極細径光ファイバ圧力センサ

文献情報

文献番号
201015030A
報告書区分
総括
研究課題名
極細径光ファイバ圧力センサ
課題番号
H21-臨床研究・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
芳賀 洋一(東北大学 大学院医工学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 齋木 佳克(東北大学 大学病院心臓血管外科)
  • 松永 忠雄(マイクロシステム融合研究開発センター)
  • 戸津 健太郎(マイクロシステム融合研究開発センター)
  • 太田 信(東北大学 流体科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
54,245,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
体内狭所での圧力測定を可能にする外径125μmの極細径光ファイバ圧力センサを低侵襲医療ツールに組み込みシステムとして完成させ安全性と効果の評価を行い、臨床応用と実用化を加速する。
研究方法
本年度は医療機器への実装に関して医療機器として実装を行うとともに、血管モデルおよび動物実験においてその有効性と安全性の確認を行った。また、センサ作製プロセスと要求仕様に合わせたシステムの最適化を行った。
結果と考察
●被覆付き光ファイバ型センサ
作製した血管モデルを用いて、狭窄部への挿入実験を行い、拍動流下における狭窄部を越えた挿入とリアルタイム圧測定をしながらの抜去による計測を確認した。
 動物実験において、作製されたセンサは、ハンドリング特性に優れ、末梢血管への挿入と誘導をスムーズに行うことができた。また、血管内をさらに末梢まで進めていく過程で、先端に実装したセンサが障害されることなく、圧測定が可能であった。
当該センサは、マイクロカテーテルとの併用により、任意の生体内細血管に誘導し、サブミリ領域の圧測定を実現できた。一方、検出器システムの改良により拍動流においても十分に変化に追従できる時間分解能をもって計測できることが確認できた。さらに動物実験により、その有効性を確認できた。ガイドワイヤーおよびIABP搭載などその他の用途においても実装の準備を進めているが、これらにおいても計測装置の仕様を満たしている。

●選択的臓器灌流カテーテル
流量調整灌流を行ったところ、極細径光ファイバ圧力センサの実装前後で、灌流機能が損なわれていないことを確認し、灌流継続下に先端圧を測定したところ、比較用の市販の圧センサを用いて末梢位から得られた測定圧とほぼ相同の値を示した。
 選択的臓器灌流カテーテルにおいても今回開発の圧センサシステムを適用することで、従来の灌流量を確保しながら圧計測が可能となり、過灌流および低潅流を防ぎ、最適な灌流量を維持することで臨床成績が向上すると期待される。
結論
被覆付きファイバ型センサおよび圧センサ付き選択的臓器灌流カテーテルを作製し、狭窄部を再現した血管モデルによる拍動流下の挿入と計測およびイヌを用いた動物実験により安全性と有効性の評価を行った。いずれも、有効性を確認でき、この結果は同時に実装の準備を進めているIABPおよびガイドワイヤーについても役立つ結果となる。安全性に関して、今後は長時間に及ぶ測定を反復し、マイクロデバイスとしての安全性と耐久性の評価を重ねる必要がある。また、モデル実験、動物実験を経て効果と安全性の確認のとれた実装デバイスから順次臨床評価を進めていく。

公開日・更新日

公開日
2011-09-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201015030Z