ライフスタイルの変化に伴う妊娠希望時の妊孕性減弱に対する病態解明、新規診断法と治療法開発のための研究

文献情報

文献番号
201018012A
報告書区分
総括
研究課題名
ライフスタイルの変化に伴う妊娠希望時の妊孕性減弱に対する病態解明、新規診断法と治療法開発のための研究
課題番号
H21-子ども・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
齊藤 英和(独立行政法人国立成育医療研究センター 病院 母性医療診療部 不妊診療科)
研究分担者(所属機関)
  • 苛原 稔(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 小林 浩(奈良県立医科大学 婦人科腫瘍学)
  • 末岡 浩(慶應義塾大学 産婦人科学)
  • 楢原 久司(大分大学医学部 産科婦人科)
  • 大須賀 穣(東京大学医学部 産科婦人科学)
  • 藤井 順逸(山形大学大学院 医学系研究科)
  • 阿久津 英憲(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所 )
  • 宮戸 健二(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所 )
  • 岡村 匡史(独立行政法人国立国際医療研究センター 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ライフスタイルの変化により挙児希望年齢が高齢化するために起こる妊孕性減弱に対し科学的裏付けのあるエビデンスを獲得するとともに、新しい診断法・治療法を開発し生殖医療の質の向上を目的とする。
研究方法
挙児希望年齢が高齢化することで引き起こされる不妊の病態・原因は多種存在するため、病態を解明し治療法を開発するには多面的に研究する必要性があり、分担して研究を進めている。
結果と考察
・GSTT1の発現はp38MAPKの活性化および細胞内局在とよく相関しており、p38MAPKが細胞質内に局在して強く活性化するとき、GSTT1が発現亢進していることが明らかとなった。
・PCOS症例に低刺激排卵誘発を行い、排卵率は70%、周期あたり妊娠率は10%、流産率は25%であった。
・子宮内膜症に特異的に発現している遺伝子HNF-1beta遺伝子をノックダウンすると細胞増殖が抑制される事が判明した。
・mtDNAコピー数について40歳未満群に比較し、40歳以上群では胚および顆粒膜細胞について有意な差は認めなかったが、減少傾向を示した。
・HDAC inhibitorであるバルプロ酸、SAHA、アピシジンが子宮内膜症性嚢胞間質細胞の細胞増殖抑制、細胞周期の停止、apoptosisへの誘導に関与している可能性が示唆された。
・TGFβはESCのPAR2発現を促進し、proteinaseによるIL-6産生を増強することにより子宮内膜症を進展させることが示唆された。
・体外成熟した卵子の受精能ならびに発生能は、内因性に増加した活性酸素により著しく低下した。
・加齢ES細胞で細胞接着及び細胞外基質に関連する遺伝子発現の低下が認められた。また、Pcdhb20、Spon2、Pcdhb6遺伝子発現量が加齢ES細胞で有意に低下していることが確認された。
・ヒトを含めた哺乳動物の精子と卵子の膜融合には微小管によるCD9の機能制御が重要である。
・精子先体膜に体細胞型ACE(sACE)と精巣型ACE(tACE)も発現しており、ACE2ノックアウトマウスでは、精子-卵透明帯結合能ならびに精子先体反応、卵透明帯通過能が亢進していた。
結論
ライフスタイルの変化に伴う妊孕性減弱に対する、診断治療に係わる種々の物質の存在していることが判明し、またその変動・機能についての研究が順調に進んでいる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-16
更新日
-

収支報告書

文献番号
201018012Z