疾患別患者背景及び処方・診療実態データーベースの構築に関する研究

文献情報

文献番号
201016001A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患別患者背景及び処方・診療実態データーベースの構築に関する研究
課題番号
H20-臨床疫学・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
永井 良三(東京大学医学部附属病院 循環器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 磯部 光章(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科循環制御学)
  • 岩田 洋(東京大学医学部附属病院 循環器内科 )
  • 興梠 貴英(東京大学大学院医学系研究科健康医科学創造講座)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部附属病院UMINセンター)
  • 石川 洋一(国立成育医療研究センター薬剤部)
  • 大津 洋(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学)
  • 小出 大介(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学研究システム学)
  • 原 量宏(香川大学瀬戸内圏研究センター/ 徳島文理大学理工学部臨床工学科)
  • 古川 裕之(山口大学大学院医学系研究科/医学部附属病院薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床疫学基盤整備研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では日常臨床現場のデータを蓄積し、臨床疫学データベース基盤を構築すること、それを複数施設で行い多施設臨床疫学データベースを構築すること、そこから新たな知見を抽出するツールを開発し、新たな知見を得ることを目的としている。
さらにCDSIC標準については海外を中心とした臨床試験の電子化に関する調査研究等を実施することによって、CDISC標準の策定状況、臨床研究電子化の現状と今後の動向を把握・考察すること、及び実際に機能実装し、運用することによって日本における臨床研究電子化に役立てることを目的とした。
研究方法
複数施設へのカテーテルレポートシステムの展開とデータ収集基盤を整備した。また、データ抽出ツールに機能を追加した。臨床研究についてはさらに多くのテーマで行った。従来培ってきたノウハウを元に眼科疾患に関する臨床データベースの構築を試みた。CDISCについては海外調査を含めた調査を行い、必要な情報の収集・交換を行った。更に、循環器臨床疫学データベースシステム上に、CDISC ODMによるEDCクライアントを開発して、システムの試験実装を試みた。
結果と考察
日本赤十字社医療センターにおいてカテレポシステムを稼働させることに成功した。またDPC病名および臨床検査値、処方データについても取得する仕組みを構築した。さらに群馬大学、東海大学においても導入を行うことで同意が得られ、データの収集を行った。収集したデータを比較したところ、施設間で用いているステントに大きな差があることが分かり、今後も継続して統合したデータを分析する必要があることが分かった。データ抽出ツールに機能追加を行うことにより、より厳格な治療を行うべき患者の抽出や再狭窄する数が多いステントを簡単に抽出することが可能となった。また加齢黄斑変性症データベースの構築を行った。調査の結果CDISC標準群の各仕様の改訂状況や実際の利用に関して最新の情報が得られた。また東大病院循環器内科にて構築されている臨床疫学データベースのデータをUMIN INDICEにアップロードすることを実現した。
結論
複数施設において同一フォーマットのデータが収集されるようになり、多施設臨床疫学データベースを構築することができた。また他領域における臨床疫学データベースの構築も重要である。CDISCについては全ての標準群に正式版が採用され、CDISC標準群を採用した臨床データ交換は今後も世界中で推進されてゆくものと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2011-08-15
更新日
-

