「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」における訪問拒否等対応困難事例への支援体制に関する研究

文献情報

文献番号
201018024A
報告書区分
総括
研究課題名
「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」における訪問拒否等対応困難事例への支援体制に関する研究
課題番号
H22-次世代・一般-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
益邑 千草(社会福祉法人 恩賜財団 母子愛育会 日本子ども家庭総合研究所 母子保健研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 敬(大正大学人間学部)
  • 吉田弘道(専修大学人間科学部)
  • 三橋美和(京都府立医科大学医学部)
  • 堤ちはる(日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,621,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳児家庭全戸訪問事業における訪問拒否等対応困難事例への対応のあり方を検討し、困難事例への支援体制の整備を図る。
対応困難事例は児童虐待のリスクの高い家庭を含む可能性が高い。
厚労省の本事業のガイドラインでは、訪問の同意が得られない場合「ケース対応会議における支援の必要性についての判断等に基づき適切な対応を図る」。訪問できないまま見守る例で積極的な対応をとる時期の判断は難しい。より詳細なガイドラインが求められる。
研究方法
各研究者が専門領域から問題点を分析し、訪問拒否等対応困難事例への対応に関するガイドラインの作成を班として行う。
1年目:全市区町村に質問紙調査を実施。選定した自治体の事業担当者・訪問担当者への聞取り調査を実施。
2年目:対応困難事例への対応に関する詳細なガイドラインを作成。
3年目:一定の地域でガイドラインを適用し具体的な実施方法を検討。
結果と考察
1)本事業の実施状況の全国調査
回収数1239、回収率70.5%。事業実施の自治体1090、実施率88.0%。22年度実績で、訪問拒否等専門職でも対応困難な事例は763(70.0%)の自治体が回答。訪問実件数100件当り0の自治体が659(86.4%)。1以下は80(10.5%)。16という答もあった。対応に苦慮する点は連絡が取れない段階から、明白な面接拒絶まで幅がある。
対応困難な状態に至る前に一定の関係を築くことの重要性を多くの自治体が指摘した。妊娠期から継続支援の開始、転入者を含め対象者の全数把握、住民票がない人や里帰りへの対応等、訪問前の取組みが重要である。
訪問の実施では訪問員が専門職か否かによる役割分担の検証、訪問後の支援の必要性の判断基準、対応の適切さの評価システム、ケース対応会議のあり方等が重要である。
2)分担研究
・面接調査による乳児全戸訪問事業の展開方法と訪問拒否例への対応:4自治体への面接調査による予備調査(分担者:中村敬)   
・家庭訪問時に確認する内容を中心に:親と子の心理面への援助の観点から(吉田弘道)
・乳児家庭全戸訪問事業の訪問者に関する研究(三橋美和、協力者:堀井節子)
・乳児家庭全戸訪問事業の果たす食生活支援に関する研究(堤ちはる)
・乳児家庭全戸訪問事業の愛称およびキャッチフレーズ等による事業周知についての分析(協力者:齋藤幸子)
結論
全国調査等の結果から多くの基礎資料が得られた。これをさらに分析し厚労省のガイドラインの内容を充実させ実効性のあるものとする解説をまとめたい。

公開日・更新日

公開日
2012-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201018024Z