がんのリハビリテーションガイドライン作成のためのシステム構築に関する研究

文献情報

文献番号
201019055A
報告書区分
総括
研究課題名
がんのリハビリテーションガイドライン作成のためのシステム構築に関する研究
課題番号
H22-3次がん・一般-038
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
辻 哲也(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 生駒 一憲(北海道大学病院)
  • 水間 正澄(昭和大学 医学部)
  • 水落 和也(横浜市立大学 附属病院)
  • 佐浦 隆一(大阪医科大学 総合医学講座)
  • 村岡 香織 (西脇 香織)(済生会神奈川県病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.がんのリハビリテーション(以下リハ)に関するガイドライン(以下GL)を作成すること。

2.がんリハのあるべき姿、問題点、対策を検討するグランドデザインを作成するためのワーキンググループ(以下WG)を発足し、グランドデザインを作成すること。
研究方法
1.GLの作成
1)日本リハ医学会において、がんのリハGL策定委員会を新設し原発巣・治療法・病期別に、がんのリハに関するGLを作成し公開する。

2.グランドデザイン作成
1)がんのリハの関連学協会、厚労省委託がんのリハ研修委員会、国立がん研究センター等から推薦された委員によりWGを立ち上げる。
2)グランドデザインを作成し、普及・啓発の取り組みを実施する。
結果と考察
1.GL作成
クリニカルクエスチョン(CQ)を決定、MEDLINE、医学中央雑誌、Cochrane Library、PEDroにより検索を実施し文献を抽出した。
総論・評価:253論文抽出。GLは世界で9つ発表され有効性が検証されつつある。リハ効果が鋭敏に反映されるアセスメントツールは標準化されていない。
食道・肺・消化器・前立腺:周術期リハによる効果は不明確であった。今後は「がん」に限定せずに文献を検索する。
頭頚部:77論文抽出。エビデンスレベルの高い文献は少なかった。
乳腺・婦人科:246論文抽出。乳がんでは高い勧告グレードを得たが婦人科がんでは報告が少なかった。
骨軟部腫瘍・骨転移で:191論文を抽出。疼痛緩和・日常生活向上の効果が複数みられた。
脳腫瘍:77論文抽出。リハ介入の有効性を主張する論文は多いが、エビデンスレベルの高い報告は少なかった。
血液腫瘍:18論文抽出。血液腫瘍の運動療法の効果について高い勧告グレードが得られた。
進行・末期がん:127論文抽出。本分野の研究が盛んになっていることが示された。

2.グランドデザイン作成
WG班会議を開催し、グランドデザイン作成に向けてがんリハの様々な問題点やこれから解決すべき点について、ヒアリングを開始した。
結論
がんのリハGL策定委員会にてGL作成に向けて取り組みを進めている。本年度は論文抽出、エビデンステーブル作成まで計画どおり実施した。来年度は勧告グレードの決定、GLの原案作成まで行ない公開の準備に当たる。
グランドデザインの作成に関しては、がんのリハ関連団体から委員の推薦を募り、WG会議を開催した。来年度はグランドデザインを作成し、各関連学会や団体が連携して全国へ情報発信していく。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019055Z