エコーガンによる低侵襲の胎児期遺伝子治療:胎児腹腔内への非ウイルス性ベクター注入と胎児肝母体外超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正

文献情報

文献番号
201011018A
報告書区分
総括
研究課題名
エコーガンによる低侵襲の胎児期遺伝子治療:胎児腹腔内への非ウイルス性ベクター注入と胎児肝母体外超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正
課題番号
H20-活動・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 敏雄(独立行政法人国立成育医療研究センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 松本 洋一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 桝田 晃司(東京農工大学大学院 生物システム応用学府)
  • 望月 剛(日立アロカメディカル株式会社 東京事業所技術開発部)
  • 宮本 義孝(独立行政法人国立長寿医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(低侵襲・非侵襲医療機器(ナノテクノロジー)研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,胎児ないし新生児期の治療成績・予後を改善するために,安全・低侵襲性に施行しうる出生前の治療システム・機器を開発することにある.目的遺伝子の賦与された非ウイルス性ベクターを,母体体外からの超音波照射にて標的臓器である胎児肝に集積して破砕し,標的細胞(肝細胞・造血幹細胞)内に導入する.本研究では,各要素技術の開発とその検証を行い,新しい低侵襲胎児期遺伝子治療法の確立を目指す。
研究方法
超音波を用いた胎児期低侵襲治療法は非ウイルス性ベクターを,母体体外からの超音波照射にて胎児肝に集積して破砕し,標的細胞(肝細胞・造血幹細胞)内に導入するためナビゲーション/超音波遺伝子導入を利用した治療システムを確立するため研究を進めた。超音波ナビゲーション技術については、遺伝子導入に用いるマイクロバブルを人口血管内で捕捉・集積させるため実験を行った。超音波遺伝子導入技術についてin vitro及びin vivoにおいて超音波による遺伝子導入について検討した。
結果と考察
超音波ナビゲーション技術については、遺伝子導入に用いるマイクロバブルを人口血管内で捕捉・集積させることに成功した。さらに臨床応用を想定した赤血球とマイクロバブル混合液を用いた実験においてもマイクロバブルの補足に成功した。
超音波遺伝子導入技術についてin vitroにおいては初年度に比べ大幅な遺伝子導入効率の向上を実現した。in vivoにおいてはマウス及び胎仔肝への超音波による遺伝子導入に成功した。
また超音波による遺伝子導入技術の確立とより臨床に近い評価系を確立するため、国立成育医療研究センターにおいて先天性代謝性肝疾患の患者様より摘出されたレシピエント肝を、肝細胞を分離・培養、および増殖させることに成功した。
結論
胎児肝超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正における新たなる可能性を見出すことができた.特に,臨床現場で利用されている超音波造影剤(ソナゾイド)を用いたナビゲーション技術/超音波遺伝子導入の基盤を構築し,in vitroからin vivoへ展開した.また,成育における細胞資源バンクの整備から,疾患モデル細胞および動物による出生前後の遺伝子機能発現評価系の構築と胎児への安全・低侵襲性を確保できたことは,今後の胎児期遺伝子治療において,多大なる発展に寄与するとともに,継続的な研究を行う必要がある.

公開日・更新日

公開日
2011-09-21
更新日
-

文献情報

文献番号
201011018B
報告書区分
総合
研究課題名
エコーガンによる低侵襲の胎児期遺伝子治療:胎児腹腔内への非ウイルス性ベクター注入と胎児肝母体外超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正
課題番号
H20-活動・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 敏雄(独立行政法人国立成育医療研究センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
  • 松本 洋一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 桝田 晃司(東京農工大学大学院 生物システム応用学府)
  • 望月 剛(日立アロカメディカル株式会社 東京事業所技術開発部)
  • 宮本 義孝(独立行政法人国立長寿医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(低侵襲・非侵襲医療機器(ナノテクノロジー)研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,胎児ないし新生児期の治療成績・予後を改善するために,安全・低侵襲性に施行しうる出生前の治療システム・機器を開発することにある.具体的には,1) たとえ一過性にせよ,その効果を発現しうる目的遺伝子の賦与された非ウイルス性ベクターを,2) 母体体外からの超音波照射にて標的臓器である胎児肝に集積して破砕し,標的細胞(肝細胞・造血幹細胞)内に導入する.本研究では,各要素技術の開発とその検証を行い,新しい低侵襲胎児期遺伝子治療の確立を目指す。
研究方法
本研究は超音波を用いた胎児期低侵襲治療法は目的遺伝子の賦与された非ウイルス性ベクターを,母体体外からの超音波照射にて標的臓器である胎児肝に集積して破砕し,標的細胞(肝細胞・造血幹細胞)内に導入するナビゲーション/超音波遺伝子導入を利用した治療システムを確立するため開発を進めた。超音波ナビゲーション技術については、遺伝子導入に用いるマイクロバブルを人口血管内で捕捉・集積させることを目的として研究を行った。超音波遺伝子導入技術についてはin vitro及びin vivoにおいて超音波による遺伝子導入について検討した。
結果と考察

超音波ナビゲーション技術については、遺伝子導入に用いるマイクロバブルを人口血管内で捕捉・集積させることに成功した。さらに臨床応用を想定した赤血球とマイクロバブル混合液を用いた実験においてもマイクロバブルの補足に成功した。
超音波遺伝子導入技術についてin vitroにおいては初年度に比べ大幅な遺伝子導入効率の向上を実現した。in vivoにおいてはマウス及び胎仔肝への超音波による遺伝子導入に成功した。
同時に超音波による遺伝子導入技術の確立とより臨床に近い評価系を確立するため、国立成育医療研究センターにおいて先天性代謝性肝疾患の患者様より摘出されたレシピエント肝を、肝細胞を分離・培養、および増殖させることに成功した。
結論
「胎児肝超音波照射による遺伝子機能発現の出生前是正」における新たなる可能性を見出すことができた.特に,臨床現場で利用されている超音波造影剤(ソナゾイド)を用いた超音波遺伝子導入/ナビゲーション技術の基盤を構築し,in vitroからin vivoへ展開した.また,成育医療研究センターにおける細胞資源バンクの整備から,疾患モデル細胞および動物による出生前後の遺伝子機能発現評価系の構築と胎児への安全・低侵襲性を確保できたことは,今後の胎児期遺伝子治療において,多大なる発展に寄与するとともに,継続的な研究を行う必要がある.

公開日・更新日

公開日
2011-09-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201011018C

収支報告書

文献番号
201011018Z