将来出現が予想される新型インフルエンザに即応できる次世代ワクチンの臨床応用に向けた研究

文献情報

文献番号
201015029A
報告書区分
総括
研究課題名
将来出現が予想される新型インフルエンザに即応できる次世代ワクチンの臨床応用に向けた研究
課題番号
H21-臨床研究・一般-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所 )
研究分担者(所属機関)
  • 喜田 宏(北海道大学大学院 獣医学研究科)
  • 河岡 義裕(東京大学医科学研究所)
  • 長谷川 秀樹(国立感染症研究所 )
  • 内田 哲也(国立感染症研究所 )
  • 保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所)
  • 岡本 成史(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
56,508,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、世界で初めて整備されたインフルエンザAウイルスの全種類のライブラリーを利用した種ウイルスの保存方法ならび、それらの種ウイルスを利用したワクチン作製、接種方法を確立し、将来どのようなインフルエンザが出現しても直ちに対応できる次世代ワクチンの作成を目指す。
研究方法
本年度は、種ウイルス株による試作ワクチンの作製や経鼻接種による交叉防御能の検討、CTL応答の検討を行い、検証を行う実験動物の樹立を行う。
(1)インフルエンザライブラリーを用いたワクチンシードの作成と保存
(2)培養細胞を利用したワクチン用ウイルスの安定的な増殖方法の検討およびワクチン製造への応用
(3)新たな粘膜アジュバントの活用による交叉防御効果を有するインフルエンザHAワクチンの経鼻接種方法の実用化への応用
(4)交叉防御効果を誘導するインフルエンザ不活化全粒子ワクチンの経鼻接種方法の実用化への応用
(5)リポソームを利用した体液性および細胞性免疫応答双方を増強させるより効果的なインフルエンザワクチン実用化への応用
(6)インフルエンザウイルス感染に対する防御効果誘導における細胞性免疫応答の重要性と、ワクチン開発への利用
結果と考察
抗原性の異なるウイルスに対しても全粒子ワクチンが高い効果を示すことや、不活性化全粒子ワクチンの経鼻接種の交叉防御能がワクチン・アジュバント併用接種の場合と同様の高い効果を示すことを明らかにした。
また、ライブラリー内の15 株がMDCK 細胞によるワクチン作製に必要とされる十分なウイルス増殖能を有することを明らかにした。
結論
以上の結果をもとにこれらの方法論を確立し、組み合わせていくことにより、新型インフルエンザの出現に即応できる新たなインフルエンザワクチン製造方法が確立され得ることが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2011-09-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201015029Z