生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201019005A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究
課題番号
H21-3次がん・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
津金 昌一郎(独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 辻一郎(東北大学大学院医学系研究科)
  • 玉腰暁子(愛知医科大学医学部)
  • 若井建志(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 永田知里(岐阜大学大学院医学系研究科)
  • 溝上哲也(国立国際医療センター研究所国際保健医療研究部)
  • 田中恵太郎(佐賀大学医学部社会医学講座)
  • 伊藤秀美(愛知県がんセンター研究所疫学予防)
  • 笹月静(独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
68,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人ががんを予防するために行うべき適切な生活習慣をエビデンスに基づいて提示すると同時に、実践に結びつけるための具体的方法及び行動変容支援のためのツールを開発し、わが国のがん罹患率の減少を目指す。
研究方法
日本人を対象とした疫学研究から栄養素(葉酸)・穀類、牛乳・乳製品、肉、魚、食パターンと全がん、部位別がんについて得られたエビデンスを整理・評価し、さらに、現行の疫学研究集団を用いて、BMIと大腸がんについてのプーリング解析を行い、日本人ががんを予防するために行うべき最も効率的かつ効果的な生活習慣を、がん全体及び部位別に提示した。
結果と考察
米と胃がんについてpossibleな関連と判定したが、その他については、判定するには証拠が不十分であった(保存肉と大腸がんはすでにpossibleと判定済み)。また、喫煙・飲酒・BMIと子宮頚・子宮体部・卵巣のがんとの関連を同様に評価したところ、でそれぞれ喫煙はconvincing, insufficient, insufficient、飲酒はいずれもinsufficient、BMIはinsufficient, possible, insufficient との評価であった。さらに、受動喫煙、心理社会要因、糖尿病、メタボリックシンドローム、およびGroup1発がん要因(IARC)についてもエビデンスを整理した。また、大腸がんとBMIのプーリング解析においては、男女とも傾向有意を示し、25-26.9, 27-29.9、30以上の群は有意な関連を示した。BMI25以上の寄与危険度割合は男性では3.62%、女性では2.62%であった。生活習慣改善をエンドポイントとした介入研究や基礎的検討および個別研究を行った。web上での複数項目への回答により10年間でがんおよび循環器疾患を発症するリスクを算出するツールを開発し、運用を開始した。
結論
米と胃がんについてpossibleな関連と判定したが、その他については、判定するには証拠が不十分であった(保存肉と大腸がんはすでにpossibleと判定済み)。また、喫煙・飲酒・BMIと子宮頚・子宮体部・卵巣のがんでそれぞれ喫煙はconvincing, insufficient, insufficient、飲酒はいずれも insufficient、BMIはinsufficient, possible, insufficient との評価であった。

公開日・更新日

公開日
2015-10-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019005Z