こどもの健やかな成長・発達のためのバイオサイコソーシャルの観点(身体的・精神的・社会的な観点)からの切れ目のない支援の推進のための研究

文献情報

文献番号
202427023A
報告書区分
総括
研究課題名
こどもの健やかな成長・発達のためのバイオサイコソーシャルの観点(身体的・精神的・社会的な観点)からの切れ目のない支援の推進のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24DA0301
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
永光 信一郎(福岡大学 医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 斉藤 まなぶ(弘前大学 保健学研究科)
  • 前垣 義弘(鳥取大学 医学部)
  • 三牧 正和(帝京大学 医学部小児科学講座)
  • 榊原 秀也(横浜市立大学附属市民総合医療センタ― 婦人科)
  • 松浦 賢長(福岡県立大学看護学部)
  • 野邑 健二(名古屋大学 心の発達支援研究実践センター)
  • 子吉 知恵美(金城大学 看護学部)
  • 岡田 あゆみ(土居 あゆみ)(岡山大学 学術研究院 医歯薬学域)
  • 杉浦 至郎(あいち小児保健医療総合センター 保健センター保健室)
  • 井上 建(獨協医科大学埼玉医療センター 子どものこころ診療センター)
  • 山口 忍(茨城県立医療大学 保健医療学部)
  • 内村 直尚(学校法人 久留米大学)
  • 岡 明(埼玉県立小児医療センター)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
21,508,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題は、乳幼児健診拡充における質/実効性の向上、乳幼児健診拡充の全国展開、効果的な乳幼児健診の手法に関する提言をアウトカムとして、医療従事者等向けの健診マニュアルの作成/見直し/保健指導資材の作成、エビデンスの収集・評価を, 母子保健のデジタル化・医療DXの進捗も考慮しながら実施する。また、全てのこども・子育て世帯の支援拡充のため, 学童・思春期の健診の手法も検討し、養育者とこどもの睡眠の質に関するエビデンスも収集する。
研究方法
乳幼児期から学童思春期までのこどもの健診やそれに伴う保健指導の連続性を考慮する際の現状の課題として、1か月児健診の「切れ目のない支援」の開始、5歳児健診の「全国展開」と「事後相談の確立」、さらに「健やかな成長・発達」を促す学童思春期健診への連続性が挙げられる。令和6年度の目標として、Ⅰ. 1か月児健康診査の推進、Ⅱ. 5歳児健康診査の推進、Ⅲ. 思春期の健康増進に向けた課題抽出とした。
1か月児健康診査の推進として、1か月児健康診査マニュアルの作成を実施した(永光・岡)。5歳児健康診査の推進として、5歳児健診の全国展開に向けた自治体の課題に関するアンケートに関する研究(永光)、5歳児健康診査の全国展開に向けた設置区分別の特徴と課題に関する研究(山口)、5歳児健診ポータル開発に関する研究(永光)、5歳児健康診査の実施の有無別による課題と実施のための方策の検討(子吉)、WEB健診導入の課題整理と保健指導の在り方の検討に関する研究 (斉藤)、5歳児健診における発達障害児の評価について(野邑)、園医方式による5歳児健診の実施状況と課題に関する研究(前垣)、5歳児健康診査の精度管理に関する研究(杉浦)、5歳児健診の事後カンファレンスの質の担保に関する研究(岡田)、5歳児健診における睡眠保健指導に関する研究(井上)を行った。思春期の健康増進に向けた課題抽出として、思春期の課題に関する視点~メンタル・ヘルスの観点から~(松浦)、思春期の課題に関する視点~リプロダクティブ・ヘルスの観点から~(榊原)、学童思春期健診に関する研究 起立性調節障害患者と睡眠の問題(岡田)を実施した。
結果と考察
1か月児及び5歳児健康診査支援事業による1か月児健診への申請状況は、令和5年度が7%であったのに対し、令和6年度では、37%に達した。令和6年12月に本研究班が作成した「1か月児健康診査マニュアル」は、全国展開の促進に貢献することが期待される。本マニュアルは、第1部(1か月児健康診査の目的・意義・実施体制・実際・判定)と第2部(1か月児健康診査時に注意すべき項目)の2部構成となっている。令和6年8月に、全国の1,741自治体を対象に5歳児健診の全国展開に向けた課題に関するアンケートを実施した(回収率68%)。アンケート結果から多くの自治体が求めている情報としては、「医師の確保方法」「フォローアップ体制の内容」「健診の流れ」「医師の診察内容」であった。これらの課題解決に向け、5歳児健診ポータルが制作された(https://gosaiji-kenshin.com/)。
思春期のメンタルヘルスに関連の健康課題として、自殺、インターネットの長時間利用、受診行動/気分障害、健診未受診/不登校、コミュニケーション/マスク、OD(起立性調節障害)、児童虐待、薬物乱用/オーバードーズの8項目が挙げられた。また、リプロダクティブ・ヘルス関連の健康課題として、性感染症、妊娠・出産・中絶、健康行動教育、妊孕性阻害因子(がん・子宮頸がん・ワクチン、月経困難症・OC/LEP、無月経・スポーツ)、食行動・摂食障害、ヘルスリテラシーの8項目が挙げられた。
結論
「1か月児健康診査マニュアル」により、健診の実施方法や診察内容の標準化が進み、1か月児健診の精度管理の向上が期待される。5歳児健診の実施に伴う課題が明らかとなり、課題解決のために制作された5歳児健診ポータルは、全国展開の推進に寄与している。さらに、5歳児健診の方式については、従来の集団方式に加え、抽出方式・園医方式・個別方式などが検討され、それぞれの利点や課題も分担者から報告された。発達課題を有するこどもへの早期の気づきと適切な支援のためには、健診のみでなく、他機関の連携によるフォローアップ体制の中で多面的な評価を行うことが必要である。思春期の健康増進に向けた課題については、医療的課題のみならず、保健領域の課題も多く存在する。家庭での保健指導に加え、教育、福祉、保健、医療の各分野からのアプローチが重要となる。1か月児健診から学童期の5歳児健診へとつなぎ、切れ目のない思春期健診の実装が期待される。

公開日・更新日

公開日
2025-12-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-12-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
202427023Z