独自m-CRAベクターによる癌幹細胞の同定・標的治療技術の開発と革新的な遺伝子治療の実現

文献情報

文献番号
201019049A
報告書区分
総括
研究課題名
独自m-CRAベクターによる癌幹細胞の同定・標的治療技術の開発と革新的な遺伝子治療の実現
課題番号
H22-3次がん・一般-032
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小戝 健一郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学)
研究分担者(所属機関)
  • 三井 薫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野)
  • 前薗 理恵(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野)
  • 小宮 節郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野)
  • 瀬戸口 啓夫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野)
  • 坂本 泰二(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 眼科学分野)
  • 隅田 泰生(鹿児島大学大学院理工学研究科 生体適合材料工学分野)
  • 國貞 隆弘(岐阜大学大学院医学系研究科 組織器官形成分野)
  • 近藤 亨(愛媛大学プロテオ医学研究センター 幹細胞分化制御部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 独自開発の「多因子での癌特異的増殖制御型アデノウイルス」(m-CRA)技術を基盤に、癌幹細胞を標的治療とするm-CRAを開発する。個別の目的は以下である。
1. Surv.m-CRAの臨床化実現
2. m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発
3. 「癌幹細胞の悪性化除去」の新規遺伝子治療法戦略の開発
4. 癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発
研究方法
1. Surv.m-CRAの臨床応用への準備
2. m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発
(i)新規m-CRAの開発、(ⅱ)新規血管新生阻害因子の探索と応用、(ⅲ)癌幹細胞分離技術の開発、(ⅳ)糖鎖ナノテクノロジーによる新技術
3. 「癌幹細胞の悪性化除去する」遺伝子治療法の開発
4. 癌幹細胞を標的治療するm-CRAベクターの開発
結果と考察
1. 臨床化を目指しているSuvivin反応性m-CRA(Surv.m-CRA)は、癌幹細胞分画も効率よく治療できるという成果を、複数の癌幹細胞モデルで得た。
2. 新たな癌特異化機構に基づく新型m-CRAを開発した。
3. m-CRAに搭載する新たな血管新生阻害因子を見出した。
4. 癌幹細胞を標的する新規のm-CRA開発の基礎研究成果を得た。
5. Hedgehogシグナルの特異的阻害剤等によりヒト骨肉腫成長が阻害できること、骨肉腫では抗腫瘍薬投与後に転写因子EGR1が上昇し浸潤転移の抑制の、メカニズムを見出した。
6. グリオーマ幹細胞がマイトマイシンC等のDNA架橋剤によるDNAダメージに強い抵抗性を有していること、加えてこの抵抗性がPlagl1によることを明らかにした
7. 歯髄幹細胞(DPSC)から高率なiPS細胞の誘導法を様々開発に成功した。
8. 低分子量の硫酸化デキストランの糖鎖を固定化したナノ粒子を用いて、簡便かつ高効率のウイルスベクターの濃縮技術を開発した。
結論
我々が開発したSurv.m-CRAを始めとするm-CRA技術は、難治性の癌幹細胞を効率よく治療できることが明確となり、さらに標的治療する新たな技術への発展のために、基盤的な研究成果を上げた。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019049Z