グローバル早期臨床試験を推進するための大学病院ネットワークの中核としての基盤整備研究

文献情報

文献番号

201014012A

報告書区分

総括

研究課題名

グローバル早期臨床試験を推進するための大学病院ネットワークの中核としての基盤整備研究

課題番号

H22-臨研（機関）・一般-003

研究年度

平成22(2010)年度

研究代表者(所属機関)

大橋　京一(国立大学法人大分大学　医学部附属病院臨床薬理センター)

研究分担者(所属機関)

内田　英二(昭和大学　医学部)
白尾　国昭(大分大学　医学部)
野元　正弘(愛媛大学　医学部)
笹栗　俊之(九州大学　大学院)
野口　隆之(大分大学　医学部)
門田　淳一(大分大学　医学部)
中野　重行(大分大学　医学部)
熊本　俊秀(大分大学　医学部)
森　宣(大分大学　医学部)
江島　伸興(大分大学　医学部)
森本　卓哉(大分大学　医学部)
上村　尚人(大分大学　医学部)
小手川　勤(大分大学　医学部)
今井　浩光(大分大学　医学部)
須崎　友紀(大分大学　医学部)
稲野　彰洋(大分大学　医学部)
内田　直樹(昭和大学　医学部)

研究区分

厚生労働科学研究費補助金厚生科学基盤研究分野医療技術実用化総合研究（臨床研究基盤整備推進研究）

研究開始年度

平成22(2010)年度

研究終了予定年度

平成24(2012)年度

研究費

95,000,000円

研究者交替、所属機関変更

-

研究報告書（概要版）

研究目的

大分大学の中核病院としての機能充実、医薬品開発の方針決定を行う早期臨床試験への積極的関与、第2の治験の空洞化の打破

研究方法

中核病院としてのさらなる基盤整備、グローバル早期臨床試験の実施体制構築と我が国に早期臨床試験を誘致する仕組み作り、先行研究で開発したフェローシップ制度による次世代の臨床試験従事者への教育拡充、中核・拠点病院連携、海外連携を基盤としたグローバル共同臨床試験の実施、欧米およびアジアの情報収集

結果と考察

本研究では、大分大学の中核病院としての機能の充実とともに、我が国が医薬品開発の方針決定を行う探索的早期臨床試験を含む早期臨床試験に積極的に関与し、治験の国際化に対応した競争力を増すために研究の遂行を行った。中核病院としてのさらなる基盤整備としては、早期臨床試験が実施可能な臨床試験専用病棟（クリニカル・トライアルユニット：CTU）を有する総合臨床研究センターを新設し、医学部・附属病院あげて中核病院事業に取り組んでおり、医学部と附属病院における臨床研究倫理審査体制の整備を行った。CTUでは、患者対象・病態下における薬物動態試験を含めた早期臨床試験の実施経験をもとに、地域治験ネットワークからの患者集積をCTUに行いグローバル早期臨床試験を完遂した。さらにマイクロドース試験などの早期探索的臨床試験を積極的に実施すると共に、抗がん剤の一相試験も実施し、早期臨床試験実施拠点としての整備を行っている。グローバル早期臨床試験を推進するための大学病院ネットワーク（J-CLIPNET）において、実際にグローバル早期臨床試験を完遂した。また、中国の天津国際循環器病院との連携（MOU）を結び、韓国・中国・オランダの大学と顔の見えるネットワークが実現し、具体的に日韓の共同臨床試験が始まりつつある。また、フェローシップ制度（医師、CRC、Project Manager、Data Manager、生物統計学等）において育成されたほとんどのフェローが実際の臨床研究の現場に関与している。早期臨床試験国際会議in Beppuの主催、米国JETROでの会議を通して、我が国の早期臨床試験活性化について話し合った。

結論

大分大学では中核病院としての体制整備・活性化活動を進めており、我が国における早期臨床試験の拠点として整備を進めている。