がん治療のための革新的新技術の開発及び臨床応用に関する総合的な研究

文献情報

文献番号
201019042A
報告書区分
総括
研究課題名
がん治療のための革新的新技術の開発及び臨床応用に関する総合的な研究
課題番号
H22-3次がん・一般-025
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
木下 平(国立がん研究センター東病院)
研究分担者(所属機関)
  • 西條 長宏(近畿大学医学部)
  • 荻野 尚(国立がん研究センター東病院 臨床開発センター)
  • 角 美奈子(国立がん研究センター中央病院)
  • 渡辺 俊一(国立がん研究センター中央病院)
  • 伊関  洋(東京女子医科大学先端生命医科学研究所)
  • 佐野  武(癌研有明病院)
  • 藤元 博行(国立がん研究センター中央病院)
  • 森谷 宜皓(国立がん研究センター中央病院)
  • 中面 哲也(国立がん研究センター東病院 臨床開発センター)
  • 平家 勇司(国立がん研究センター中央病院)
  • 藤原 俊義(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 杉山 治夫(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 永田  靖(広島大学病院医歯薬学総合研究科)
  • 高橋 進一郎(国立がん研究センター東病院)
  • 大津  敦(国立がん研究センター東病院 臨床開発センター)
  • 矢野 友規(国立がん研究センター東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
80,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
革新的な診断、治療法の開発により、治療成績のさらなる向上を目指すことを目的とする。
研究方法
個別化治療を目的とした遺伝子変異の、感度、特異度の高い検査法を開発する。細胞療法、ペプチドワクチンに関しては効果を実証するため、種々のphaseの臨床試験を行う。腹腔洗浄液にがん特異的GFP蛍光発現アデノウイルスであるテロメスキャンを感染させ、がん細胞の可視化について検討する。陽子線を含む放射線治療では精度管理法、更なる高精度照射法を開発する。様々な方法を用いた脳腫瘍の精密誘導手術を開発する。再発直腸がん、膵頭十二指腸切除の安全かつ合理的な手術法、術後管理法を、早期胃がん、前立腺がんの機能温存治療法を検討する。手術適応のない肺腫瘍患者に対するラジオ波凝固法の安全性、効果につきprospectiveな症例集積で検討する。食道がんに対する新たな放射線化学療法の効果と安全性を検討する第II相試験を施行中。頭頸部表在癌に対する内視鏡的粘膜切除術に関しては現在も前向きに症例を集積中。
結果と考察
コロニーハイブリダイゼーション法によるEGFR遺伝子変異検出は有用と考えられた。ペプチドワクチン、細胞療法は臨床試験の症例を集積中。テロメスキャンにより、腹腔内遊離胃がん細胞の可視化が可能であった。切除不能肺悪性腫瘍に対するRFAは安全に施行可能であった。高精度の画像情報に基づく新たな治療計画による陽子線、放射線治療は、有害事象、コスト削減に有効であった。脳腫瘍の精密誘導手術技術として、PDD/PDT用の3次元ハイビジョンビデオ顕微鏡を開発、蛍光検出下でのマイクロ操作を可能にし、5-ALAとレザフィリンにて臨床応用のための医師主導治験を開始。骨盤壁固定浸潤再発癌に対する仙骨合併骨盤内臓全摘術の安全な手術適応を確立。膵頭十二指腸切除術後安全かつ効率的なドレーン抜去基準を作成した。非イオン造影剤をトレーサーとしたCT lymphographyにより、リンパ流域およびセンチネルリンパ節の同定が可能であった。
食道癌に対するTS-1+シスプラチン+放射線照射同時併用の第I/II相試験は安全に症例集積中。NBIを用いたスクリーニングで指摘された頭頸部表在癌に対するERは安全に施行可能で、予後も良好であった。前立腺全摘術に際し重要な静脈叢のMRIによる描出により、従来の概念が不正確であることが判明。拡散強調画像により勃起神経温存手術の選択に貴重な情報を提供できることが判明した。
結論
各研究ともにほぼ計画通りに進捗している。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-01-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019042Z