タンデムマス導入による新生児マススクリーニング体制の整備と質的向上に関する研究

文献情報

文献番号
201018019A
報告書区分
総括
研究課題名
タンデムマス導入による新生児マススクリーニング体制の整備と質的向上に関する研究
課題番号
H22-次世代・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山口 清次(国立大学法人島根大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 重松 陽介(福井大学 医学部)
  • 松原 洋一(東北大学大学院医学系研究科)
  • 大浦 敏博(東北大学大学院医学系研究科)
  • 宮崎 徹(東京大学大学院医学系研究科)
  • 原田 正平(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所)
  • 大日 康史(国立感染症研究所)
  • 平原 史樹(横浜市立大学医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
14,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 タンデムマスを導入した新生児マススクリーニングの効果を高めるために、必要な体制整備をはかる。またマススクリーニングで発見された患者家族のQOL向上をはかるために情報交換の場を作るとともに、新しい診断、治療技術を開発する。
研究方法
 新生児のパイロット研究を進めながら、タンデムマス対象疾患の自然歴を調査し、また診療支援体制、確定診断体制、コンサルタントネットワーク構築を検討した。費用対効果の検討、効果的な検査施設の適正配置の提言などを通じて、効果的な体制を作る。患者家族のQOL向上のため情報発信、医療機関を含む一般社会に向けた啓発活動、および新しい治療法の開発を進める。
結果と考察
1)発症後に診断された症例は、発症前に発見された症例に比べ予後が悪いこと、スクリーニング結果の出る前に発症する症例があり得ることが分かった。ケースによってスクリーニング結果の説明には注意を必要とすると考えられる。
2)これまで127万人の検査をして140名(9千人に1人)の患者を発見した。欧米では約5千人に1人である。その原因が民族差だけかどうか検討する必要がある。
3)確定診断のためのGC/MS分析、酵素・遺伝子診断のできる施設を調査した。継続的にサービスを提供するためには公的支援等が必要と考えられる。
4)タンデムマス対象疾患を中心とした一般向けのガイドブックを作成した。さらに医療スタッフ、検査スタッフ、行政関係者等に対する啓発活動が必要である。
5)タンデムマス検査が全国実施されている欧米諸国の状況を調査したところ、集約化が進められていることがわかった。
6)ナノ・ミセルベクターを応用した遺伝子導入による新規治療法の開発を進めた。最適条件を決めたので、次に病因遺伝子導入を進める。
7)新生児スクリーニングのコンサルタント医師がいる自治体は44%のみであることがわかった。稀少疾患のコンサルタント体制構築が必要である。
8)産婦人科医師も含めタンデムマスに対する認知度は十分でないことが分かった。一般社会を含め新生児マススクリーニングの意義について啓発する必要がある。
結論
 タンデムマス導入を機にわが国の新生児マススクリーニング体制の立て直しの作業をはじめたところである。引き続き、社会啓発も含めて発展させる必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-09-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201018019Z