モルフォリノを用いたDuchenne型筋ジストロフィーに対するエクソン51スキップ治療の臨床応用

文献情報

文献番号
201015034A
報告書区分
総括
研究課題名
モルフォリノを用いたDuchenne型筋ジストロフィーに対するエクソン51スキップ治療の臨床応用
課題番号
H21-臨床研究・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
武田 伸一(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡田 尚巳(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部)
  • 永田 哲也(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部)
  • 大澤 真木子(東京女子医科大学)
  • 木村 重美(熊本大学大学院生命科学研究部)
  • 中林 哲夫(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター)
  • 村田 美穂(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 病院 神経内科診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
56,486,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症の単一遺伝子病であるDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)について、これまで様々なモデル動物を用いてエクソン・スキップ治療の安全性と有効性を示し、前臨床的治験を進めてきた。エクソン・スキップは遺伝子変異に依存したテーラーメイド治療に留まることが課題である。そこで本研究ではスキップの対象が、欠失をもつDMD患者の約19%と最も多いエクソン51スキップについて国際共同臨床治験の実施を目標とする。
研究方法
1.mdx52マウスを用いて、エクソン51スキップに最適な投与方法および投与量を決定する。2.臨床治験のため、患者レジストリーの構築を始める。3.国際的な臨床指標の評価方法の導入を開始する。4.欧米での先行する臨床試験において申請された安全性情報を参考にして、エクソン51スキップ治療薬の前臨床的な安全性の評価を行う。5.GMPレベルのエクソン51スキップ治療薬の導入・臨床治験開始に向け協議を進める。
結果と考察
1.マウスではモルフォリノの場合、有効な用量が320mg/kgであることと、経静脈投与が最も効果的であることを明らかにした。 2.DMD患者レジストリーを整備し、既に600例以上のDMD患者登録を得ている。その上で、対象となるエクソン51スキップの患者数を把握した。3.国際対応の評価方法の導入と評価者の訓練・認定を進めた。4.製薬企業と秘密保持契約を結び、 欧米で先行するエクソン51スキップ治療薬の前臨床的な安全性の評価を行った。5.欧米製薬企業と2’O-MePSを用いたのエクソン51スキップ治療薬の導入に向け、薬事相談を行い、オーファンドラッグ申請を行った。国際共同治験の一環として該当するDMD患者のリクルートを開始し、既に同意の得られた患者を対象として23年1月に治験開始した。
結論
エクソン51スキップの臨床治験について準備を進めた結果として、2’O-MePSを用いた国際共同治験については開始した。精神・神経・筋の医療分野では、新薬に関する世界同時進行型の国際共同治験が行われることは我が国で初との評価を受けている。一方、モルフォリノを用いた治験についても準備を進めているが、英国での第2相の臨床治験の結果から更に高用量の投与の必要性が考えられた。現在、高用量での治験が計画され、我が国でも、それに準じた治験の実施を検討している。

公開日・更新日

公開日
2011-09-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201015034Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
56,486,000円
(2)補助金確定額
56,486,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
-