院内がん登録の標準化と普及に関する研究

文献情報

文献番号
201019057A
報告書区分
総括
研究課題名
院内がん登録の標準化と普及に関する研究
課題番号
H22-3次がん・一般-040
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
西本 寛(独立行政法人 国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 山城 勝重(独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター臨床検査部)
  • 海崎 泰治(福井県立病院臨床病理科)
  • 津熊 秀明(大阪府立成人病センターがん予防情報センター)
  • 猿木 信裕(栃木県立がんセンター外科、研究所)
  • 岡村 信一(群馬県立がんセンター)
  • 固武 健二郎(群馬大学医学部附属病院医療情報部)
  • 東 尚弘(東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
22,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
院内がん登録における標準的な登録様式・手順の確立は登録情報の比較可能性を担保する意味できわめて重要である。地域がん登録と連携しつつ、わが国の院内がん登録の登録様式・手順の標準化を進め、標準的な手法での登録を普及していくことが本研究の目的である。
研究方法
1)登録様式の標準化:標準登録様式改定案およびUICC TNM分類第7版に対応した新「進展度」の検討する。また、米国のCollaborative Stagingを翻訳し、わが国で使用できる形態とする。
2)運用体制・手順の標準化:院内がん登録実務者を対象に初級者・初級修了者・中級者などの段階別に研修方法やカリキュラムを検討する。
3)登録支援ソフトウェアの開発・改善:登録支援ソフトウェアHos-CanRの後継システムの基幹部分の仕様の決定を行う。また、診療科データベースの試験的開発・改善を継続する。
4)拠点病院全国集計結果の分析・利用と公表手法の検討:全国集計データの詳細な解析、精度評価のための指標、また、全国集計の効率化に向けて情報収集システムの仕様を検討する。
結果と考察
全体を通して、研究初年度の調査として、先行研究を基盤とした現状把握と改善策の提案をした。
1)地域がん登録との整合性を考慮した標準登録様式改定案、新「進展度」を策定した。次期改定での精度向上が期待される。CSの翻訳により、来年度以降、登録負荷などの試験運用を実施する基礎を確立した。
2)実務者研修のカリキュラムを検討し、1)で検討したルールを反映させ、標準化を推進した。都道府県拠点病院の院内がん登録部会の標準化への活用事例の検討を行ない、取り組みの拡大の方向を確認した。
3)新院内がん登録システムの仕様が確定し、将来、全国データベースに直接登録するシステムへの可能性を開くと共に、診療科データベースもよい利便性の高いものとなった。
4)「他施設治療開始後の割合」「病期判明率」など4つの精度指標、あるいは膀胱癌の組織診断コードを検討し、妥当性を評価した。症例の重複割合について、異なる対象に対してかなり異なる結果が推定され、今後の検討が必要と考えられた。
結論
今年度は、各課題共に現況把握が主な研究成果となった。来年度以降、この成果をもとに、より具体化した形で施設での運用調査などを実施することが必要であり、試験運用的な研究を通じて、各施設における院内がん登録の精度向上を図る必要があろう。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019057Z