自家培養口腔粘膜上皮シート移植による角膜上皮再生治療法の多施設共同臨床試験

文献情報

文献番号

201015033A

報告書区分

総括

研究課題名

自家培養口腔粘膜上皮シート移植による角膜上皮再生治療法の多施設共同臨床試験

課題番号

H21-臨床研究・一般-014

研究年度

平成22(2010)年度

研究代表者(所属機関)

西田　幸二(大阪大学　大学院医学系研究科　脳神経感覚器外科学（眼科学）)

研究分担者(所属機関)

大橋裕一(愛媛大学大学院医学系研究科医学専攻高次機能制御部門・感覚機能医学講座・視機能外科学分野)
前田直之(大阪大学大学院医学系研究科視覚情報制御学（トプコン）寄附講座)
天野史郎(東京大学医学部附属病院角膜移植部)
布施昇男(東北大学大学院医学系研究科・眼科学)
嶋澤るみ子(長崎大学大学院医薬薬学総合研究科生命医科学講座)
山口拓洋(東北大学（病院）（兼）医学系研究科医学統計学分野)

研究区分

厚生労働科学研究費補助金厚生科学基盤研究分野医療技術実用化総合研究（臨床研究推進研究）

研究開始年度

平成21(2009)年度

研究終了予定年度

平成23(2011)年度

研究費

56,508,000円

研究者交替、所属機関変更

-

研究報告書（概要版）

研究目的

従来、視力予後が極めて不良であった難治性角結膜上皮疾患に対して、われわれは患者自身の口腔粘膜上皮の幹細胞を用いた培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の開発とその臨床応用に世界に先駆けて成功し、難治性角結膜上皮疾患の根治的治療法の道を開いた（Nishida K et al. N Engl J Med 2004, Nishida K et al. Transplantation 2004）。本事業においては、培養口腔粘膜上皮細胞シート移植法の多施設共同臨床研究を実施し、その有効性および安全性さらに検討する。

研究方法

3年計画の2年目に当たる本年は培養口腔粘膜上皮細胞シート移植を進めるため、各実施施設における学内倫理審査委員会への書類提出をおこなった。さらに学内倫理審査委員会の承認を得た大阪大学、東北大学においては、ヒト幹細胞指針への書類提出を行った。また口腔粘膜上皮組織および培養口腔粘膜上皮細胞シートの航空機による輸送を行った。さらに試験物である培養虚空粘膜上皮細胞シートをCPCにて作製した。

結果と考察

大阪大学および東北大学におけるヒト幹指針に基づく臨床研究開始の承認、愛媛大学における学内倫理審査委員会での承認、東京大学における倫理審査の準備を行った。さらに大阪大学および東北大学においてはヒト幹細胞指針に基づく研究開始の承認を得た。また、口腔粘膜組織を輸送しても培養細胞シートの作成が可能であることおよび培養口腔粘膜上皮細胞シートを空輸しても生細胞率、細胞純度、各種マーカー発現（K3/76, p63, MUC16, ZO-1）に変化がないことを確認した。また培養口腔粘膜上皮細胞シートのCPCにける製造が可能であった。

結論

これらの成果によって多施設臨床研究を行う準備を進めることができた。今後は、これらの成果をもとにして、3年目から患者のリクルート・手術を開始する予定としている。