文献情報
文献番号
201019004A
報告書区分
総括
研究課題名
成人T細胞白血病のがん幹細胞の同定とそれを標的とした革新的予防・診断・治療法の確立
課題番号
H21-3次がん・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡邉 俊樹(東京大学 大学院 新領域創成科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 中内 啓光(東京大学 医科学研究所)
- 浜口 功(国立感染症研究所)
- 長谷川 秀樹(国立感染症研究所)
- 小川 誠司(東京大学 医学部附属病院)
- 塚崎 邦弘(長崎大学 大学院 医歯薬学総合研究科)
- 内丸 薫(東京大学 医科学研究所)
- 宇都宮 與(今村病院分院)
- 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
33,104,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究課題は、ATLのがん幹細胞様細胞(CSC)を同定して、その分子細胞生物学的な特性を明らかにし、新規治療法や早期診断・発症予防法の開発を目指すものである。
研究方法
1)患者ATL細胞を用いたNOJマウスでの連続移植系の確立、2)HTLV-1 Tax-TgマウスのATL様がん幹細胞集団(mATL-CSC)の遺伝子発現プロファイル解析、3)マウスATL様がん幹細胞の発生メカニズムの解析、4)mATL-CSCに特異的に発現する分子の質量分析計による定量的解析、5)ATL細胞のゲノム異常解析データに基づくTCR系の分子の変異解析、6)JSPFADへの患者およびHTLV-1キャリア検体登録の継続、7)ATLの臨床および分子病態の解析
結果と考察
1)CD4CCR4陽性細胞分画による連続継代系が確立し、網羅的な細胞表面マーカー解析とSP解析によるがん幹細胞の同定作業を進めている。2)mATL-CSCの発現プロファイルを明らかにした。3)Tax-Tgマウスの生後早期から各種臓器にmATL-CSC様細胞集団が存在し、特に骨髄において高い割合を示した。4)mATL-CSCで高発現する細胞接着膜タンパク質を同定した。5)TCR経路のある分子に変異を同定した。6および7)indolent ATLの多数例で長期予後を解析し、全身抗がん剤療法の開始時期はほぼ均一で急性転化した時期に一致し、その後の予後は不良である事を明らかにし、新規治療法の開発はindolent ATLの時期からの検討を要する事を示した。
結論
本年度の成果から、ATLがん幹細胞同定の作業が可能になった。マウスの系で得られた知見との比較検討を通じて、次年度以降は、ヒトATL幹細胞の細胞および分子レベルでの特徴を明らかにする。
8)追加交付課題:「HTLV-1総合対策」(平成22年12月20日HTLV-1特命チーム決定)に基づき、HTLV-1キャリアやATL、HAM患者に対する相談体制の構築に向けて、他の研究班との協同で対応する事が求められた。そのため、下記の課題を遂行した。①国内のHTLV-1キャリア相談窓口の実態と機能に関する調査、②HAM患者相談窓口との協調と連携整備、③セカンドオピニオン窓口の整備と連携を目指した調査、④「ATL患者およびATL患者家族向け」のパンフレットの整備。
8)追加交付課題:「HTLV-1総合対策」(平成22年12月20日HTLV-1特命チーム決定)に基づき、HTLV-1キャリアやATL、HAM患者に対する相談体制の構築に向けて、他の研究班との協同で対応する事が求められた。そのため、下記の課題を遂行した。①国内のHTLV-1キャリア相談窓口の実態と機能に関する調査、②HAM患者相談窓口との協調と連携整備、③セカンドオピニオン窓口の整備と連携を目指した調査、④「ATL患者およびATL患者家族向け」のパンフレットの整備。
公開日・更新日
公開日
2015-10-05
更新日
-