本邦における先天異常モニタリングによる先天異常発生要因の分析とその対応に関する研究

文献情報

文献番号
201018025A
報告書区分
総括
研究課題名
本邦における先天異常モニタリングによる先天異常発生要因の分析とその対応に関する研究
課題番号
H22-次世代・指定-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
平原 史樹(横浜市立大学 医学研究科 生殖生育病態医学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究要旨:本調査解析研究は,本邦における全国規模,各地域におけるすべての先天異常モニタリングデータを集計する本邦唯一の先天異常モニタリング調査解析である.WHO関連機構である国際先天異常監視研究機構(ICBDSR=International Clearinghouse for Birth Defects Surveillans and Research)の加盟機関して先天異常モニタリングデータを集計解析し,誘因となる環境因子,有害因子を常時継時的に定点監視し,何らかの変動を早期に感知して、その変動を分析するシステム(先天異常モニタリング・サーベイランスシステム)は母児の健康保護,健康政策上今後もきわめて重要である.
さらに,葉酸による神経管閉鎖障害の発生リスク低減への情報提供の課題,問題点を検討した。
研究方法
本研究ではこの先天異常発生要因の存在を全国レベルで疫学的観点から解析検討し,WHO関連機構である国際先天異常監視研究機構との連携の下,分析を行った.また2000年12月に厚生省より通知された葉酸による神経管閉鎖障害の発生リスク低減への情報提供に基づいた本邦における一般女性の葉酸摂取状況.さらにはその影響を及ぼすと推定される神経管閉鎖障害発生動向等の検討をあわせおこないその課題,問題点を抽出した。
結果と考察
いずれのモニタリング集計においても先天異常児出産頻度は2%弱であり、心室中隔欠損が最も多く、ついで口唇・口蓋裂、ダウン症、水頭症などが高頻度発生異常であった。また妊娠女性に向けた葉酸摂取推奨に関する認識度は徐々に改善されてきているものの,経産女性においては,認知度が高いにもかかわらず,妊娠時に葉酸を摂取する率は初産女性に比してむしろ低いことが判明し,さらなる情報伝達,実施浸透への検討が必要と考えられた。

重要な結果として現時点では特段の先天異常発生要因の検出結果は得られていない.
結論
本年度調査からは本邦における新たな特段の先天異常発生要因の検出結果は得られていない. また,葉酸摂取に関する認識度は改善しつつあるものの,経産女性においては,認知度が高いにもかかわらず,妊娠時に葉酸を摂取する率は初産女性に比してむしろ低く,さらなる情報伝達方法の検討が必要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-09-14
更新日
-

収支報告書

文献番号
201018025Z