文献情報
文献番号
201014001A
報告書区分
総括
研究課題名
国際水準の臨床研究・治験を推進する先進的運営・教育・支援体制の確立
課題番号
H21-臨研(機関)・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
末松 誠(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 佐藤 裕史(慶應義塾大学 医学部)
- 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部)
- 武林 亨(慶應義塾大学 医学部)
- 日比 紀文(慶應義塾大学 医学部)
- 北川 雄光(慶應義塾大学 医学部)
- 竹内 勤(慶應義塾大学 医学部)
- 矢作 直久(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
95,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
慶應義塾大学医学部では臨床研究実施基盤整備事業下でクリニカルリサーチセンター(CCR)を置き,臨床研究の支援・教育および治験依頼者との協力の基礎固めを終えた.CCR機能を拡充し(1)国際水準の臨床研究の支援体制を確立すること,(2)国際共同治験の迅速円滑な遂行に必要な運営・連携体制を確立すること,の二点を研究目的とする.
研究方法
平成21年度に開始した(1)臨床研究支援体制の拡充(2)臨床研究医の資格化(3)国際共同治験対応型価格算定準備を継続しつつ,22年度には(1)倫理委員会/治験審査委員会の機能向上(2)症例組入れ進捗の更なる改善(3)海外先進的臨床研究拠点との連携強化に新たに注力した.
結果と考察
1)結果
1)-1:平成21年度からの継続項目
治験・臨床研究への一貫した支援体制を更に整え,CRC,データ管理,生物統計,運営管理の全面で支援を提供した.急増する倫理審査案件に対応すべく四段階の審査過程を確立した.年二回の臨床研究講習会,e-learning,医学英語研修を確立し,学内外から多数の受講者を得た.国際共同治験は新規依頼治験の半数を超し,支援経験を重ね,海外AROと協力し日本の全参加施設への支援も三試験で行った.
1)-2:平成22年度からの新項目
倫理委員会の機能向上と,審査対象の漸次拡充を進めた.治験契約達成率向上のため,CRC体制の改善,組入れ不良例への注意喚起,治験受託時の絞込を進めた.海外AROとの連携は英,欧にも拡大し,人材交流も進めつつある.
2)考察
(1)臨床研究倫理審査にあたっては,指導的臨床医の極端な多忙と,一般委員の委嘱困難が障害で,ともに社会文化的背景を有することが明らかとなった.
(2)複雑化・国際化する臨床試験運営に際し依頼者側の足並みの乱れが目立ち,治験や委託臨床研究に関する産学連携の改善が急務と思われた.
(3)臨床試験自体が国際的に理論・規制・運用各面で曲り角に至っており,国際的協調のもとでよりよい方向を見出すことが求められる.
1)-1:平成21年度からの継続項目
治験・臨床研究への一貫した支援体制を更に整え,CRC,データ管理,生物統計,運営管理の全面で支援を提供した.急増する倫理審査案件に対応すべく四段階の審査過程を確立した.年二回の臨床研究講習会,e-learning,医学英語研修を確立し,学内外から多数の受講者を得た.国際共同治験は新規依頼治験の半数を超し,支援経験を重ね,海外AROと協力し日本の全参加施設への支援も三試験で行った.
1)-2:平成22年度からの新項目
倫理委員会の機能向上と,審査対象の漸次拡充を進めた.治験契約達成率向上のため,CRC体制の改善,組入れ不良例への注意喚起,治験受託時の絞込を進めた.海外AROとの連携は英,欧にも拡大し,人材交流も進めつつある.
2)考察
(1)臨床研究倫理審査にあたっては,指導的臨床医の極端な多忙と,一般委員の委嘱困難が障害で,ともに社会文化的背景を有することが明らかとなった.
(2)複雑化・国際化する臨床試験運営に際し依頼者側の足並みの乱れが目立ち,治験や委託臨床研究に関する産学連携の改善が急務と思われた.
(3)臨床試験自体が国際的に理論・規制・運用各面で曲り角に至っており,国際的協調のもとでよりよい方向を見出すことが求められる.
結論
体制整備を進めてきた結果,国際水準の臨床研究への支援は充実しつつあり,海外AROとの連携下で更に遜色ない体制の継続が求められる.しかし,臨床研究に関する本邦の産学連携には依然改善すべき点があり,今後更なる注力を要する.
公開日・更新日
公開日
2011-09-21
更新日
-