実現・持続可能性ある臨床研究フェローシップ構築研究 | 厚生労働科学研究成果データベース

文献情報

文献番号

201014007A

報告書区分

総括

研究課題名

実現・持続可能性ある臨床研究フェローシップ構築研究

課題番号

H21-臨研（教育）・一般-007

研究年度

平成22(2010)年度

研究代表者(所属機関)

福原　俊一(京都大学　大学院医学研究科　社会健康医学系専攻　医療疫学分野)

研究分担者(所属機関)

山口　拓洋(東北大学病院)
渡部　一宏(昭和薬科大学)
草場　鉄周(医療法人北海道家庭医療学センター)

研究区分

厚生労働科学研究費補助金厚生科学基盤研究分野医療技術実用化総合研究（臨床研究基盤整備推進研究）

研究開始年度

平成21(2009)年度

研究終了予定年度

平成23(2011)年度

研究費

28,500,000円

研究者交替、所属機関変更

-

研究報告書（概要版）

研究目的

本研究では、実現・持続可能性ある臨床研究フェローシップの構築のため(1)従来の「e-learning」を超えた本格的な遠隔学習プログラムの開発を行い、学習効果があり終了後も持続可能性のあるプログラムに収斂すること、(2)複数の研究グループによるモデル研究プロジェクトの実施、論文化を通じたOJTを提供すること、(3)学習プログラムの学習達成度の測定・評価法を確立することを目的として掲げた。

研究方法

(1)持続可能性のあるプログラムへの収斂のため、臨床研究教育ファシリテーターの養成、受講管理システムの開発、構造化抄録作成支援システムの開発、臨床研究ネットワークの視察を行う。
(2)7つの研究グループによる専修コースの実施を行う。学習プログラムの初年度は基本コースの履修と研究プロトコールの作成を行い、2年目はデータ収集及び解析、3年目に研究の発表、論文化を行うことを目標として実施している。1年に2回のスクーリングで、プロトコール発表及び討議、統計解析実習を行う。
(3)基本コースの教育効果測定、メンタリング評価研究を実施し、臨床研究コア・コンピテンシーテストの開発を行う。

結果と考察

2010年度は、初年度に開始した遠隔学習プログラムやモデル研究プロジェクトにおけるメンタリングの教育効果の評価研究を行った。また、臨床研究教育における方法論を実際にどの程度身につけたかを測定する「臨床研究コア・コンピテンシーテスト」の開発を開始した。持続可能性ある臨床研究フェローシップの構築のため、臨床研究教育のファシリテーターの人材育成も実施した。さらにOJTによるモデルプロジェクト（専修コース）を継続させ、7つの研究グループ全てが研究プロトコールを完成し、5研究グループにおいては、倫理委員会の申請・承認を得て、実際にデータ収集を開始し、順調に研究を進捗している。

結論

2010年度も専修コースのプロジェクトは、順調に研究を進捗することができた。これはメンタリングシステム・スクーリングといった本研究で開発した教育支援システムの効果を示唆している。また、教育効果評価研究及びメンタリングの促進・阻害要因に対する研究においても今後の臨床研究教育に寄与する知見を得た。さらに、臨床研究教育のファシリテーターの人材育成も実施し、臨床研究教育の効果を測定するために、「臨床研究コア・コンピテンシーテスト」の開発を開始することができた。