文献情報
文献番号
201015019A
報告書区分
総括
研究課題名
小児悪性固形腫瘍領域における体系的な臨床試験実施に基づく適応外医薬品の臨床導入の妥当性検討に関する研究
課題番号
H20-臨床研究・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
牧本 敦(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科)
研究分担者(所属機関)
- 森川 康英(慶応義塾大学 医学部 小児外科)
- 麦島 秀雄(日本大学 医学部 小児科学系 小児科学分野)
- 福澤 正洋(大阪大学大学院 医学系研究科 外科学講座 小児成育外科)
- 原 純一(大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科)
- 檜山 英三(広島大学 自然科学研究支援開発センター)
- 正木 英一(独立行政法人 国立成育医療研究センター 放射線診療部)
- 大喜多 肇(独立行政法人 国立成育医療研究センター 小児血液腫瘍研究部)
- 森田 智視(横浜市立大学 市民総合医療センター 臨床統計学・疫学分野)
- 瀧本 哲也(独立行政法人 国立成育医療研究センター 臨床研究推進室)
- 小川 淳(新潟県立がんセンター新潟病院 小児科)
- 福島 敬(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 小児内科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児悪性固形腫瘍(以下、小児がん)領域において、治療上特に問題になる再発腫瘍患者を対象に、適応外薬剤を含む新規併用化学療法の臨床試験を体系的に実施することによって、臨床導入の妥当性を検討する事。
研究方法
1. 小児固形がん臨床試験共同機構内で、各がん種における欧米の治療開発動向の調査、国内の他の研究班で行われている臨床試験や医師主導治験の情報共有、それらを基にした小児がん領域の薬剤開発の方向性の議論、企業や薬事行政への提言を行う。
2. 科学的に妥当な治療開発を進めるため、適応外薬剤を含む以下の臨床試験実施する。
①再発小児固形腫瘍に対する低侵襲性外来治療としてのビノレルビン+シクロホスファミド対テモゾロミド+エトポシドランダム化第II相臨床試験
②転移性小児固形腫瘍に対する大量化学療法を含む集学的治療法の第II相臨床試験
③再発小児がんに対するgefitinib、irinotecan併用療法(Ir2療法)のpilot試験
④難治性/再発小児がんを対象としたbevacizumab + irinotecan併用療法の実行可能性試験
⑤進行性・転移性横紋筋肉腫に対する自家末梢血幹細胞救援療法を併用した大量化学療法の第II相臨床試験
⑥限局性ユーイング肉腫に対する標準的治療の第II相臨床試験
2. 科学的に妥当な治療開発を進めるため、適応外薬剤を含む以下の臨床試験実施する。
①再発小児固形腫瘍に対する低侵襲性外来治療としてのビノレルビン+シクロホスファミド対テモゾロミド+エトポシドランダム化第II相臨床試験
②転移性小児固形腫瘍に対する大量化学療法を含む集学的治療法の第II相臨床試験
③再発小児がんに対するgefitinib、irinotecan併用療法(Ir2療法)のpilot試験
④難治性/再発小児がんを対象としたbevacizumab + irinotecan併用療法の実行可能性試験
⑤進行性・転移性横紋筋肉腫に対する自家末梢血幹細胞救援療法を併用した大量化学療法の第II相臨床試験
⑥限局性ユーイング肉腫に対する標準的治療の第II相臨床試験
結果と考察
1. 臨床試験①は、2010年1月より臨床試験を開始し14例を登録した。臨床試験②は、研究分担者の森田が、ベイズ流試験デザインを応用し、成人用量を事前情報として小児用量を推定する新たな手法を考案し、計画書を作成した。
2. 臨床試験③は、東京都立駒込病院の単施設臨床試験として実施した。消化器毒性を中心とした有害事象のため、さらなる開発は断念した。臨床試験④は、大阪市立総合医療センターの単施設臨床試験として実施し、10例を登録して用量設定を完了した。
3. 臨床試験⑤は、2008年10月に合計37例の登録で登録終了、臨床試験⑥は、平成19年5月に53例にて登録終了し、共に現在追跡中である。
このように、本年度の本研究班の活動は、小児がん領域において、適応外薬剤を含む新規併用化学療法の臨床試験を体系的に実施し、臨床導入の妥当性を検討すると共に、その方法論の改善や臨床試験基盤の整備にも及んだ。本研究が進む事で、将来の小児がん患者の利益に貢献する事が大いに期待される。
2. 臨床試験③は、東京都立駒込病院の単施設臨床試験として実施した。消化器毒性を中心とした有害事象のため、さらなる開発は断念した。臨床試験④は、大阪市立総合医療センターの単施設臨床試験として実施し、10例を登録して用量設定を完了した。
3. 臨床試験⑤は、2008年10月に合計37例の登録で登録終了、臨床試験⑥は、平成19年5月に53例にて登録終了し、共に現在追跡中である。
このように、本年度の本研究班の活動は、小児がん領域において、適応外薬剤を含む新規併用化学療法の臨床試験を体系的に実施し、臨床導入の妥当性を検討すると共に、その方法論の改善や臨床試験基盤の整備にも及んだ。本研究が進む事で、将来の小児がん患者の利益に貢献する事が大いに期待される。
結論
適応外薬剤を含む新規併用化学療法の臨床導入の妥当性を検討するための臨床試験を複数実施した。今後2年以内に、②を除く5つの臨床試験の結果の公表を行う予定である。
公開日・更新日
公開日
2011-06-21
更新日
-