未破裂脳動脈瘤の治療の評価技術の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201015027A
報告書区分
総括
研究課題名
未破裂脳動脈瘤の治療の評価技術の開発に関する研究
課題番号
H21-臨床研究・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
野崎 和彦(滋賀医科大学 医学部脳神経外科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科 健康情報学)
  • 上島 弘嗣(滋賀医科大学医学部生活習慣病予防センター)
  • 森田 明夫(NTT東日本関東病院脳神経外科)
  • 宝金 清博(北海道大学大学院医学研究科 脳神経外科)
  • 塩川 芳昭(杏林大学医学部 脳神経外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦では諸外国に比べくも膜下出血の発生頻度が高い。本研究ではくも膜下出血による社会負担の軽減のため、脳動脈瘤側、患者側、医療者側リスク情報の整備、現存治療法のリスクと効果の把握と新たな治療法の探索、治療の評価と患者の意思決定の支援ツールの開発、患者と医療者の意思決定と適切な治療法選択を支援する治療指針作成を目的とする。
研究方法
未破裂脳動脈瘤患者の画像追跡・治療成績と患者QOLと医療費の評価(UCASII)、本邦における治療選択の現状と問題点の解析(u-TREAT)、実態調査、薬物治療の可能性に関する症例・対照研究(SSS)、脳ドックにおける一般受診者と未破裂脳動脈瘤保有者の満足度調査、治療法と成績に関する前向きコホート臨床試験を行い、本研究で得られた最新情報を患者側に還元するため、治療法の評価と選択に関する支援ツールの作成を行う。
結果と考察
すでに登録済みの1000例余りの未破裂脳動脈瘤患者の画像追跡、治療成績、患者QOLの変化、医療費の評価(UCASII)を行なっている。UCASIIは開始より6年間の追跡が必要であり平成24年まで継続される。また、本邦および諸外国の100名以上の医療者の治療選択の現状と問題点の解析(u-TREAT)が終了し、英文誌への発表が完了している。今後は、治療選択の実態調査を行い、その推移を追加調査する。脳ドック受診者の満足度交差は平成22年度開始後、約800名を登録追跡中であり、有所見者は50名である。さらに、薬物治療の可能性に関する症例・対照研究(SSS)(平成23年3月登録終了)を遂行中であり、中間解析結果を平成23年7月の日本脳卒中学会にて公表予定である。現在までに300名を超える症例が集積されている。平成23年度以降においては、治療法と成績に関する前向きコホート臨床試験を計画・準備する。
また、本研究で得られた最新情報を患者側に還元するために支援ツールの作成を行うことを計画しており、現在、患者説明のためのツール作成、患者視点に立った新たなガイドライン作りを検討中である。
結論
平成22年度はUCASII継続,u-TREATの成果まとめと英文誌への発表、薬剤服用に関する対照比較試験(SSS)継続、説明ツール作成などを行なった。平成23年度においては、UCASII継続, SSS結果解析、u-TREATの追跡調査、患者満足度前向き調査、新たな臨床研究(UCASIII)を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-09-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201015027Z