(TAO)を利用して、動画・音声等利用した実臨床に近い問題を取り入れて、全国60大学(1,647名)の参加によるCBTトライアル試験を、大学会場形式と一般会場形式で行い、どちらも大きな問題なく概ね円滑に実施し、将来の試験運営における知見を整理することができた。CBT問題の作問・ライブラリシステムについては、問題の整理・検索機能を強化するための検討を行った結果、医師国家試験出題基準等に準じたプール問題の整理・検索が可能となった。CBT問題の体系的な管理基盤をシステム上で構築するとともに、カスタムGPTにより臨床問題の派生問題等を短期間に多数作成できることを実証した。IRTに基づくテスト運用では、等化の手続きを経た項目の集まりである項目プールをあらかじめ用意する必要があることから、等化係数法による項目母数の等化の一例を示した。
(2)医学生の技能や態度の評価に関する研究
ワークショップを通じて、日本における総括的 WBA導入に関する主要論点を整理し、その知見を踏まえて、我が国の臨床実習における総括的 WBA の実施指針案(GenBA)を作成した。さらに、障害者支援および医療安全の専門家との意見交換を通じて、本質的能力の定義、合理的配慮、患者安全を踏まえた評価基準設定など、制度設計上の重要課題を明らかにした。
(3)医師国家試験出題基準に関する研究
令和6年版医師国家試験出題基準の医学各論において、延べ476項目の備考欄への記載が認められ、その内訳には追加病名が最も多かった。研究者による探索的検討では、延べ476項目のうち344項目が削除可能な項目、132項目が検討を要する項目と判断された。今後、専門家等による妥当性検証を行い、備考欄の役割を明確化した上で、出題基準改定時の整理方針を検討する必要がある。医学総論および必修の基本的事項の出題領域別の検証については、レベルⅠ問題の出題割合が50%以上であった項目は、必修の基本的事項は「1.医師のプロフェッショナリズム」「3.診療情報と諸証明書」等の5項目であり、医学総論は「Ⅰ.保健医療論」「Ⅱ.予防と健康管理・増進」等の3項目であった。これらについて、ブループリントにおける出題割合を減らし、その分を臨床実習開始前に実施される共用試験CBTで一定程度出題するなどの調整が望ましいことを示した。
(4)外国の医学部を卒業した者に対する予備試験および日本語診療能力調査に関する研究
外国の医学部卒業生の受け入れ、勤務状況に関しては大きな問題は見られなかった。一方、少数ではあるが外国の医学部出身医師の勤務状況に問題が認められたこと、および今後も外国の医学部出身医師の増加が見込まれることから、国民から信頼が得られるよう、さらに詳細な調査研究を行い、より適正な外国の医学部出身医師の受け入れ制度を構築する必要性を示した。
結論
医師国家試験CBTトライアル試験を通じて、CBT試験システムを利用した試験運用は概ね円滑に実施でき、実施会場の設営、試験運営、実施形式(オンライン、オフライン等)について知見を得ることができ、CBT医師国家試験の実装に向けた課題と改善策を整理した。さらに、昨年取りまとめたCBT医師国家試験の仕組み(プロトタイプ)の検討を進め、CBT問題作成・管理のためのライブラリシステムを構築し検証を行った。また、医師国家試験の出題基準の検証や臨床実習における医学生の評価方法等についても知見を整理した。
これらを通じて、CBT医師国家試験の実装および医学生の評価と医師国家試験の連携に関する課題や具体的な改善策を取りまとめた。
これらを通じて、CBT医師国家試験の実装および医学生の評価と医師国家試験の連携に関する課題や具体的な改善策を取りまとめた。
公開日・更新日
公開日
2026-07-23
更新日
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