文献情報
文献番号
201011008A
報告書区分
総括
研究課題名
シュガーチップと糖鎖固定化金ナノ粒子を用いたウイルス性疾患の超早期検査・診断法の開発
課題番号
H21-ナノ・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
隅田 泰生(国立大学法人鹿児島大学 大学院理工学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 奥野 寿臣(兵庫医科大学 病原微生物学教室)
- 石田 秀治(岐阜大学 応用生物学部食品生命科学課程)
- 有馬 直道(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 馬場 昌範(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 岡本 実佳(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 梶川 浩太郎(東京工業大学 大学院総合理工学研究科)
- 坪内 博仁(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 児玉 崇(株式会社ニート)
- 中嶋 一彦(兵庫医科大学 感染制御部)
- 西 順一郎(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(低侵襲・非侵襲医療機器(ナノテクノロジー)研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
33,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
独自開発した糖鎖を固定化した「シュガーチップ(以下SC)」および「糖鎖固定化金ナノ粒子(SGNP)」(下図参照)の2種類のツールを用いて、検体中の極低濃度のウイルスを濃縮し、罹患の超早期に検出・診断可能な技術の開発を行う。具体的には、肝炎(HCV、HBV)、エイズ(HIV)、成人T細胞白血病(HTLV-1)、ヘルペス(HSV)、インフルエンザ(以下FluV)、日本脳炎(JEV)、コクサッキー(CAV)、エンテロ(EV)、ノロ(NV)を対象ウイルスとする。
研究方法
(1)糖鎖(硫酸化糖鎖やシアル酸含有糖鎖など)の合成とシュガーチップ(SC)及び糖鎖固定化金ナノ粒子(SGNP)を調製した。
(2)多チャンネルファイバー型局在表面プラズモン共鳴測定装置(LSPR)の感度向上を光ファイバー型LSPRと2量体化した金ナノ粒子を用いて行った。
(3)ウイルスの超高感度検出と選択的除去法ならびに治療薬開発のためのスクリーニング技術の開発を行った。
(2)多チャンネルファイバー型局在表面プラズモン共鳴測定装置(LSPR)の感度向上を光ファイバー型LSPRと2量体化した金ナノ粒子を用いて行った。
(3)ウイルスの超高感度検出と選択的除去法ならびに治療薬開発のためのスクリーニング技術の開発を行った。
結果と考察
21年度に開発したHSVとFluVの超高感度検出系は22年度に実検体を用いて有用性を確認した。HCVに関しては、21年度に同族であるBVDV(牛下痢ウイルス)を用いて結合糖鎖の決定と、その糖鎖を固定化したSGNPを用いた超高感度分析系を構築し、22年度にHCVおよびJEVへ展開した。HTLV-1についても22年度までに結合糖鎖の同定と血液検体に応用可能な系を開発した。HIVについては、22年度までに感染性のHIVの結合糖鎖も決定できた。迅速・自動化については、21年度に試作したウイルス自動濃縮機(ロボット)を22年度に改良し、実用化(製品化)を達成した。また、FluVのイムノクロマトを用いた簡易キットの感度向上のために、22年度に1検体用の濃縮装置を試作した。
結論
研究は計画通り順調に進んでおり、鹿児島大学医学部および兵庫医科大学の倫理委員会の許可を得て、患者検体に対して本技術を適応している。
公開日・更新日
公開日
2011-09-21
更新日
-