文献情報
文献番号
201018001A
報告書区分
総括
研究課題名
重症新生児に対する療養・療育環境の拡充に関する総合研究
課題番号
H20-子ども・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
田村 正徳(埼玉医科大学 総合医療センター小児科)
研究分担者(所属機関)
- 楠田 聡(東京女子医科大学母子総合医療センター)
- 茨 聡(鹿児島市立病院)
- 板橋 家頭夫(昭和大学医学部)
- 杉本 健郎(すぎもとボーンクリニーク)
- 前田 浩利(医療法人千葉健愛会あおぞら診療所新松戸)
- 飯田 浩一(大分県立病院)
- 岩崎 裕治(都立東部療育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
コーディネーターを介して、地域小児救急中核病院が在宅医療指導と増悪時の一時的緊急入院を分担し,病状が落ち着けば療育施設へ移動し,さらに安定すれば在宅医療へ移行し,respiteに施設短期入所を活用する循環型の支援システムモデルを提言する
研究方法
A.アンケート調査;1)新生児医療連絡会206NICUの長期入院児の動態 2) 194重心施設の入所児(家族)の抱える課題 3) 千葉県在住の就学前後の重症児の家族
B.熊本・松山・長岡のgood practiceの現地調査
C.在宅医療への移行を促進するための各種ガイドライン類の作成
D.在宅移行支援策情報提供・収集・交換のツールとしてのウェブサイトの運用
B.熊本・松山・長岡のgood practiceの現地調査
C.在宅医療への移行を促進するための各種ガイドライン類の作成
D.在宅移行支援策情報提供・収集・交換のツールとしてのウェブサイトの運用
結果と考察
A.1)全国の長期入院児の発生数は2003-2009年出生児で、NICU1000床当たり約85例、年間の発生数は約200例、出生1万人当り約2例の発生率で、調査時点での新生児医療施設の長期入院児の入院率は、NICU病床の2.34%、GCUの3.01%といずれも昨年度調査より減少。2) 現状では家族への施設移行時の説明が不足であり、在宅支援として、短期入所、訪問看護、訪問診療などが必要。3) 在宅診療支援診療所による支援を受けている児は受けていない児より、訪問看護とヘルパーを積極的に活用していた。
B.成功の条件は、i)人や施設の関係性が強い。ii)連携の歴史がある。iii)施設長の強いリーダーシップ。
C.NICUスタッフの長期入院児の退院に向けた意識付けガイドライン・栄養管理マニュアル・地域連携の情報共有に必要な連携手帳・乳幼児在宅医療支援マニュアルを完成した。
D.本研究班の各種マニュアルの等を含めて、乳幼児在宅医療を支援するための各種の情報提供・収集・交換の場をとして会員制のウェブサイトを運営できた。
B.成功の条件は、i)人や施設の関係性が強い。ii)連携の歴史がある。iii)施設長の強いリーダーシップ。
C.NICUスタッフの長期入院児の退院に向けた意識付けガイドライン・栄養管理マニュアル・地域連携の情報共有に必要な連携手帳・乳幼児在宅医療支援マニュアルを完成した。
D.本研究班の各種マニュアルの等を含めて、乳幼児在宅医療を支援するための各種の情報提供・収集・交換の場をとして会員制のウェブサイトを運営できた。
結論
“NICU長期入院児“が社会問題化し、当研究班で提言している「NICUスタッフや家族の意識付けガイドライン」や「DICUや慢性呼吸管理病床の整備」などの施設単位での努力に「NICUコーディネーター」を含む種々の行政側の支援策が功を奏して小児科側病棟への受入れ協力が進んだ結果長期入院児の入院率は減少した。しかし人工呼吸管理を要する状態で1年以内に新生児管理を受けた医療機関を退院する児は2009年出生児は2006年出生児の2倍以上と増加しており、より重症の患児がNICUから小児科病棟か在宅医療に転出している。今後は新生児医療施設での長期入院対策とともに退院後の支援体制を検証し、本人の病状・発達段階と家族のライフサイクルに合わせた継続的な支援体制構築が課題である。
公開日・更新日
公開日
2011-09-14
更新日
-