文献情報
文献番号
                      201019006A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      ヒトT細胞白血病ウイルス1型関連疾患における感受性遺伝子多型の同定と発症危険群へのアプローチ
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      H21-3次がん・一般-004
                  研究年度
                      平成22(2010)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      松岡 雅雄(京都大学ウイルス研究所 附属ヒトレトロウイルス研究施設ウイルス制御研究領域)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 松田 文彦(京都大学医学研究科 附属ゲノム医学センター)
 - 齊藤 峰輝(琉球大学医学部 )
 - 野坂 生郷(熊本大学大学院 医学薬学研究部)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
                  研究開始年度
                      平成21(2009)年度
                  研究終了予定年度
                      平成23(2011)年度
                  研究費
                      30,000,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            本研究ではATLおよびHAM発症に関与する遺伝子多型を解析し発症危険群を同定し予防法を確立することを目的としている。
      研究方法
            1)これまで全ゲノム関連解析を行ったデータを解析し有意差の得られたSNPに関してサンプルを更に集め再現性の検証を行う。
2)同定されたSNPから疾患発症に関連する遺伝子型を決定した後、連鎖不平衡地図ならびにハプロタイプ地図を作成し、相関解析、ハプロタイプ解析を実施して最も信頼性の高い遺伝子座を明らかにする。
3)関連する遺伝子多型の疾患発症への関与を解析する。
      2)同定されたSNPから疾患発症に関連する遺伝子型を決定した後、連鎖不平衡地図ならびにハプロタイプ地図を作成し、相関解析、ハプロタイプ解析を実施して最も信頼性の高い遺伝子座を明らかにする。
3)関連する遺伝子多型の疾患発症への関与を解析する。
結果と考察
            結果
1)全ゲノムジェノタイピング
ATL,HAM症例、キャリアサンプルの収集を継続し、解析数を増やしている。我々は熊本で収集されたATL患者258検体と無症候性感染者182検体 (Set1)、鹿児島で収集されたHAM患者296検体と無症候性感染者100検体 (Set2)のGWASを行った。タイピング結果およびサンプルの品質管理後、最終的にATL患者238検体と無症候性感染者165検体 (Set1)、HAM患者278検体と無症候性感染者97検体 (Set2)を統計解析した。患者と対照群の間で、アリル頻度、ジェノタイプ分布を考慮に入れた統計解析を行い、患者集団内での頻度が統計学的有意に達するSNPがあるか検討した。
2)二次スクリーニング(再現性の検証)
有意差の得られたSNPsについては、それを含むハプロタイプの頻度に差があるか否かを検討し、その結果Set1に関しては有意なSNPが29個、Set2に関しては52個得られた。一次スクリーニングで得られた結果の再現性を確認するため、候補SNPsについて新たな検体を用いて二次スクリーニングを行う(Taqman法)。
考察
HTLV-1によって起こるATLとHAMは家族内発症が多いことが、疾患発見当初から報告されていた。この臨床的観察は両疾患の発症に遺伝的なバックグラウンドが重要な役割を担っていることを示している。今回の研究では既に500例以上のATLサンプル、300検体のHAMサンプルを集めている。今年度の解析で既に疾患感受性遺伝子候補を同定できた。これらの多型は、疾患感受性遺伝子の候補となるものであるが、独立した集団の検体を用いた再現性検証が必須である。
      1)全ゲノムジェノタイピング
ATL,HAM症例、キャリアサンプルの収集を継続し、解析数を増やしている。我々は熊本で収集されたATL患者258検体と無症候性感染者182検体 (Set1)、鹿児島で収集されたHAM患者296検体と無症候性感染者100検体 (Set2)のGWASを行った。タイピング結果およびサンプルの品質管理後、最終的にATL患者238検体と無症候性感染者165検体 (Set1)、HAM患者278検体と無症候性感染者97検体 (Set2)を統計解析した。患者と対照群の間で、アリル頻度、ジェノタイプ分布を考慮に入れた統計解析を行い、患者集団内での頻度が統計学的有意に達するSNPがあるか検討した。
2)二次スクリーニング(再現性の検証)
有意差の得られたSNPsについては、それを含むハプロタイプの頻度に差があるか否かを検討し、その結果Set1に関しては有意なSNPが29個、Set2に関しては52個得られた。一次スクリーニングで得られた結果の再現性を確認するため、候補SNPsについて新たな検体を用いて二次スクリーニングを行う(Taqman法)。
考察
HTLV-1によって起こるATLとHAMは家族内発症が多いことが、疾患発見当初から報告されていた。この臨床的観察は両疾患の発症に遺伝的なバックグラウンドが重要な役割を担っていることを示している。今回の研究では既に500例以上のATLサンプル、300検体のHAMサンプルを集めている。今年度の解析で既に疾患感受性遺伝子候補を同定できた。これらの多型は、疾患感受性遺伝子の候補となるものであるが、独立した集団の検体を用いた再現性検証が必須である。
結論
            今年度の解析でATL、HAMの疾患感受性と関連するゲノム上の多型の候補を複数個同定した。
      公開日・更新日
公開日
          2015-10-05
        更新日
          -