高度医療技術の効率化及び標準化の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201011024A
報告書区分
総括
研究課題名
高度医療技術の効率化及び標準化の開発に関する研究
課題番号
H20-活動・指定-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
嘉山 孝正(国立がん研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 荒井 保明(国立がん研究センター  放射線診断科)
  • 伊丹 純(国立がん研究センター  放射線治療科)
  • 金澤 右(岡山大学 医歯薬学総合研究科)
  • 寺内 隆司(国立がん研究センター  検診開発研究部)
  • 佐久間 一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 竹内 義人(国立がん研究センター  放射線診断科)
  • 成田 善孝(国立がん研究センター  脳脊髄腫瘍科)
  • 栗原 宏明(国立がん研究センター  放射線診断科)
  • 吉村 亮一(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 馬屋原 博(国立がん研究センター  放射線治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(低侵襲・非侵襲医療機器(ナノテクノロジー)研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
181,104,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はこのための高度医療技術を開発するとともに、臨床試験により評価し、標準化することを目的とする。
研究方法
画像誘導技術については、経皮的穿刺治療における誘導技術として、1)CTやMRIで得たvolumeデータと患者体表の位置情報より体表面からの任意方向の画像を表示する技術、2)磁性体を持ち込むことのできないMRI装置内での穿刺を誘導する技術を、放射線治療における誘導技術として、3)種々治療画像の統合によるAdaptive Radiation Therapyの技術、4)ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のためのPET-CT画像による画像支援技術、を採り上げ、その開発を行った。また、新しい局所治療技術については、1)経皮的凍結療法、2)収束超音波療法、3)electric poration、4)BNCTを採り上げ、機器導入等、環境が整った経皮的凍結療法、収束超音波療法、electric porationについて、その安全性と有効性を評価するための第I/II相臨床試験計画を立案した。
結果と考察
これまでの研究については機器開発であり直接的に患者に関わる部分がなかったが、臨床研究計画書作成にあたっては、ヘルシンキ宣言、臨床試験倫理指針を遵守し、被験者本人に対する文書を用いた説明と文書による同意の取得を必須とするとともに、参加施設の施設倫理審査委員会の承認を受けて試験を行うこととした。試験中に発生した有害事象については、速やかに研究代表者に報告されるとともに、効果安全性評価委員会の評価を受けることとしている。また、被験者の個人情報については、試験の信頼性を担保するため登録時にはこれを要求するが、登録後は与えられた症例登録番号のみで運用し、さらに登録時に用いられた個人情報は、不正なアクセスに対し厳重に保護され、かつ、すべての閲覧が記録されるシステムとされているコンピュータ内に保管することにより、個人情報保護対策を万全とした。
結論
外科的治療に匹敵する非侵襲的局所治療を行うための高度医療技術の開発、評価を目的に、「局所療法を正確に誘導する画像技術」と「確実な治療効果を挙げ得る局所療法」のふたつの大きなテーマとして研究を行った。 BNCTについては機器設置前であるため基礎的検討に留まったが、その他の画像技術については、問題が明確化され、その一部で実用化に繋がる可能性の高い結果を得るに至った。また、新しい3つの局所治療技術について、5つの臨床試験計画書を作成し、科学的評価を行うための準備を完了した。

公開日・更新日

公開日
2011-09-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201011024Z