文献情報

文献番号
201016001B
報告書区分
総合
研究課題名
疾患別患者背景及び処方・診療実態データーベースの構築に関する研究
課題番号
H20-臨床疫学・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
永井 良三(東京大学医学部附属病院 循環器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 磯部 光章(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科循環制御学)
  • 伊苅 裕二(東海大学医学部附属病院循環器内科)
  • 森野 禎浩(東海大学医学部附属病院循環器内科)
  • 倉林 正彦(群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学講座)
  • 池ノ内 浩(日本赤十字社医療センター循環器内科)
  • 真鍋 一郎(東京大学医学部附属病院 循環器内科 )
  • 岩田  洋(東京大学医学部附属病院 循環器内科 )
  • 興梠 貴英(東京大学大学院医学系研究科健康医科学創造講座)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部附属病院UMINセンター)
  • 石川 洋一(国立成育医療研究センター薬剤部)
  • 大津  洋(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学)
  • 小出 大介(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学研究システム学)
  • 原  量宏(香川大学瀬戸内圏研究センター/ 徳島文理大学理工学部臨床工学科)
  • 古川 裕之(山口大学大学院医学系研究科/医学部附属病院薬剤部)
  • 藤田 英雄(東京大学医学部附属病院 循環器内科 )
  • 安東 治郎(東京大学医学部附属病院 循環器内科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床疫学基盤整備研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では日常臨床現場のデータを蓄積し、臨床疫学データベース基盤を構築すること、それを複数施設で行い多施設臨床疫学データベースを構築すること、そこから新たな知見を抽出するツールを開発し、新たな知見を得ることを目的としている。
さらにCDSIC標準については海外を中心とした臨床試験の電子化に関する調査研究等を実施することによって、CDISC標準の策定状況、臨床研究電子化の現状と今後の動向を把握・考察すること、及び実際に機能実装し、運用することによって日本における臨床研究電子化に役立てることを目的とした。
研究方法
三年間を通じ、カテーテルレポートシステム(カテレポ)を中心とした臨床疫学データベースシステムの構築と他施設への展開、データ抽出ツールの開発を行い、それを用いた臨床研究を行った。眼科分野における臨床データベースの構築も試みた。CDISCについては海外調査を含めた調査を行い、必要な情報の収集・交換を行った。それを元に循環器臨床疫学データベースシステム上に、CDISC ODMによるEDCクライアントを開発して、システムの試験実装を試みた。
結果と考察
東京医科歯科大学、日本赤十字社医療センター、東海大学、群馬大学においてカテレポを導入した。ここから得られたデータを解析することで施設間の治療方法の多様性が分かった。データ抽出ツールによりさまざまな知見が簡単・迅速に抽出できるようになり、複数テーマで臨床研究を行うことができた。また加齢黄斑変性症データベースの構築を行った。CDISCについては調査の結果、CDISC標準群の各仕様の改訂状況や実際の利用に関して最新の情報が得られ、それを元にCDISC標準を用いて臨床疫学データベースのデータをUMIN INDICEにアップロードすることを実現した。
結論
複数施設において同一フォーマットのデータが収集されるようになり、多施設臨床疫学データベースおよび知見抽出ツールの構築を行うことおよびそれらに基づいた臨床研究を行うことができた。また他領域における臨床疫学データベースの構築も重要であることが分かった。CDISCについては全ての標準群に正式版が採用され、CDISC標準群を採用した臨床データ交換は今後も世界中で推進されてゆくものと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2011-08-15
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201016001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
400床以上の病院における電子カルテの導入率は2006年時点で24%にのぼっており、日常臨床データが日々蓄積される状況が整いつつあるが、このデータを二次活用してさまざまな知見を抽出する試みは進んでいるとは言い難い。電子カルテには必ずしも臨床研究を行うに必要な質のデータが蓄積されていないことが一因である。本研究においては電子カルテデータも活用しつつ独自のデータベースを構築することで臨床研究を含めた知見抽出の仕組みを構築できた。多くの施設において導入されれば全国的に臨床研究が促進されるだろう。
臨床的観点からの成果
本研究において構築した臨床疫学データベースのデータを解析することにより、心臓カテーテル治療(PCI)後の高齢者における肥満・やせとアウトカムとの関係、PCI後の再狭窄を非侵襲的に予測する因子等について新たな臨床的知見を得ることができた。日常臨床をベースとした観察データであるため結果の解釈においては十分留意する必要はあるが、今後多施設のデータを解析すればより多くの一般化した臨床的知見が得られると期待される。
ガイドライン等の開発
本研究代表者が座長を務めた「医薬品の安全対策における医療関係データベースの活用方策に関する懇談会」がとりまとめた「電子化された医療情報データベースの活用による医薬品等の安全・安心に関する提言」において、医薬品等にはペースメーカやステント等の治療用医療機器も含まれる、とあるのは本研究においてステント等を治療器具として用いる虚血性心疾患臨床疫学データベースを実際に構築し分析したことを通じてそうした領域においてもリスク・ベネフィットを評価することの重要性が認識されたことが反映されたものである。
その他行政的観点からの成果
今後、いわゆる日本版センチネル・プロジェクトやレセプトデータベースの整備が進んでいき、それらを活用した研究や政策が生み出されると思われるが、そうした際に実際の臨床現場において日々生み出される臨床情報をデータベース化し、そこから新たな医学的知見を抽出することができた本研究は、意味のある成果を出すためにはどのような情報を収集すべきか、どのようにデータを活用できるのかという観点から寄与することが可能であると考えられる。
その他のインパクト
本研究においては治験・臨床試験データの世界標準規格であるCDISC標準の調査研究、試験実装を行っていたが、福島県立医科大学附属病院がCDISC標準を用いて臨床研究データを東京大学内の大学病院医療情報ネットワークと連携したことが地元紙に報道された(2009年10月23日)。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-06-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201016001Z