患者・家族・国民の視点に立った自立支援型がん情報の普及のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201019017A
報告書区分
総括
研究課題名
患者・家族・国民の視点に立った自立支援型がん情報の普及のあり方に関する研究
課題番号
H21-3次がん・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 清高(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 的場元弘(国立がん研究センター中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科)
  • 八巻知香子(国立がん研究センターがん対策情報センター・がん情報・統計部・健康社会学)
  • 朝戸裕二(茨城県立中央病院・茨城地域がんセンター・呼吸器外科)
  • 谷水正人(四国がんセンター・統括診療部、臨床研究部)
  • 田城孝雄(順天堂大学・公衆衛生学)
  • 高田由香(静岡県立静岡がんセンター・疾病管理センター)
  • 清水秀昭(栃木県立がんセンター・食道外科)
  • 辻 晃仁(高知医療センター・腫瘍内科)
  • 増田昌人(琉球大学医学部附属がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
36,960,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、特に国民の不足感が強いがん医療に関して、病気や治療に対する患者自身の理解を助けることに加え、刻一刻と生じる不安や疑問に対して自発的に対応できるための意志決定と自立支援に関わる情報提供等を行うことにより、日本全国のがん患者に質の高いがん医療を普及させるために必要な情報普及のあり方を提言することである。
研究方法
昨年度実施した試験配布の結果を踏まえ、「普及・活用支援ツール」として、信頼できるがん情報の認知、活用を促すためのポスター、ちらし、動画等の作成する際の基礎資料とし、成果物としてこれらのツールとともに作成した。また、普及計画について、地域情報の収集と情報提供体制の現状把握を行い、今後の普及における課題を抽出、目標設定のあり方、目標に応じた事業展開のシミュレーションと実現可能性について調査検討を行い、必要な実行計画を立案した。
結果と考察
パイロット試験配布の分析結果および関わった研究協力者と、患者・市民の視点からの参加により、企画検討、構成案、内容チェックを経て、ポスター・ちらし・動画からなる普及・活用支援ツールを制作した。企画検討段階から患者・家族・専門家の視点を幅広く取り入れることで、コンテンツの制作、普及や活用に向けた提案を含めたさまざまな意見を反映することができた。今後の普及段階、各サイトでのパイロット実施に向け、有用なモデルケースになると考えられた。アクセスや支援の環境が保証されたうえで、自らのニーズに基づき、信頼できるわかりやすい内容の自立支援型情報を活用することができれば、主体的な治療や療養生活の方針決定や納得につながると考えられた。今年度の普及・活用支援に向けたコンテンツ開発と利用の提案は、今後のパイロットサイトの増加および情報処方プロセスの最適化に向けたより強固なエビデンスを得る協力基盤の構築につなげることができると考えている。
結論
患者・家族・国民の視点を取り入れたがん情報を整備、普及させることにより、患者や家族ががん治療や療養に対する理解を深め、より自発的に自らの治療方針を決定し実践していくにあたって有効に活用されることが期待される。視点の反映とは、作成プロセスのみならず、媒体や提供方法といった普及プロセスにも利用者の視点を踏まえた立案を行うことであることが、特に今年度進捗のあった「普及・活用ツール」の作成検討過程において明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2015-10-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019017Z